カーミングシグナルとは、愛犬が飼い主に気持ちを伝えたいときに使う体を使った表現のことです。不安やストレスを感じたときに発することもあります。今回は犬のあくびに込められた意味と、その他のカーミングシグナルをご紹介します。
犬があくびをするときの気持ちは?
愛犬があくびをしたからといって必ずしも眠気を感じているわけではないのです。犬のあくびは、人の「ためいき」に近いです。自分の気持ちを落ち着かせる意味があるとされています。
散歩にでかけるときなどに犬があくびをしたら、決して散歩を嫌がっているわけではなく、興奮を抑えるためのカーミングシグナルです。
驚いたり、見知らぬ人に触られたりしたときにもあくびをすることがあります。これはストレスを緩和するためのカーミングシグナルですね。
同じあくびでも状況によってさまざまな意味が隠れていますので、状況を観察して、愛犬の気持ちを察してあげてくださいね。
犬のカーミングシグナル、種類は?
あくびの他にも犬のカーミングシグナルはあります。その中でも頻繁にみられるもの4つご紹介します。
口のまわりや鼻をなめる
気持ちを落ち着かせるためのカーミングシグナルです。悪さをして飼い主に怒られたり、見知らぬ人が家にきて緊張したりするときにみられます。愛犬を叱っているときに口や鼻をなめていたら、飼い主との間の緊張を緩和しようとしています。
前足を空中で動かす
犬が前足を空中で動かす行動には2つの意味があります。1つは何かを発見したときなどの興奮を鎮めるためのカーミングシグナルです。散歩中によくみられますよね。もう1つはパピーリフトと呼ばれる、飼い主の関心をひくための行動です。遊んでほしかったり、かまってほしかったりするときにする行動ですね。
回りこむようにして相手に近づく
ほかの犬に接するときにみられる行動ですが、これは争いを避けるためのカーミングシグナルです。犬はまっすぐ自分に向かってくる相手を敵と判断することが多いので、敵対したくない相手に対しては回りこむようにして近づきますよ。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
犬と触れ合う際、まっすぐ犬に向かわないようにしましょう。犬はまっすぐ向かってくる相手に対して敵意を持ちますので、私たち人間も犬に近づく際には回り込むようにしましょう。また触れ合う際には手をグーにして自分のにおいをかがせてから触れるようにしましょう。
おしっこをする
散歩中ほかの犬に出会ったときなどに、愛犬がおしっこをすることがあります。おしっこが我慢できなかったわけではなく、相手に敵意を抱いていないことを伝えるカーミングシグナルです。犬は尿のにおいで自分のことを伝えようとします。このカーミングシグナルは、犬が社会を形成するうえで重要な役目を果たす行動なので、叱らないようにしてあげてくださいね。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
マナーとして愛犬がおしっこをしたら必ず水で流しましょう。
愛犬はいろんな行動で、私たちに話しかけている
犬のカーミングシグナルはたくさんの種類があります。落ち着きを表す行動だけでも、27種類あるといわれています。何かに向かってしきりに吠えていたり、ぐったりと倒れていたりしたらすぐに気がついてあげられますが、知らないと見落としてしまうメッセージはたくさんあるのです。それに気がついてあげれば、愛犬とより親密な関係を築くことができますよね。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
カーミングシグナルとは別に、ボディランゲージというものもあります。感情を伝えるという意味ではどちらも同じなのですが、ボディランゲージは遊びたい、うれしい、怖いなどの感情を表します。インターネットに画像付きで説明しているものもありますのでカーミングシグナルとあわせて確認してみるといいでしょう。