愛犬が小刻みに震えることはありませんか?一番に考えられる原因は寒さによるものですが、思わぬ病気が背後に潜んでいることもあります。
この記事では犬が震える原因や対策方法をまとめました。
犬が震える、原因は寒さ?対策は?

温度の変化による震え
犬の祖先であるタイリクオオカミは寒冷地にも住んでいたため寒さに対応できましたが、犬は人に飼われているうちに寒さに弱くなりました。特に子犬や老犬は体温調節の機能が弱いため、低体温症になる可能性があります。
一定の体積から熱が発生し、一定の面積から熱が逃げていくと仮定すると、体が大きくなればなるほど熱の発散に対し、発生の方が上回ります。体が大きな犬は暖まりやすく、チワワなどの小型犬は熱の発散量が多く寒がりです。
また、何らかの病気で体温が上がったときにも犬は震えます。発熱を引き起こす病気は数多くあるため、動物病院で検査をすることがおすすめです。愛犬に合わせた部屋の温度調節もしてあげてくださいね。
ストレス、恐怖心からくる震え
犬は耳がよいので、掃除機やカミナリなどの大きな音が苦手で恐怖を感じやすいです。特に小型犬はPTSD(心的外傷後ストレス障害)におちいって、恐怖によるパニックから排泄をしてしまう、暴れてしまうことがあります。優しく撫でながら声をかけたり、抱きしめてあげたりして安心させてあげてくださいね。
トイレを我慢している
外出先などで排泄をがまんしているとおしりをすぼめて震えることがあります。用を足しても問題ない場所に連れていくか、簡易トイレを用意してあげてください。
犬の震え、病気の症状はすぐに病院へ
震えの症状で、動物病院へ相談したほうが良いケースは主に以下の5点です。
低血糖
長い時間、ごはんを食べないと低血糖症状を起こし体を震わせることもあります。震え以外に、ぐったりとして元気がなかったり、体温が下がったりするのが特徴です。
またアジソン病にかかっていると低血糖になり、体を震わせることがあります。アジソン病は副腎で分泌される副腎皮質ホルモンが不足することで起きる病気で、ごはんを食べないことによる低血糖よりも震えを起こしやすいです。
病気のサインであることも多いため、動物病院にて原因を調べ、治療してあげてくださいね。ちなみに低血糖症状は低血糖発作を呼ばれることもありますよ。
熱中症
熱中症が進行した場合、筋肉の震えや全身のけいれん発作を起こすことがあります。水を飲ます、体を冷やすなどの処置をしながら、すぐに動物病院へ連れていってあげてください。
中毒症状
犬にとって有害なものを食べたとき、中毒を起こして震えることがあります。毒性のある植物、農薬や洗剤などが代表的なケースですが、食品が原因の場合もあります。犬にとってチョコレートやぶどう、たまねぎなどは有害な食品です。震えの他の症状は、よだれ、嘔吐、下痢、けいれんなどです。これらを併発したら中毒症状を疑ってください。すぐに動物病院へ相談をしてあげてくださいね。
てんかん
突然倒れて口から泡を吹き、手足を突っ張るようにしてけいれんを起こしている場合は、てんかんの可能性があります。一度や二度の発作で命に関わることはまれですが、何度も発作を繰り返すと慢性化してしまいます。こちらもすぐに適切な治療を受けさせてあげて欲しい症状です。
ケガの痛み
ケガをして体に痛みを感じている場合や、急な事故にあい精神的にショックを受けている場合に体を震わせることがあります。
体を震わせる理由として最も多いのが痛みで、外傷による痛み、頸背部・腰背部の痛み(椎間板ヘルニアなど)、腹痛がきっかけであることが多いです。ケガの可能性がある場合は、動物病院を受診する前に電話で搬送方法を問い合わせることをおすすめします。
微妙な変化に気づいてあげて
愛犬は震える理由を説明できないので、行動の変化に飼い主が気づいてあげることが重要です。思いがけない病気やケガに発展する場合もあるので、信頼できる獣医さんに相談をし、適切な処置をしてあげてくださいね。