犬のトリミング、自宅でやる方法は?ブラッシングやポメラニアンカットは注意?

犬のトリミングというと、「ペットサロンに行ってお金と時間をかけて手入れしてもらうこと」「独自のカットスタイルにしてもらうこと」というイメージを持つ方が多いかもしれません。

サロンで行うトリミングも素敵ですが、自宅で愛犬とコミュニケーションをとりながら行える「簡単トリミング」もおすすめですよ。

この記事では、自宅でできる犬のトリミング方法についてまとめました。

 

犬のトリミングを自宅でやるときの基本アイテムは?

犬_ヨークシャテリア_カット

トリミングの基本は「愛犬をその子らしく、きれいに整える」ことです。長毛犬の場合は「スリッカー」「コーム」「ピンブラシ」、短毛犬の場合は「スリッカー」「獣毛ブラシ」、超短毛犬の場合は「獣毛ブラシ」「ラバーブラシ」を必要アイテムとしてそろえることがおすすめです。

 

スリッカーブラシ(ハードタイプ、ソフトタイプ)

スリッカーブラシは毛玉、死毛の除去には最適ですが、ピンの1本1本が鋭く硬いので使い方には注意が必要です。

スリッカーブラシには針金の固さによって、ソフトとハードの2種類があります。被毛が多く毛玉になりやすい「ポメラニアン」「ハスキー」「シェルティ」などの犬種にはハードタイプがおすすめですが、「トイプードル」「ヨークシャテリア」などのシングルコートの犬種は皮膚を傷つけてしまう恐れがあるので、ソフトタイプを使用します。

初めてスリッカーブラシを使用する方には、ブラシになれるために「ソフトタイプ」を使用することがおすすめです。

力加減に気をつけてとスリッカーブラシを動かすことがポイントです。

 

コーム

櫛(くし)のことで、長毛種のブラッシングの仕上げや毛玉の確認、カットしやすいように立毛させる時に使用します。

無理やりコームで毛玉を引っ張ると痛がり、ブラッシング嫌いにさせてしまうことがあります。優しくほぐすようにしながらゆっくりと使ってあげてください。

櫛の目は細目と粗目が一緒になっているコームを、はじめのうちはおすすめします。

 

ピンブラシ

ピンが太くて先端が丸くなっている基本ブラシです。毛の短い犬・長い犬どちらを飼う上でも持っておきたいですね。

ピンブラシは長毛のブラッシングに適したブラシで、被毛のもつれを解くときや、「死毛」「ホコリ」「フケ」を取り除くときに使います。ピンが長めでラバークッションには弾力があるのでマッサージにも使えますよ。

皮膚を傷つけずに被毛の手入れができる利点があるので、愛犬のサイズに合った大きさや被毛の密度に合ったピンの長さのものを選んであげてくださいね。

 

獣毛ブラシ

豚毛、猪毛、馬毛、混合型などの種類があります。柔らかい毛質のコートに使用したり、専用のオイルを馴染ませて毛につやを与えたりします。

コームの際に静電気が生じにくいので、被毛にまとわり付くほこりなどを取り除きやすいです。ブラシの柔らかさや硬さ長さにもいろいろあるので、愛犬の被毛に合わせたものを選んでください。

 

ラバーブラシ

ラバーブラシはゴムのような素材でできたブラシのことで、抜け毛を処理するときに使うブラシです。

被毛をよく吸着するため、力の入れすぎには注意をしてください。ぬけていない被毛も巻き込んでしまう可能性があるからです。

 

トリミング用カットバサミ

自宅で行う基本カットで必要となるので一本は持っておきましょう。人間の散髪用でも大丈夫ですが、工作用のハサミだと人間の髪の毛より細い犬の毛を切るのは非常に難しいので注意が必要です。

トリミングで使うハサミは、切れ味が非常に鋭くなっています。刃の部分に触れただけでも切れるので、刃の部分は決して触れないように、犬の皮膚に当てないように注意が必要です。

 

バリカン

バリカンは足裏の毛をカットする際に使用します。肉球のスキマの毛を処理してあげるときにハサミよりも簡単にカットできるため便利です。

バリカンは様々な大きさのものが販売されていますが、できるだけ小さいミニサイズのバリカンが使いやすくておすすめです。

 

アンダーコート用の抜け毛処理グッズ

アンダーコートを持つ犬種の場合、余分な抜け毛をごっそり取り除いてくれる「ファーミネーター」などの抜け毛処理グッズは重宝しますよ。

 

犬のブラッシングは「力加減」が大切

犬 かわいい

どのブラシを使用するにも、いちばん大切なことは「適切な力加減を覚えること」です。

ブラシを持って自分の手の甲をなぞり、痛くないくらい力加減がブラッシングにちょうどよいです。

 

犬種ごとのブラッシングのコツは?

犬 ブラッシング

長毛種

まずは抜け毛を取り除くために、スリッカーブラシを用います。その後ピンブラシやコームできれいに毛並みを整えます。

基本的にはどの犬種も根本から、力加減に気をつけて優しくブラッシングすることをおすすめします。

長毛種は毛のモツレが酷い場合、根元からブラシを通そうとすると、毛を引っ張るような形になってしまい皮膚トラブルや抜け毛を起こしかねません。

その際は、毛先から数回に分けて優しくブラッシングしてあげてくださいね。

 

短毛種

短毛種の場合は皮膚に負担をかけにくいラバーブラシや獣毛ブラシを用いて、根本から優しくブラッシングします。

スリッカーブラシを使用する際は、皮膚を傷つけないために力加減に気をつけてブラッシングすることをおすすめしますよ。

 

ワイヤー種

基本的には長毛種と同じで、抜け毛取りにスリッカーブラシを用います。特に抜け毛の多い換毛期は、スクラッチャーを使用するとより良く抜け毛が取れます。

より詳しい犬種ごとのブラッシングのコツについては関連記事をご確認ください。

 

犬のトリミング、第一歩は「ブラッシング」!嫌がる場合は?

ピンブラシ

人が毎日髪をブラッシングするように、犬もブラッシングが必要です。犬とのコミュニケーション、スキンシップ、ノミ・ダニ・皮膚病チェックの意味も込めて、ピンブラシを使ってブラッシングは毎日してあげてくださいね。

愛犬がブラッシングを嫌がるのは理由があります。「手足や尾を触られるのが本能的に苦手」「過去のトラウマ」「ブラシをおもちゃだと思っている」などが理由です。

1日のうち、愛犬ができるだけ落ち着いているタイミングでブラッシングをしてあげると、嫌がらずに気持ちよさそうな顔をしてくれることが多いです。

触られるのを嫌がる場合は無理をせず、優しく声をかけながら体に触れるのを慣れさせてあげてください。触られるのを嫌がる体の先端部分を「タッチング」して従属心を高める方法もおすすめです。

「ブラッシングは楽しく気持ちいいこと」だと思ってくれれば愛犬も協力的になりますので、実践してみてくださいね。

 

犬のトリミングを自宅でやる方法1.耳の毛のカット

耳の毛のカットは耳の内側・外側の長く伸びた毛をカットしてあげます。

犬の耳は被毛で覆われているため、どこまでが「耳」でどこからが「被毛」なのか、まずは指で確認してあげます。

確実に耳ではなく被毛の部分をコームですいて、少しずつハサミでカットしてあげてください。安全のため、耳の近くの被毛まではあまりせめないことをおすすめします。

カットの基本はハサミの先端を顔の方に向けないようにしてあげることです。犬が動いても耳や目に当たらないように気をつけてくださいね。

 

犬のトリミングを自宅でやる方法2.足裏の毛のカット

犬_トリミング_足先

肉球と肉球の間の毛である「足裏の毛」のカットもトリミングの基本です。犬を抱っこし、肉球をみてください。肉球と肉球の間の毛が伸び放題ではありませんか?室内犬の場合は、足先の毛が伸び過ぎると床の上で足が滑って危険です。

カットはミニサイズのバリカンが一番使いやすいですが、ハサミでも代用できます。少しずつ丁寧にカットしてあげてください。

肉球を傷つけないよう注意してくださいね。

 

犬のトリミングを自宅でやる方法3.顔の毛のカット

犬_トリミング_顔

目の周りや眉、口の周りの毛を短くカットするトリミングです。まずは、コームで顔の周りの毛をすき、コームですくい取った毛を少しずつカットします。ハサミの先は顔の外側に向けてあげてくださいね。

目ヤニや涙で汚れやすい目の周りの毛を短くしておくと、目の病気対策にもなりますし、汚れても濡れタオルで簡単に拭き取れるようになりますよ。

顔周りの毛はルックスに大きく影響するので、無理せずプロにお願いしてもいいですね。

 

犬のトリミングを自宅でやる方法4.アンダーコートのお手入れ

柴犬

コーギーやポメラニアン、柴犬といった「アンダーコート」を持つ犬種の場合はアンダーコートのお手入れもしてあげたほうがいいです。冬から春に向けた換毛期には必須といえます。

方法は「とにかくブラッシングをする」ことですが、「ファーミネーター」などのアンダーコート専用のお手入れグッズがおすすめです。ビックリするくらいたくさんの毛が取れますよ。

 

ポメラニアンのカットには注意が必要?

犬(ポメラニアン)_トリミング

ポメラニアンのように被毛の長さが一定以上伸びにくい犬種は、一度カットしてしまうと毛が伸びにくくなってしまうことがあります。

被毛は体温を調節する働きも担っていますし、むやみにトリミングをすると「アロペシアX」という原因不明の脱毛症なる可能性もあります。毛の根元付近からカットしてしまうことは避けたほうが良いですね。

毛を短くカットしてしまう「サマーカット」は、ポメラニアンのような毛が伸びにくい犬種にはおすすめできません。

ポメラニアンの被毛カットに関しては、プロに頼むことをおすすめします。

 

自宅で犬のトリミングをしてコミュニケーションをとる

犬 飼い主 プードル

自宅で手軽にできるトリミングもたくさんあります。簡単な部分や日頃のお手入れなど自分でできることはしてあげたいですよね。

愛犬のトリミングを自分でやることでより愛着がわきますし、愛犬も大好きな飼い主さんにトリミングしてもらうことで安心できるので、さらにコミュニケーションを深められられますよ。

ただし、ハサミで愛犬を傷つけてしまっては大変です。あまり難しいカットには挑戦しないことが無難です。それでも挑戦したい方は、ペットショップなどが開催している無料のトリミング教室に参加してみることをおすすめします。

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