犬の耳が臭い、赤い、かゆいときは病気?カビは?

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監修者:弓削田直子 院長
Pet Clinic アニホス(東京都 板橋区)

Pet Clinicアニホス板橋本院医院長。獣医師。厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事委員。アニホスという言葉には「命に対する真剣な対話」と「心のこもったふれあいを」をいう意味が込められています。

犬の健康をチェックする方法の1つが、耳を観ることといわれています。健康な犬の耳はキレイで、臭いがなく、ダニなどが寄生していません。犬の耳が臭いときや痒がっているときは病気の可能性がありますよ。

この記事では、犬の耳のトラブルについてまとめました。普段から愛犬が耳を気にしている場合は、この記事を参考に愛犬の耳をよく観察してあげてくださいね。

 

犬の耳が臭いときは病気?

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犬の耳が臭いと、すぐに耳掃除としなければと考えてしまいがちですが、実はこれは危険です。耳垢自体に匂いはないので、耳から悪臭がする場合、耳垢が原因で病気になっている可能性が高いのです。

耳が臭い原因となる代表的な病気は、外耳炎や中耳炎です。原因が細菌性かマラセチア性かを究明して洗浄や点耳を行います。抗生物質を投与することもありますよ。

湿度と気温が高い日本では、耳の中に細菌やカビが繁殖しやすく、犬も人間同様、外耳炎や中耳炎が発症しやすくなります。既に耳の病気にかかっているときに耳掃除を行うと、症状を悪化させてしまうことが多いです。

耳の臭いが気になったら、耳掃除をする前にかかりつけの獣医師さんに相談してください。病気が見つかったらすぐに治療することが大切です。治療が終わったら、耳掃除は定期的に行うようにしてあげてくださいね。だいたい週に1~2回が目安です。耳掃除のしすぎは耳を痛めてしまう可能性があるので、適切な回数を守ってあげてくださいね。

 

犬の耳が赤いときは病気?

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犬の耳が腫れているときは、耳血腫(じけっしゅ)の疑いがあります。

耳血腫は、耳介(じかい)という耳のひらひらした部分に血液が溜まり、赤くなったり、腫れ上がったりする病気です。細菌、ダニ、ノミ、打撲、血液異常、耳アカなど、さまざまな原因が考えられます。また、耳をかいたり、頭を激しく振ったり、外傷で血管が傷ついたりすることによってできることもあります。

自宅での治療は難しいので、すぐに動物病院で診てもらいましょう。これ以上犬が自分で耳を掻かないように、なるべく早くエリザベスカラーをつけてあげてください。

外耳炎が疑われる場合もあります。炎症が重度で耳道の腫れが重篤である場合には内科的治療を行いますよ。

アレルギーが疑われる時は、除去食試験や抗アレルギー薬の投与を2週間以上続けて反応を見てみます。

 

犬の耳がかゆいときは病気?

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犬が耳をかゆがるときは、外耳炎やアレルギー、皮膚病などあらゆる可能性が考えられます。

耳ダニ感染症はヒゼンダニという0.3mm程の小さなダニが寄生することで発生する病気で、耳の中に黒い耳垢が溜まっていると感染している場合が多いです。

耳垢を食べ、耳の中で卵を産み、どんどん増殖を繰り返していきます。感染した犬や猫と触れ合うことでうつることもあるので、注意してくださいね。

 

犬の耳にカビがはえることもあるの?

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犬の耳には、マラセチアというカビ(酵母菌)が存在し外耳炎を引き起こしているとされています。

マラセチアは犬の耳だけでなく、皮膚や口、肛門、指間や爪周辺など皮膚の柔らかい部分に多く存在しています。脂っぽい場所や湿度が高い場所で繁殖をしやすく、外耳炎や皮膚病を引き起こすのです。耳の中を健康に保ち、マラセチアが繁殖しないようにしてあげてくださいね。

 

犬の耳を観察して変化に気づいてあげよう

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犬の耳は体調の変化が出やすいので、継続して観察することで健康をチェックすることができます。同時に、耳はデリケートな器官なので、症状が出た場合は自宅のケアだけでは治療できないケースがほとんどです。すぐに動物病院に相談をし、治療を開始してあげてくださいね。

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