ミニチュアプードルは、4種類あるプードル種の中の1種です。
日本ではあまり有名ではありませんが、公認されているプードル種の中で2番目に体が小さいことから海外でも人気の犬種ですよ。
この記事では、ミニチュアプードルの特徴や歴史、性格、寿命、飼育する際のコツなどをまとめました。
ミニチュアプードルの歴史

プードルの起源は、ドイツからフランスに渡った水辺の猟を得意とする犬といわれています。
16世紀ごろからフランスの上流階級の婦人に愛されるようになったことでスタンダードプードルが小型化、ミニチュア・サイズのプードルが誕生しました。
フランスで人気に火が付いたことからフレンチ・プードルというような呼び名もありますよ。
ミニチュアプードルの特徴

ミニチュアプードルはサーカスで活躍しやすいように改良された犬種であり、外見的な特徴は他のプードル種と変わりません。
「手足の細さ」「ふわふわした被毛」「体臭の少なさ」などですね。もちろん、様々なカットスタイルを楽しむこともできますよ
JKC(ジャパンケネルクラブ)公認のサイズは4種類
日本で現在正式な犬種として認められているのは「スタンダード」「ミディアム」「ミニチュア」「トイ」の4種類です。
体高や体重などの大きさや重さで分類されますよ。
スタンダードプードル

体高 | 45〜60cm |
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体重 | 16〜25kg |
日本での登録数(2018年1〜12月時点) | 829頭 |
プードルの歴史の中で一番古くから存在している犬種で、大型犬に該当します。
頭が小さく長い手足を持ったエレガントな容姿をしており、フレンドリーで賢く、好奇心旺盛な性格です。
日本での飼育頭数は登録されているプードル全体(74,215頭 ※2018年1〜12月時点)の約1.1%です。
ミディアムプードル

体高 | 38〜45cm |
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体重 | 8〜15kg |
日本での登録数(2018年1〜12月時点) | 186頭 |
2004年にJKCで正式に認定※1された比較的新しい犬種で、中型犬に分類されます。
小型犬に分類されるプードルよりも穏やかで優しい性格をしていますよ。
日本での飼育頭数は登録されているプードル全体の約0.3%未満の貴重な犬種です。
※1 英国や米国のケネルクラブではまだ認定を受けていない
ミニチュアプードル

体高 | 28〜38cm |
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体重 | 6〜7kg |
日本での登録数(2018年1〜12月時点) | 159頭 |
16世紀には存在していたとされている犬種で、小型犬に分類されます。
明るく社交性があり、他の犬とも仲良くできるフレンドリーな性格をしていますよ。
日本での飼育頭数はミディアムよりも少なく、登録されているプードル全体の約0.2%程度と最も少ない犬種です。
トイプードル

体高 | 24〜28cm |
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体重 | 3〜4kg |
日本での登録数(2018年1〜12月時点) | 73,046頭 |
JKCの「犬種別犬籍登録頭数(2018年1〜12月)」のランキングで、2位のチワワの49,689頭を大きく上回る73,046頭の登録があるダントツ人気の小型犬です。
とても小さく愛くるしいその容姿と、人懐っこく賢い性格で飼いやすい犬種としても広く知られています。
JKC非公認のサイズやミックス
JKCでは非公認ですが「タイニー」や「ティーカップ」と呼ばれる犬種や、他の犬種と掛け合わされて作出された「ミックス」も存在します。
タイニープードルとティーカッププードル

犬種 | 体高 | 体重 |
---|---|---|
タイニープードル | 23cm前後 | 2〜3kg |
ティーカッププードル | 20cm前後 | 2kg以下 |
呼び分けはブリーダーによって違いますが、上記のサイズが目安となります。
プードルとテリアのミックス犬「テリプー」
「テリプー」は、プードルの男の子とワーキングテリアの女の子から誕生したハイブリッド犬種です。
1700年頃には存在していたとされていますが、ワーキングテリアの入手のしづらさや飼育の難しさなどから犬種として固定されることはありませんでした。
またFCI(国際畜犬連盟)やJKCでも認定されていない犬種のため、日本での飼育頭数も把握されていません。
ミニチュアプードルの性格

ミニチュアプードルの性格は、「フレンドリーで甘えん坊」「好奇心旺盛」「愛情深い」などです。
家族はもちろん、ほかの人や犬に対しても友好的なのでドッグランや初めて行く場所でもすぐに友達と打ち解けることができますよ。
ミニチュアプードルの毛色

ミニチュアプードルの毛色
- ブラック
- ホワイト
- ブルー
- グレー
- ブラウン
- カフェオレ
- アプリコット
- クリーム
- シルバー
- シルバー・ベージュ
- レッド
JKCの基準では毛色は綺麗な単色(ソリッドカラー)が好ましいとされていますが、色の濃淡具合は認められています。
ミニチュアプードルの寿命

ミニチュアプードルの平均寿命は13~15年ほどです。
日々のこまめなケアや適度な運動、定期検診を心がければより長い時間を一緒に過ごすこともできますよ。
ミニチュアプードルがかかりやすい病気やケガ

ミニチュアプードルがかかりやすい病気やケガ
- 骨折
- アジソン病、クッシング症候群
- 水頭症
- 進行性網膜萎縮
- 椎間板ヘルニア
- 膝蓋骨脱臼
- 外耳炎
この項目では、ミニチュアプードルがかかりやすいとされる病気やケガを紹介します。
骨折
骨折とは、骨が衝撃などを受けた事によって損傷した状態の事をいいます。
「痛み」や「腫れ」が主な症状ですが、部位によっては「歩行障害」や「神経麻痺」などの症状がでることもありますよ。
治療は、主に折れた部分を元の形に整え固定する方法が採られることが多いですね。
アジソン病、クッシング症候群
プードル種は、アジンソン病やクッシング症候群などの副腎にまつわるホルモン異常疾患の好発犬種です。
診断には血液検査をする必要があるので、「いつもより元気がない」「ご飯を食べない」など気になる症状が見られたら動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
水頭症
水頭症は脳室内に溜まった脳脊髄液が過剰に貯留するために拡張し、脳組織や脳実質を圧迫する病気です。
軽度だと無症状のこともありますが、重症になると「意識状態の異常や障害」「視覚障害」「知覚障害」「てんかん発作」などを起こします。
治療は内科治療(対症療法)と外科治療の2つがあります。
進行性網膜萎縮
視力低下や失明を引き起こしやすい病気です。
はじめは夜間の視力が低下し、症状が進むと昼間の視力も落ちます。
遺伝子異常が原因なため、現代医学で治療することは難しく事前の遺伝子検査が大切です。
椎間板ヘルニア
背骨の1つ1つの間にあるクッションの役割をしている椎間板が、脊柱管内に飛び出して神経(脊髄)を圧迫する病気です。
初期症状は疼痛のみですが、進行すると後ろ足がもつれる、重症になると完全に麻痺してしまうので排尿や排便が困難になります。
治療はレーザー治療や内科療法などもありますが、手術が行われることが多いですね。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝蓋骨が滑車溝から内外へはずれてしまう状態のことです。
先天性もしくは打撲・落下などの後天的な原因で発症、初期段階では無症状のことが多いですが、進行すると跛行(患部の足を上げて歩く)が多くみられるようになります。
「十分な筋肉をつける」「肥満に気をつける」「高い場所からジャンプさせない」などが対策になります。
外耳炎
外耳炎は、犬の外耳に炎症が起こる病気です。
細菌や真菌が原因となることが多いですが、アレルギーや植物の種などの異物が耳に入ることでも発症します。
「耳を痒がる」「耳垢が増える」といった症状がみられ、点耳薬や内服薬で治療が行われます。
ミニチュアプードルの迎え入れ費用

ミニチュアプードルの迎え入れ費用は、15〜30万円ほどです。
「整った顔立ち」「シルバーやブルーなどの希少な毛色」、「理想的な体格」をしている子は高くなる傾向がありますよ。
ミニチュアプードルを飼うときのコツ

この項目ではミニチュアプードルの飼い方を「散歩や遊び」「被毛の手入れ」「コミュニケーション」「しつけ」「健康管理」に分けて紹介します。
散歩や遊び
豊富な運動量が必要な犬種なので、週末はドッグランで目一杯走り回らせてあげると良いですよ。
運動不足になると、ストレスから破壊や噛むなどの問題行動をしてしまうこともあるからです。泳ぎが得意なので、河原などで泳がせてあげるのもおすすめです。
被毛の手入れ
被毛の手入れは基本的に毎日行います。
プードル種特有の細くカールした被毛は絡まりやすく毛玉になりやすいため、定期的なブラッシングが不可欠だからです。
希望するカットスタイルによっては、毛が絡まないように被毛を伸ばすことが必要になります。
コミュニケーション
人と繋がることが大好きな犬種なので、小まめなコミュニケーションが欠かせません。
ただ、若干神経質な面があるので、子供がしつこく構ってきたりするとストレスを感じてしまうこともあります。
しつけ
賢いプードル種なので、しつけで飼い主さんを困らせることは少ないです。
ただ、賢いからこそ、「リーダーが飼い主」であることを覚えてもらう必要があります。
犬は一緒に暮らしている家族を群れの仲間と考え、その中で順位が高いものに従うからです。
健康管理
日本は高温多湿なので、季節ごとの健康管理を心がけてください。
特に夏場はこまめに水分補給をして、室内の温度や湿度の管理もしっかりと行うことが大切ですよ。
散歩は太陽の日差しが照りつけない早朝や、涼しくなった夕方に行くようにしてくださいね。
ミニチュアプードルの選び方

子犬を選ぶ際には、実際に自身の目で見て触れ合ってみることが大切です。
骨格はしっかりしているか、目の輝きはあるか、おかしな歩き方をしていないかなど健康状態をチェックします。
ブリーダーから迎え入れる場合も、できるだけ犬舎へ見学に行き飼育環境を含めたチェックをすることが望ましいです。
里親になる
保健所や動物愛護センター、里親サイト、SNSなどを通じて里親募集がされていることが多いです。
フィーリングだけで決めるのではなく、試験期間を活用して、受け入れようと考えている犬との相性や健康状態を確認するといいですよ。
ブリーダーを探す
トイプードルと比べると少ないですが、ミニチュアプードルのブリーダーもいますよ。
気になる子を見つけたら連絡を取って犬舎へ見学に行き、飼育環境や健康状態を自身の目で確認することをおすすめします。
最高のパートナーに

プードル種は大きさこそ違えど、非常に聡明で人懐こく初心者でも飼育しやすい犬種です。
人とは違う、ちょっと変わったプードルを迎え入れたい!と考えている人は、ミニチュアプードルを選んでみてはいかがでしょうか。
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