近年、ペットとしての飼育が増加傾向にあるイモリ。
可愛らしい見た目をしていますが、イモリとヤモリの違いを即答できる人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、イモリの種類、ヤモリ、トカゲ、サンショウウオとの共通点や違いをまとめました。
この記事でまとめたこと
イモリの種類をすべて紹介!

イモリの種類
- アカハライモリ(ニホンイモリ)
- シリケンイモリ
- イボイモリ
- シナイモリ
- シナコブイモリ
- ムハンフトイモリ
- マダライモリ
アカハライモリ(ニホンイモリ)

名前 | アカハライモリ |
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大きさ | オス:70~110mm |
メス:80~140mm | |
棲息地 | 本州、四国、九州及びその周辺の島々 |
アカハライモリは日本全国に棲息するイモリで、70~140mmほどの大きさをしています。
体色や体型、模様は様々ですが、腹部が赤やオレンジ色になっていることが最大の特徴です。
これは、敵に自分が有毒であることを示す警告の印であると考えられていますよ。
シリケンイモリ
名前 | シリケンイモリ |
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大きさ | オス:140mm |
メス:180mm | |
棲息地 | 奄美群島、沖縄諸島 |
シリケンイモリは奄美群島※1および沖縄諸島※2に棲息するイモリで、140~180mmほどの大きさをしています。
背中に金箔をまぶしたような模様があることが最大の特徴で、アカハライモリよりもややスマートで長い尾を持っています。腹部はオレンジ色をしていますが、体色は様々な変異があることでも知られていますよ。
イボイモリ
名前 | イボイモリ |
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大きさ | 130~190mm |
棲息地 | 奄美大島、請島、徳之島、沖縄島、瀬底島、渡嘉敷島 |
イボイモリは日本古来のイモリで、130~190mmほどの大きさをしています。
肋骨が浮き上がって見えるような背中が最大の特徴です。
常緑広葉樹からなる自然林・二次林、池沼などに生息し、落ち葉や倒木の下などで生活していますよ。
天然記念物に指定されているため飼育することはできませんが、棲息地である奄美大島、請島、徳之島、沖縄島、瀬底島、渡嘉敷島へ足を運べば野生のイボイモリを観察できます。
シナイモリ(チュウゴクイモリ)

名前 | シナイモリ |
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大きさ | 60~90mm |
棲息地 | 中国中東部 |
シナイモリは中国中東部に棲息するイモリで、60~90mmほどの大きさをしています。
平地から山地にかけて分布し、水のきれいな池、水田、緩い流れに住んでいます。
腹部が赤いなどアカハライモリとそっくりな外見をしていますが、アカハライモリと比べると小柄で耳線が発達しています。アカハライモリよりも体色は濃く、体側に側線器官が見られます。
シナコブイモリ
名前 | シナコブイモリ |
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大きさ | 120~150mm |
棲息地 | 中国南部 |
シナコブイモリは中国南部に棲息するイモリで、120~150mmほどの大きさをしています。
小さなゴツゴツとしたコブ状の突起に体中が覆われていることが最大の特徴で、腹部は黄色と黒の斑になっています。
陸棲なので、繁殖期以外に水中に入ることはありません。
ムハンフトイモリ

名前 | ムハンフトイモリ |
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大きさ | 200mm以上 |
棲息地 | 中国南東部 |
ムハンフトイモリは中国南東部に棲息しており、200mm以上の大きさをしています。
一生を水中で過ごすイモリで、尾の形が平でオールのような形をしていることが最大の特徴です。泳ぎが得意で、流れのある場所でも泳ぐことができますよ。
マダライモリ

名前 | マダライモリ |
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大きさ | 最大160mm |
棲息地 | イベリア半島北部、フランス南西部 |
マダライモリはイベリア半島北部・フランス南西部に棲息している、最大で160mmほどの大きさになるイモリです。
メスは背中にオレンジのラインがありますが、オスは点線状の模様があります。繁殖期になるとオスの背中にある背びれが大きく発達するので、迫力のある姿を見ることができますよ。
標高400m以下の森林を流れる河川などで見つけることができますが、夜行性なので昼間は石や倒木の下で休んでいることが多いですね。
イモリとヤモリの違いは?

見分け方 | イモリ | ヤモリ |
---|---|---|
前足の指の数 | 4本 | 5本 |
爪 | ない | ある |
うろこ | ない | ある |
まぶた | ある | ない |
棲息地 | 水辺で乾燥していない場所 | 陸上 |
イモリは両生類で水辺に棲息、ヤモリは爬虫類で陸地に棲息しています。
イモリはツヤツヤと濡れた皮膚をしていますが、ヤモリはベージュのような色合いで乾燥しているという違いもありますよ。
見分け方
イモリとヤモリの見分け方は上記の表に示したとおりですが、お腹の色に注目すると一目瞭然です。
腹部が赤ければイモリ、赤くなければヤモリだと判断することができますよ。
イモリとトカゲの違いは?

見分け方 | イモリ | トカゲ |
---|---|---|
前足の指の数 | 4本 | 5本 |
爪 | ない | ある |
うろこ | ない | ある |
住む場所 | 水辺の乾燥していない所 | 陸上 |
大きな違いとしては、イモリは両生類、トカゲは爬虫類です。
イモリは幼生と成体で全く違う姿になりますが、トカゲは生まれた時から成体と同じ形態をしていますよ。また、イモリが水辺周辺で一生を過ごすのに対し、トカゲは水辺以外でも生活することができます。
見分け方
イモリとトカゲを見分ける時は、上記の表以外にも肌の乾燥具合や尻尾の形に注目してみてください。
ヌメヌメと湿っているのがイモリで、乾いているのがトカゲです。
尻尾はイモリが平べったいヒレのような形をしているのに対し、トカゲは筒状の尻尾が先端に向かって細くなっているという違いがありますよ。
イモリとサンショウウオの違いは?

イモリとサンショウウオの最も大きな違いは、「皮膚の質感」です。
イモリは皮膚がザラザラしていますが、サンショウウオはツヤツヤしたゼラチンのような手触りをしていますよ。
見分け方
イモリとサンショウウオは外見が似ていますが、お腹の色や肌質で見分けることができます。
イモリはお腹や尾にオレンジや赤い部分がありますが、サンショウウオにはイモリのような腹部の特徴はありません。
日本のイモリとサンショウウオの種類を紹介

日本に棲息するイモリ
イモリの種類
- アカハライモリ
- シリケンイモリ
- オキナワシリケンイモリ
- アマミシリケンイモリ
- イボイモリ
日本に生息するイモリは主に上記の5種類です。
ただ、イボイモリは天然記念物に指定されているので、飼育や採集が禁止されています。
日本に生息するサンショウウオ
サンショウウオの種類
- アベサンショウウオ※
- イシヅチサンショウウオ
- エゾサンショウウオ
- オオイタサンショウウオ
- オオサンショウウオ
- オオダイガハラサンショウウオ※
- オキサンショウウオ
- カスミサンショウウオ
- キタサンショウウオ
- クロサンショウウオ
- ツシマサンショウウオ
- トウキョウサンショウウオ
- トウホクサンショウウオ
- ハクバサンショウウオ※
- ハコネサンショウウオ
- ヒダサンショウウオ
- ブチサンショウウオ
- ベッコウサンショウウオ※
- ホクリクサンショウウオ
サンショウウオは個体数の減少が危惧されている生物であり、種類によっては採集が禁止されています。
飼育を考えているのであれば、自然への影響が少ないと考えられている幼生(子供)を選ぶようにしてくださいね。
見た目で敬遠されることが多い!?

イモリ、ヤモリ、サンショウウオなど、見た目から敬遠していた方も多いのではないでしょうか。
生体や特徴を知ることは、その生き物をより身近に感じることにも繋がります。最近ではペットとしての飼育も増えているので、気になった方はぜひイモリとの生活を始めてみてくださいね。