犬が突然攻撃的に!原因は病気?対策まとめ

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愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

犬が散歩中に突然攻撃的になって困ったという経験がある方も多いのではないでしょうか。

犬の性質上、突然攻撃的になることがあります。また、病気が原因で攻撃的になることもあります。

攻撃的になったとき、ただ叱りつけるのではなく、犬をよく観察し原因がなにかを判断して、しっかりとした対策を取れるといいですね。

犬が攻撃的になるのは本能?4つの理由

攻撃的な犬の画像
犬はもともと狩りをする生き物です。

ペットとして飼われるようになった今でも、攻撃性は本能の一部として残っています。何らかの強い感情が引き金となり攻撃的になる場合があります。

恐怖、不安からくる攻撃的な行動

犬は心理的に追い詰められ、恐怖や苦痛に耐えられなくなると攻撃的になります。

雷などの大きな音、しつけや病気の治療などで恐怖や苦痛を感じている可能性があります。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
恐怖や不安からくる攻撃行動は防御的であるため、攻撃行動をしてしまう要因を取り除くことが大切です。

自衛のための攻撃的行動

犬は自分の縄張りや、持ち物、食べ物、飼い主さんなどを何らかの脅威から守ろうとし、激しい威嚇をして攻撃的になることがあります。

威嚇の対象が犬に害のない物であれば、優しく威嚇をやめるようにしつけましょう。

母性からくる攻撃的行動

妊娠・出産にともなってホルモンバランスが不安定になっているメス犬が攻撃的になることがあります。

なるべく刺激しないようしてあげましょう。出産後は子犬を守りたいという意識が強くなっているので、不用意に子犬に触れると噛みついてきますよ。

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子犬が危機的状況である場合を除いて、基本的に子犬を取り上げるような行動をするのは控えましょう。体重を測る場合は母犬に見えないようにするのが大切です。また偽妊娠や子犬が産まれる前にも攻撃行動がみられるかもしれません。その際はそっと見守ってあげましょう。

優位性を示すための攻撃的行動

犬は、他の犬や飼い主さんよりも優位に立つために攻撃的な行動をしてくることがあります。

特に、オス犬によく見られる行動です。そのままにしておくとしつけや飼育が難しくなるので、犬より飼い主さんが上の立場だと理解させる必要があります。

病気が原因で、犬は攻撃的になるの?

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病気やケガなどで体に何らかの弱点を抱えていると、犬は攻撃的になって身を守ろうとします。また病気の症状の一つとして攻撃性を表す場合もあります。犬をよく観察し、様子がおかしければ病院へ連れて行きましょう。

骨や関節の異常

骨や関節の異常があると強い痛みをともなうので、攻撃的になります。体に触れられるのを極端に嫌がる場合や、日常の動作に不自由さがある場合は骨や関節の異常を疑いましょう。過去の大きなケガの後遺症であることもあります。

皮膚病や寄生虫・ウイルスなどへの感染

発熱やかゆみ、不快感などから攻撃的になることがあります。いつもと違った様子はないか観察し、様子がおかしければ動物病院に連れて行き、詳しい原因を特定しましょう。

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病気にかかっている場合は静かで安心できる環境にしてあげることが大切です。病気の際にストレスがかかると治癒が遅れることもあります。

脳の器質的な疾患

てんかんや認知症などの脳の病気があると、認識能力の低下や混乱が原因で攻撃的になることがあります。体に異常はないのに、特に理由もなく攻撃的になる場合は脳に原因があるかもしれません。

狂犬病

犬が凶暴になる病気です。日本ではほぼなくなった病気ですが、可能性はゼロとは言えません。狂犬病は発症してしまうと有効な治療方法がなく、安楽死という手段が取られます。

ワクチンにて対策を行うことが一般的です。年に一度のワクチン接種を欠かさないようにしましょう。

問題行動は放置しない!攻撃的な犬への対策

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犬が攻撃的になっているときは、飼い主さんが知らず知らずのうちに犬を刺激している場合が多いです。

犬との生活を振り返り、犬を刺激していると思われる行為があればすぐにやめてあげてください。犬の攻撃的な問題行動は、放置すると矯正が難しくなります。

できるだけ早くに対応し、ブリーダーなどしつけのプロに相談することも考慮にいれることがおすすめです。病気やケガが疑われる場合は、すぐに病院で適切な治療を行ってもらってくださいね。

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