犬の分離不安とは?症状や原因から対策、対策を解説

人がストレスや不安に悩むことがあるように、犬だってストレスや不安に悩まされることがあります。

分離不安とは、犬が飼い主さんに依存してしまい、留守時に感じる不安から問題行動を起こしてしまう心の病気です。

飼い主さんが甘やかす、可愛がりすぎるなどで、犬は飼い主さんに依存してしまいます。

この記事では、犬の分離不安について症状・原因・対策・対策を紹介していますよ、ぜひ参考にしてくださいね。

 

犬の分離不安とは?症状は?

ゴールデンレトリバー

症状

過剰な吠
粗相
破壊行動
体の異変

犬の分離不安は、飼い主さんの不在時に感じる過度の不安により問題行動を起こしてしまう状態です。

分離不安の症状は、「過剰な吠え」「粗相」「破壊行動」「体の異変」があげられます。

 

過剰な吠え

飼い主さんが出かけたことを察知してしばらく吠える犬はよくいますが、たいてい5分で鳴きやむといわれています。

分離不安になっていると、飼い主さんが出かけた後いつまでも吠え続け、その結果声が枯れるほど吠え、遠吠えをしてしまうことがあります。

この症状は飼い主さんがいないときにみられるので、把握が難しく、過剰に吠えていることをご近所さんから聞いて気がつくということが多いです。

 

粗相

普段はきちんとトイレで排泄しているのに、粗相をしてしまうことがあります。

帰宅時に玄関にあるマット・居間にあるじゅうたんなどが汚されているのを飼い主さんが発見し、発覚します。

 

破壊行動

飼い主さんの不在時にお部屋をめちゃくちゃにしてしまうことがあります。

飼い主さんが帰ってきたときには、ドッグベッドやおもちゃの中身が部屋中に散らばっていたり、ゴミが散乱していたりします。

家具がかじられるなど激しい破壊のあとがあったり、物を食いちぎって飲み込んだ結果、便に異物が混じっていたりすると、症状は深刻といえます。

 

体に異変

分離不安によって、下痢や嘔吐をしたり、自傷行為(足が炎症を起こすほどなめるなど)をしたりで、体に異常が生じることがあります。

普段は体に異常なんてないのに、帰宅時に確認すると体に異変が起きていたら分離不安が原因とも考えられます。

 

犬の分離不安は何が原因なの?

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原因

社会に慣れていない
留守中の嫌な出来事
飼い主の不適切な接し方
血統・遺伝
健康上の問題

社会に慣れていない

社会・外の世界への不安は飼い主さんへの依存を高め、分離不安の状態にさせます。

犬は生後3ヶ月までが社会期とされ、この期間で外界に慣れていきます。

「お散歩が不足した」「家族以外に会うことが極端に少なかった」といった経験不足が、犬の社会慣れを邪魔し依存心を作ってしまいます。

 

留守中における嫌な出来事

突然分離不安の症状を起こすようになったら、留守中に嫌な出来事があり、留守の状況を不安に感じている可能性があります。

犬が不安を感じる嫌な出来事として、落雷や騒音などがあります。

 

飼い主さんとの不適切な接し方

 

可愛がりすぎ

愛犬に愛情を注ぐことは良いことです。しかし可愛がりや甘やかしの度がすぎると、犬は飼い主さんにべったりになってしまうことがあります。

飼い主さんに依存してしまうと、飼い主さんの不在時に不安を感じてしまいがちです。不安がきっかけになり問題行動を起こしてしまうかもしれません。

 

過剰な慰め・反応

愛犬がおびえた様子のとき飼い主さんは愛犬に寄り添い、慰めたいですよね。

飼い主さんが声をかけながら抱き上げたり撫でたりなど、大げさに慰めてしまうと、ささいなことであっても深く捉えて、不安視するようになってしまいますよ。

慰めることだけでなく再会においても同じです。

再会時飼い主さんが大げさに接すると、愛犬は留守番を大変なことと認識させてしまい、留守番に対し怯えるようになるおそれがあります。

 

過度の服従心

しつけにおいて、愛犬が「おすわり」など指示を理解し、従うことは大切ですし、飼い主さんとの信頼関係を結ぶための大切な過程です。

しかし日常的に号令を使い、頻繁に愛犬に指示を出していると、飼い主さんがいなくなったとたんに犬はどうすれば良いのか分からず困ってしまうことがあります。

「おすわり」など指示を教えることを繰り返すと、過剰な服従心を芽生えさせ、飼い主さんがいないだけで不安を感じるようになるケースがあります。

 

血統・遺伝

怖がりがち、不安になりがちな性格は育て方だけが原因ではなく、遺伝や血統が理由になることもあります。

生まれつき不安になりやすい子もいて、ダックスフンドやパピヨンは生まれつき怖がりな性格であることが多いですね。

 

健康上の問題

病気や加齢が愛犬の行動に影響を与えているおそれもあり得ます。

脳の疾患や甲状腺、副腎といった代謝疾患が問題行動を引き起こす場合があります。

また歳をとると不安を感じやすくなるため、おかしな行動をしだす可能性だってありますよ。

 

愛犬が分離不安になってしまったら。対処方法は?

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対策を考える近道は専門家に相談です。

行動学を学んでいる獣医師さんは、愛犬がおかしな行動をする理由が病気なのか、はたまた飼い主さんの接し方に問題があるのか、正しい原因を突き止めるための知識を持っています。

接し方に問題があるようならば、以下の対処方法が考えられます。

 

在宅中の対策点

在宅中の対策点

程よい距離感
平常心で落ち着いて接する

かまいすぎはよくないですので、自宅にいても愛犬とあまりベタベタせず、程よい距離感を保つようにしてくださいね。たまにハウスでひとりにするのも良いですよ。

また愛犬が何かに怯えている場合は、飼い主さんは平常心を保ち冷静に慰めたり、声をかけたりしてあげます。

飼い主さんの落ち着いた様子を愛犬が認識すれば安心して落ち着きを取り戻してくれますよ。

 

外出時・帰宅時の対策点

外出時・帰宅時の対策点

外出を不安に思わせない

飼い主さんは外出時や帰宅時には普段と変わらない堂々とした様子を愛犬に見せてくださいね。飼い主さんの落ち着いた態度に愛犬は安心をおぼえます。

家を出るときに飼い主さんが声をかけると、犬は「飼い主さんが外出してしまい不安だ」と感じることがあります。外出時は大げさにせず、淡々と出かけるのが良いです。

テレビを消す、鍵やバッグを持つ、靴を履くなどの行為は愛犬に「飼い主さんの外出」を連想させます。

これらの行為をあえて外出時以外にもすることで、行為と外出の結びつきをぼやかし、行為への過剰な反応を抑えられます。

 

留守番中の配慮

留守番中の配慮

狭くて安心できる場所を作る

犬は狭い場所を好む習性があるので、サークルやケージなどに入れて外出することをおすすめします。

犬の祖先である狼は敵から身を隠すために、暗く狭く見つかりにくいところに隠れていました。そのため犬も狭いところを好みます。

狭いところにいさせるのは可哀想にも思えますが、実は犬は広いとこでは安心できる場所がなかなか定まらず不安になりやすいのです。

普段からサークルやケージを利用することで、いざというときでも安心できる場所を定着させてあげられますよ。

 

しつけ方の見直し

しつけ方の見直し

叱らない・リラックス
トレーニングのやりすぎは注意

飼い主さんとの固い絆が、愛犬の不安を和らげます。愛犬と固い絆で結ばれるには、しつけが必要です。

帰宅時に部屋が散らかされていたら、怒ったり叱ったりしないでくださいね。注意するのであれば、いけないことをしてすぐに言わないと、何がいけないことなのか犬はわからないのです。

厳しく叱ると飼い主さんを恐れるようになることも考えられますよ。

「おすわり」「待て」「よし」など基本トレーニングから見直すことがあります。

しつけるときに大事なことは、厳しい口調を使わずリラックスして行うことと、トレーニング時間・回数を決めることです。1回に10分前後、1日に2・3回ほどがおすすめです。

 

愛犬を分離不安にさせない!対策してあげるためには?

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対策

過剰に愛情を注がない
愛犬と良い距離感でいる
幼いうちから多くの人・動物にふれあわせてあげる
愛犬が安心する場所を確保する
叱らない
基本のしつけに慣れさせる

分離不安対策には普段から愛犬を安心させてあげることが大切です。愛犬の自立を促し、不安を解消してあげてくださいね。

 

たくさん遊んであげよう!

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運動が犬のストレスを解消し、心も健康にします。怪我や病気のせいで遊び回れないと犬はストレスをためてしまいます。

愛犬とたくさん遊んでコミュニケーションを取ると、愛犬の信頼を得られます。確かな信頼は愛犬の不安を解消し、分離不安によるおかしな行為を未然に防げますよ。

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