ソフトコーテッド・ウィートン・テリアはアイルランド原産のテリア種で、ネズミやモグラなど小型の害獣駆除や家畜の番犬として活躍していました。
アイルランド原産の犬種の中で最も古い犬種の一つとされています。
この記事では、ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの性格や特徴、しつけ、寿命や病気、飼い方をまとめました。
目次
ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの歴史は?

ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、アイルランド原産の大型テリア三犬種のうちの一つです。
家畜を狙う害獣をしとめる番犬、家畜を集めて管理する牧畜犬、農地や家屋敷の番犬としてその能力を多方面で発揮していました。
ウィートンがほかのテリア種に比べて攻撃的ではないのは、小動物を狙う狩猟犬ではなく農場の見張りや害獣駆除がメインだったからかもしれません。
難易度が非常に高い?ウィートンを迎え入れる方法
JKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)の2021年版犬種別犬籍登録頭数には、ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの登録数は10頭。
日本に僅かしかいないことからも分かるように、国内ではブリーダーがおらず迎え入れるためには輸入に限ります。
輸入するにもハードルが高い?
ただ、原産国であるアイルランドを含めヨーロッパから輸入をしようとしても、非常に倍率が高く非常に厳しい審査基準があるため困難です。
ニュージーランドにある犬舎に「日本にウィートンは出せない」と門前払いされた飼い主さんもおり、一緒に暮らすのは現実的ではないかもしれません。
そんなウィートンと「もしも」一緒に暮らすことになったときに活用できそうなことをまとめました。
ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの性格は?
一般的にテリア系の犬種は気性が荒く独立心の高い犬種が多いとされています。ソフトコーテッド・ウィートン・テリアはテリア系とは思えないほど元気で勇敢、社交的で愛情深く利口。飼い主に対しても大変愛情深く従順です。
時には強情な面を見せたりはしゃぎ過ぎたりすることもありますが、飼い主の期待通りに行動してくれます。子供や一緒に暮らす他のペットとも仲良くなれるので、家庭犬としてもぴったりです。
警戒心を持ち合わせながらも周囲の人々を和ませてくれる穏やかな犬として、ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは人々から親しまれています。
ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの特徴は?
ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの体高は46〜48cm、体重は16~20kgで中型犬に分類されています。
体型はスクエア型で、ガッチリした体格の持ち主です。
被毛の特徴は?
被毛は他のテリア系と比べて豊富で長く絹のような柔らかい被毛で、ウェーブがかかっています。人間やプードルの毛のように伸び続けます。定期的なトリミングが必要ですが、抜け毛は非常に少ないです。
被毛の色は子犬と成犬で異なります。子犬の頃はブラウン、レッド、マホガニーなどの暗い色かホワイトですが、成犬になるにつれて薄いブラウンか小麦色に変化します。
被毛の手入れは?
ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの被毛は長いので、毛がからまりやすくもつれやすいです。1日置きにブラッシングかコーミングをしてあげてください。
また1ヶ月置きぐらいに、シャンプーとトリミングをして美しい被毛とシルエットを保ってあげてください。
被毛を7~8cmほどの長さにカットすると手入れが楽になりますが、ソフトコーテッド・ウィートン・テリアらしい外観が失われてしまいます。ショードックではなく家庭犬であれば、見た目よりも手入れのしやすさを重視してもいいかもしれません。
ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの飼い方は?

朝と夕に60分程度の散歩をすることをオススメします。スポーツ選手のように活発なので、健康を保つためにも運動をさせてあげてくださいね。
余りある好奇心が裏目にでて、散歩中に動くものを反射的に追いかけてしまうことがあります。リードを放さないよう、しっかり持っていてください。
テニスボールなどを投げて、走って追いかけるような「フェッチ運動」をさせると喜んでくれます。庭の塀を軽々とジャンプで越えてしまうこともあるので、放し飼いには注意してくださいね。
ソフトコーテッド・ウィートン・テリアのしつけは?

利口で飼い主に従順なしつけやすい犬種といえます。「自分の方が賢い」と勘違いさせないように、飼い主に従うように主従関係と服従訓練を幼犬の頃からしっかり教えてあげてください。
まわりの人を喜ばせることに熱心な性格なので、上手に褒めながらしつけていくのがコツです。
ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの寿命や病気は?

ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの平均寿命は12~15年とされています。かかりやすい主な病気は筋ジストロフィーと目疾患、皮膚疾患です。
また垂れ耳の犬種に多い外耳炎にもなりやすいので、綿棒とイヤーローションで耳のケアを定期的にしてあげてくださいね。
先天的に網膜形成不全や若年性白内障をもっている可能性もあります。両親の血液を調べることで事前に対策が可能な病気ですので、飼う前に必ず検査をしてあげてくださいね。
迎え入れたい強い気持ちがあるなら…

飼い主に従順で愛情深い、ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、飼い主さんの知識や経験が豊富でウィートンに適した環境を用意できれば一緒に暮らしやすい犬種です。
テリア種を飼ってみたいけど気性の荒さを敬遠していた方や、飼育を諦めていた方が憧れる犬種でしょう。ただ記事冒頭で記載したように、日本で暮らしているウォートンは少なく輸入するにしても審査や条件が厳しく、犬舎で門前払いされる場合も。
「迎え入れたい!」と強い気持ちがあり、犬と生活していた経験、犬についての知識などが豊富であれば、ヨーロッパ諸国にあるウィートンの犬舎にコンタクトを取ってみるのが良いでしょう。