愛犬が鼻水を出していると「体調を崩しているのかな?」と心配になってしまいますよね。
鼻水は健康状態を計るバロメーターにもなるので、隠された病気のサインに早期に気づいてあげることが大切ですよ。
この記事では、犬の鼻水について、症状・原因・対処法についてまとめました。
犬の鼻水、どんな症状?

犬の鼻水は、水のようにサラサラした液体や、粘り気のあるネバネバの液体が鼻の穴から出てくる状態のことを指します。
「鼻水を何度も出す」「垂らす」「鼻水が黄色い」「ベタベタしている」などの症状がみられる場合は、体調を崩している可能性もあるので注意が必要です。
犬の鼻水、原因は?

鼻水の原因
- 鼻炎
- ジステンパーウイルス感染症
- ケンネルコフ
- 鼻腔の腫瘍
原因その1:鼻炎
細菌・ウィルス・カビ・ホコリ・香水や薬物などの刺激臭・寄生虫などによって粘膜が刺激されることで、炎症がおこり鼻水が出ます。
原因その2:ジステンパーウィルス感染症
ジステンパーウィルス感染症を発症すると、くしゃみの症状が現れます。
くしゃみをすることにより、鼻水が出ます。
原因その3:ケンネルコフ
ケンネルコフは呼吸器系の病気の1つです。
ケンネルコフに感染すると、くしゃみや膿状の鼻水が出ます。
原因その4:鼻腔の腫瘍
鼻腔にできる腫瘍は「扁平上皮ガン(へんぺいじょうひがん)」と呼ばれます。
腫瘍は鼻の穴の中にできるため、鼻水だけでなく鼻血が出ることもあります。
犬の鼻水、発症しやすい犬はいる?

鼻水が出やすい特定の犬種はいませんが、鼻炎や風邪・感染症でも発症することもあるので全ての犬種で注意が必要といえます。
ジステンパーウイルス感染症とケンネルコフはワクチンを摂取することで対処できるので、ワクチン接種を忘れないことが大切ですよ。
扁平上皮ガンになりやすい犬種
スコティッシュテリア・ペキニーズ・白い被毛のトイプードル・ダルメシアンなどの色素の薄い犬種。
犬の鼻水、発症してしまった場合の対処は?

鼻炎
ウイルスや真菌が原因であれば抗生物質・抗真菌薬の投与、ホコリや刺激物が原因であれば、それらを愛犬を取り巻く環境から取り除きます。
鼻水の原因がアレルギー性鼻炎のときには、植物のタネなどの異物が鼻の穴に入っただけのケースが多いので、異物を取り除くことで治療します。
ジステンパーウイルス感染症
ジステンパーウイルス感染症には有効な治療法がありませんが、異変を感じたら早めに動物病院へ行き診察をうけることが大切です。
免疫力が低下しているため、他のウイルスや細菌から愛犬を守るために抗生物質を投与して病状が重篤にならないようにします。
ケンネルコフ
合併症がなければ自然治癒することが多いですが、合併症がある場合は対症療法を行い、抗生剤や鎮咳剤・気管支拡張剤などを投与します。
パルボウイルスや犬ジステンパーウイルスなどに二次感染しないように、隔離することもあります。
鼻腔の腫瘍
体力のある犬であれば外科手術を行いますが、末期がんや体力がない犬の場合には抗ガン剤治療を行います。
犬の鼻水、どんな検査が必要?

検査
- 鼻鏡検査
- 病理組織検査
- 培養検査
検査1:鼻鏡検査
鼻鏡検査では、内視鏡を犬の鼻腔に入れ、炎症・異物・寄生虫・腫瘍などの異常を観察します。
鼻水の原因は多岐にわたるため、この検査のみでは原因を特定できないこともあります。
検査2:病理組織検査
病理組織検査では、鼻腔から採取した組織を検査します。
アレルギーやガンを診断できますが、外注検査のため結果が判明するまで多少の時間を要します。
検査3:培養検査
培養検査では、採取した鼻水を培養して細菌や真菌を調べます。
原因となっている細菌や真菌の種類が判明するため、適切な治療に繋がります。
犬の鼻水、対策するには?

愛犬の鼻水を対策するためには、健康管理と食事管理が大切です。
健康管理では、毎日の散歩や適度な運動が欠かせません。ストレスを与えない快適な生活環境を作ってあげることも大切ですよ。
食事管理では肥満に注意します。家族みんなで協力して、愛犬におやつを与え過ぎないようにしてください。
健康第一!

愛犬が、いつも鼻水を出していたら心配になりますよね。
鼻水が出る原因は様々ですが、命に関わる病気が潜んでいる可能性もあるため安易な判断で放置することだけは絶対にやめてください。
異変を感じたらいち早くかかりつけの動物病院に行き、獣医さんに診てもらうことが一番ですよ。