愛犬が散歩中に草を食べてしまうことを気にしている飼い主さんも多いですよね。インターネット調査では、愛犬が週に1回以上草を食べると回答した飼い主さんは68%もいるようですね。
今回の記事では、犬が散歩中に草を食べる理由と注意点についてまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
この記事でまとめたこと
犬が散歩中に草を食べる理由は?

犬が草を食べる理由
- 吐くため
- ビタミンや繊維質を補うため
- 草を食べるのが好きだから
- ストレスがあるから
犬の草食行動には、性別や犬種に関係なく4つの理由があります。
吐くため
色々なものに興味を示して口にする癖がある犬は、飲みこんだ異物を吐き出すために先のとがった草を食べます。
大昔の犬も草を食べて胃に刺激を与え、餌として食べた動物の毛などを吐き出していたとされますよ。
ビタミンや繊維質を補うため
犬は食事の内容に偏りがあると、ビタミンや繊維質を補うために草を食べることがあります。
また、大昔の犬は草食動物の生の内臓を食べることで酵素を補っていました。現在の飼育下にある犬はそういったことはできませんので、胃腸の調子が良くないときや胸やけがするときなどに草を食べて酵素を補おうとします。
草を食べるのが好きだから
草を食べることを楽しむ犬もいます。ただ草を嚙みちぎって遊んでいるだけのこともありますよ。好奇心が旺盛な子犬も、興味がある物はなんでも口にしますよね。
お腹が空いていると、空腹を満たすために食べることもあります。
ストレスがあるから
犬はストレスがあるとき、草を食べるとされています。ストレスの原因としては、愛情不足・散歩不足・飼育環境が良くない・飼育環境に変化があったなどの理由があげられます。
ただ単に、退屈しのぎに草を食べることもありますよ。
犬が好んで食べる草の種類は?

多くの犬は先のとがったイネ科の植物、イヌムギを食べます。
ペット用の食べる草には、イネ科で栄養価の高い「エンバク※1」が使われていますよ。
犬が食べていはいけない草がある!

犬が本能的に草を食べているなら放っておいても良いと思いがちですが、実は犬が口にすると危険な植物が自生しています。
自生している植物以外にも、花壇などに植えられている植物もあります。散歩中などは飼い主の目を盗んで食べてしまわないよう、特に注意してくださいね。
毒性がある箇所 | 植物名 |
---|---|
全体 | アロエ・シャクナゲ・ツツジ・アシビ・スズラン・ヒガンバナ・パンジー・藤・チューリップ・キョウチクトウ・菊・ユリ・フクジュソウ・ロベリア |
根・茎・種 | オシロイバナ・ワラビ・トマト |
葉・花・根 | ジギタリス |
葉・根 | アザレア・イヌサフラン |
根(球根) | アマリリス・チューリップ・ヒヤシンス・アヤメ・スイセン |
種 | アサガオ |
葉 | ジャガイモ |
樹皮・根皮 | ザクロ |
葉・樹液 | ポインセチア |
その他にも、日本にはネギ科の植物が自生しています。「ギョウジャニンニク」「ニラ」「ノビル」「ヤマラッキョウ」「アサツキ」などが挙げられますが、これらも与えてはいけない植物です。
また植物自体に毒性はなくても、除草剤や殺虫剤がまかれていることもありますので注意が必要ですよ。
もし危険な草を食べるとどうなる?

中毒症状
- 元気がなくなる
- 体に力が入らない
- よだれが出続ける
- 嘔吐・下痢・吐血
- けいれん・呼吸困難
- 体温低下・食欲低下
- 腎機能障害・多臓器障害
- 胃腸炎
- こん睡・心臓異常
中毒性のある植物を食べてしまった時には、上記のような症状がみられます。
自生しているネギ科の植物を食べると、急性の貧血を起こします。「脈が速くなる」「ふらつき」「黄疸」など症状がみられ、最悪の場合は命を落としてしまう可能性もあります。
もし食べてしまったらどうする?

草を食べてから愛犬の様子がおかしくなった場合、まずは興奮させないように安静にさせます。飲めるようであれば水をたくさん飲ませます。その後、できるだけ早く病院に連れていってください。
食べてから2時間以内なら、吐き出させることが有効です。塩水を飲ませるか水で薄めたオキシドールを飲ませて、胃の内容物を全て吐き出させてください。飼い主さんがうまく吐かせられなければ、すぐに病院に連れていくことをおすすめしますよ。
中毒症状がみられない場合は、食べた草は吐き出されるかうんちと一緒に未消化のまま出てきます。
危険な草を食べさせないための対策

ポイント
- 市販の犬用の草を与える
- おやつを与える
- ストレスを取り除く
胃腸の調子が悪い場合もあるので、体調が悪いときは病院へ連れていきます。胃炎などの病気の可能性もありますよ。
遊びの感覚で食べているようであれば、市販の「犬用の草」を与えることをおすすめします。自宅で与えるなら完全に無農薬なので、その点も安心ですよね。
空腹時に草を食べているならば、茹でた野菜をおやつに与えるなどして、空腹の時間を減らすようにします。
ストレスからくる草食行動なら、ストレスの原因を取り除きます。飼い主さんと過ごす時間を長くする、一緒に遊んであげるなどが有効ですよ。
お散歩時は注意が必要!

除草剤は口からだけでなく、皮膚からも体内に吸収されます。
除草剤がまかれていそうな場所を歩かせてしまった場合、できるだけ早く水で洗い流すことをおすすめします。皮膚から吸収する時間を減らし、愛犬が足や体についた除草剤を舐めてしまうリスクを避けることができますよ。