シャーペイが気をつけたい病気まとめ!症状や治療法は?

一度見たら忘れられない、シワだらけの顔がユーモラスなシャーペイ。

飼ってみたいけど、病気に関する情報が少なくて困っていたという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、シャーペイの寿命やかかりやすい病気についてまとめました。

 

シャーペイの寿命は?

シャーペイ

シャーペイの平均寿命は8~10年と、他の中型犬と比べるとやや短めです。

 

他の犬種と比べると寿命が短い?

2019年度の調査による犬の平均寿命は14.44歳なので、他の犬種と比べると確かに短めです。

これは、シャーペイが世界で最も珍しい犬種に認定されていることも影響していますよ。

シャーペイを育てたことがある人が少ないだけでなく、シャーペイに関する知識や情報も少ないので、罹患などで早期に亡くなってしまうケースが多いのです。
出典:令和元年 全国犬猫飼育実態調査

 

シャーペイ特有の病気:家族性シャーペイ熱

シャーペイ

家族性シャーペイ熱(Swollen Hock Syndrome)は、シャーペイシンドロームや踵が腫れる病気ともよばれる劣勢遺伝の自己炎症性疾患です。

ストレスが引き金になって発症することが多く、「原因不明の発熱(微熱)」「関節・踵の腫れ」「倦怠感・ぎこちない歩き方」「体重減少」「食欲不振」「腹痛」「嘔吐」「下痢」「貧血」「胸痛」「不整脈」「呼吸困難」「マズル(鼻)の腫れや痛み」などの症状がみられます。

不明なことが多いので解決法や対策などは分かっていませんが、命の危険がある「アミロイドーシス」という病気を引き起こす危険があるので紹介した症状が見られたら病院で診察を受けて早期発見することが大切ですよ。

 

シャーペイがかかりやすい目の病気

シャーペイ

かかりやすい目の病気

  • 緑内障
  • 眼瞼内反症
  • チェリーアイ
  • 乱生まつげ

 

緑内障

緑内障は、眼の中の圧が上がり痛みや視力の低下・失明などの視野に関する障害がでてしまう病気です。最悪の場合、失明してしまうこともありますよ。

遺伝による先天的なもの・ブドウ膜炎・前房出血(ぜんぼうしゅっけつ)・水晶体脱臼・眼球内腫瘍などの病気が原因で発症し、「目の充血」「角膜や結膜の浮腫」「牛眼(目が肥大化する)」などの症状がみられます。

 

治療法

治療は、内科治療と外科治療で行います。

点眼や服薬などの内科治療によって変化が見込まれないときは、外科手術を行い眼房水の排出を強制的に促します。緑内障で失明してしまい、その後も痛みがあるようであれば眼球を摘出します。

 

眼瞼内反症

眼瞼内反症とは、まぶた(眼瞼)が内側に曲がりこんだ状態のことです。

遺伝・急激な体重減少・外傷が主な原因で発症し、「目ヤニや涙の増加」「結膜炎」「角膜炎」などの症状がみられます。

結膜炎や角膜炎を発症しているにも関わらず、放ったらかしにしておくと角膜の炎症で「白く濁る」「黒い色素沈着」がみられることもありますよ。

 

治療法

症状が軽度の場合は定期的にまつ毛を抜くことで炎症を抑えますが、重度の場合は瞼の整形手術を行わなければなりません。

結膜炎や角膜炎を併発している場合は、その治療と並行して行います。

 

チェリーアイ

チェリーアイは、第三眼瞼腺という涙を作る役割の組織が瞬膜よりも外に飛び出してしまう病気です。第三眼瞼腺逸脱(だいさんがんけんせんいつだつ)ともよばれます。

先天性または目の怪我・目の中にできた出来物が原因で発症し、「涙の増加」「目を前足でこする」「目の周りの悪臭」「鼻水」「くしゃみ」などの症状がみられます。

 

治療法

チェリーアイの治療方法は、内科治療と外科治療の2つです。

症状が軽度であれば突出した第三眼瞼腺を押し戻し抗炎症剤などの点眼薬で経過をみます。

慢性もしくは重度の場合は、第三眼瞼腺を元の位置に戻して飛び出さないようにする手術を行わなければなりません。

 

乱生まつげ

乱生まつげは、主に顔のシワが原因でまつげが内側に向かって生えてしまっている、逆まつげといわれる状態のことです。

眼球周辺の余ったシワ(顔のシワ)が主な原因で発症し、「まばたきの増加や減少」「涙の増加」「目ヤニの増加」「目の周辺が腫れる」などの症状がみられます。

慢性化すると角膜潰瘍で角膜の表面が白く濁ったり、充血して黒く変色することもありますよ。

 

治療法

手術による顔のシワ切除や眼瞼内半症の矯正が主な治療方法です。

 

シャーペイがかかりやすい皮膚の病気

シャーペイ

皮膚の病気

  • アトピー性皮膚炎
  • 全身性毛包虫症
  • 突発性皮膚ムチン症

 

アトピー性皮膚炎

犬のアトピー性皮膚炎は、人間と同じようにアレルギーの原因である「アレルゲン」が体内に入り炎症を起こす病気です。

アトピー体質・ホコリ・ハウスダスト・カビ・ダニ・フケ・花粉などによって発症し、「皮膚の乾燥や荒れ」「発疹」「ただれ」「激しいかゆみ」などの症状がみられます。

合併症の膿皮症や結膜炎、外耳炎を併発することもありますよ。

 

治療法

痒みを抑える抗ヒスタミン薬やステロイド※1・漢方薬の服用が主な治療方法ですが、アトピー性皮膚炎を悪化させた病気がある場合にはその病気も同時に治療します。

※1 プレドニゾロン(ステロイド)は、シャーペイのマズルを縮小させるため、獣医さんと要相談

 

全身性毛包虫症

毛包虫症は、アカルス症・ニキビダニ症とも呼ばれます。

毛包虫・アカルス・ニキビダニなどの寄生虫が皮膚に寄生することが原因で発症し、「膿疱」「ただれ」「皮膚の赤み」「フケ」「脱毛」などの症状がみられますよ。

主に発症するのは子犬ですが、成犬に発症した場合はアトピー性皮膚炎や甲状腺機能低下・糖尿病との関わりも疑われます。

 

治療法

駆虫薬によるイヌニキビダニの駆除が主な治療方法ですが、完全に駆除することは難しいので根気が必要です。

再発を繰り返す場合は、原因となっている病気を治療する必要もありますよ。

 

突発性皮膚ムチン症

突発性皮膚ムチン症は、シャーペイによくみられる皮膚病の1種です。

シャーペイのシワの中に含まれるムチンが大量に作られることで首・胸・腹・足などの皮膚に水泡ができ、「かゆみ」「脱毛」などの症状がみられますよ。

 

治療法

主な治療方法はステロイド薬の服用ですが、副作用として皮膚のシワが小さくなってしまうこともあります。

一時的な現象であることが大半ですが、ステロイドの種類により一生戻らないこともあるようなのでしっかり病院で相談するようにしてくださいね。

 

シャーペイがかかりやすい呼吸器系の病気:短頭種気道症候群

シャーペイ

短頭種気道症候群は、短頭種(鼻ぺちゃの犬種)によく発症する病気です。

加齢や肥満による気道の狭まりが原因で発症し、「いびき」「開口呼吸」「吸気時の呼吸困難」「意識消失」「運動後のチアノーゼ」などの症状がみられます。

 

治療法

外科手術による鼻の穴の拡大や、軟口蓋※1の垂れ下がった部分の切除が主な治療方法です。

発症が1歳未満であれば、病状が複合化するリスクを減らすためにも早期の外科的な治療が奨励されていますよ。

ただ、短頭首は麻酔のリスクが高く、呼吸不全のリスクも高まります。納得のいくまで獣医さんと相談するようにしてください。

※1 口腔(こうこう)の中の硬口蓋(こうこうがい)の奥の方のやわらかい部分

 

シャーペイとの生活では「普段と違う?」に気を付ける

シャーペイ

シャーペイがかかりやすい病気には、命にかかわる病気や日常生活に影響を与える病気も少なくないです。

病気の早期発見・早期治療のためにも、日ごろから病気について学んでおくことが大切ですよ。

普段とは違う小さな変化を見落とさず、少しでも気になることがあれば獣医師の診察を受けるようにしてくださいね。

 

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