レッサーパンダは日本の多くの動物園で飼育されていますが、世界的に見ると珍しい事です。
日本の動物園での飼育数は群を抜いており、絶滅を回避するための役割も担っていますよ。
この記事では、レッサーパンダの種類や生息地、個体数、絶滅危惧種なのか、日本における繁殖についてまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
レッサーパンダの種類は?日本に多いのは?
レッサーパンダは大きく分けて2つの種類がいますよ。
レッサーパンダの種類
- シセンレッサーパンダ
- ニシレッサーパンダ
シセンレッサーパンダ
日本の動物園で飼育されているレッサーパンダの多くは、シセンレッサーパンダです。
シセンレッサーパンダはニシレッサーパンダよりも体つきが大きく、しっぽの模様が明瞭です。体色は濃く鮮やかな赤茶色・茶色・黄色がかった茶色で、長い冬にも適応できる長い体毛が特徴的ですよ。
中国南部(四川省と雲南省)~ミャンマー北部にかけての地域に分布しています。
ニシレッサーパンダ
ニシレッサーパンダは、ネパールレッサーパンダとも呼ばれます。
シセンレッサーパンダよりも顔の毛の赤みが薄く、白っぽいのが特徴ですね。インド北東部・ネパール・ブータンに分布していますよ。
どこで見れる?
日本では静岡県の「熱川バナナワニ園」でのみ見ることができます。
熱川バナナワニ園で飼育されているニシレッサーパンダの飼育数は17頭で世界一※1なので、機会があればぜひ見に行ってみてくださいね。
レッサーパンダはどこに住んでいる?分布は
レッサーパンダの分布域 | 中国四川省 |
---|---|
ミャンマー | |
ネパール北部 | |
インド北東部 | |
レッサーパンダの生息域 | 山地の森林 |
山地の竹林 |
野生のレッサーパンダは、中国四川省・ミャンマー・ネパール北部・インド北東部などに分布しています。
山地にある「森林」や「竹林」を主な生息域としており、木の上で生活していますよ。
レッサーパンダの個体数は?
個体数
- 全世界: およそ1万頭
- 日本: 219頭(2011年)
夜行性で滅多に人前に出てこないため、レッサーパンダの正確な個体数は分かっていません。
中国に3000~7000頭、インドに5000~6000頭、チベットに1400~1600頭、ネパールに300頭、ブータンとミャンマーは不明ですが、全てを合わせても1万頭前後だと推測されていますよ。
2011年の情報ですが、世界83ヵ国で289頭が飼育されているうちの219頭が日本で飼育されていることを考えると、日本の動物園は絶滅回避に大きく貢献しているといえますね。
レッサーパンダは絶滅危惧種?
レッサーパンダの生息数は年々減少傾向にあり、絶滅危惧種に指定されています。
生息数減少の主な原因は毛皮やペット目的の密猟・生息地の減少ですが、出生数が平均1~2頭と少ないことや繁殖が難しいことも一因になっていますよ。
生息しているすべての国で保護活動が行われているものの、生息数が中々増えないのが現状です。
レッドリストとは?
レッドリスト(正式名称: 絶滅のおそれのある種のレッドリスト)とは絶滅の恐れのある野生動物のリストの事で、スイスのグランに本部を置くIUCN(国際自然保護連合)によって発表されています。
日本での繁殖の試みは?
日本でも繁殖を行っていますが、飼育するスペースに限りがある事や親兄弟での繁殖が不可能なので「ブリーディングローン」と呼ばれる動物の貸し借りを行っています。
動物園同士が「ブリーディングローン」をうまく行うことで、レッサーパンダの繁殖数を増やしていますよ。
参考書籍 もしもあの動物と暮らしたら!?