
この記事では、ペットが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症したと報じられた症例について、ペットの種類、症状、発症原因と考えられているもの、専門家の見解をまとめています。

弓削田先生
現状ペットが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症したという症例は、非常に少ないです。
さらに報告されている情報には「この辺どうなの?」と聞きたくなるような曖昧な表現もあります。
なので、この記事では1件1件の事例をできるだけ報告されている事実に基づいて紹介しています。

神波
記事作成者:神波将宏
pepy編集長。薬剤師国家資格を持つ。
記事監修者:弓削田直子
獣医師。Pet Clinicアニホス板橋本院の医院長。厚生労働省「薬事・食品衛生審議会薬事委員」博士。
動物の新型コロナウイルス発症例1:香港の犬

ペットの種類 | 犬 |
---|---|
犬種 | ポメラニアン |
ペットの年齢 | 17歳 |
症状 | 無症状 |
発症原因 | 人間から感染した可能性が高い |
その他備考 | もともと心臓病の持病があった |
飼い主がCOVID-19に感染していた |
ペットの新型コロナウイルス、最初の発症例です。
ペットの鼻と口から新型コロナウイルス感染の弱い陽性反応がみられたそうです。
飼い主がCOVID-19に感染していたことから、人間からペットの感染が疑われる事例です。
複数回検査を繰り返してもやはり弱陽性の反応が出たことから、犬が「低レベルの感染」をしていると香港漁農自然護理署(AFCD)が結論づけました。

なお検査が終わって自宅に戻った2日後、ペットは死亡しています。
死亡原因に関しては新型コロナウイルスが原因なのか、持病の心臓病が原因なのかわかっていません。
参考1:香港政府プレスリリース
参考2:テレビ朝日ニュース
動物の新型コロナウイルス発症例2:ニューヨークのトラとライオン

動物の種類 | トラ、ライオン |
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詳細 | マレートラ5頭、アフリカライオン3頭 |
ペットの年齢 | 最初に感染が確認されたマレートラ「ナディア」の年齢は4歳 |
症状 | 空咳、食欲減退など |
発症原因 | 不明(おそらく無症状の飼育員から感染した) |
その他備考 | ニューヨークのブロンクス動物園で集団感染が起こった |
動物の集団感染が起きた事例です。
最初に感染したのは、「ナディア」というマレートラの女の子(4歳)。さらにナディアと似たような症状のあるトラやライオンが見つかり、糞便検査で計7頭の感染が確認されました。
その後に別のもう1頭のトラの陽性も確認されました(ナディアと似たような呼吸器の症状はなし)。
発症が確認された動物たちのうち死亡した子はおらず、現在では症状も治まっているそうです。
参考:CNNニュース
動物の新型コロナウイルス発症例3:ニューヨークの猫2匹

動物の種類 | 猫2匹 |
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猫種 | 不明 |
ペットの年齢 | 不明 |
症状 | 軽度の呼吸器疾患 |
発症原因 | 飼い主か近隣の人間から感染したとみているが「動物から人に感染する証拠はない」との見方を示している |
その他備考 | 2匹はニューヨーク州の別々の地域で飼育されている |
アメリカで最初の、猫の発症事例です。
この事例では世帯内のどの飼い主もCOVID-19の感染が確認されておらず、家の外の第三者からうつされたのではないかと予測されています。
2匹はそれぞれ別の州に住んでおり、感染原因はどちらも不明です。症状は「軽い呼吸器症状」と共通点が見られました。
参考:アメリカ合衆国農務省HP
動物の新型コロナウイルス発症例4:ベルギーの猫

動物の種類 | 猫 |
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猫種 | 不明 |
ペットの年齢 | 不明 |
症状 | 一過性の呼吸器系・消化器系の問題、下痢や嘔吐(おうと)、呼吸困難 |
発症原因 | 不明 |
その他備考 | 感染事例は、リエージュの獣医学チームによって確認 |
ベルギーのリエージュ州の猫が発症したとされる事例です。
飼い主は、ベルギー東部のリエージュ州に住む女性で、女性にCOVID-19の症状が出た1週間後に、飼い猫にも発症したとされています。
猫の便から新型コロナウイルスが検出されました。
飼い主と密接した状態で暮らしていたとのことです。
参考:ブリュッセルタイムズ
まとめ

現状報告されている動物の感染事例をまとめました。
ペットから人間に、人間からペットに直接感染することはないとされていますが、もしもの自体に備えて感染予防をすることは大切です。
以下の記事では今日から行える効果的な感染予防法を紹介していますので、是非参考にしてください。
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