2010年代に始まった猫ブームは莫大な経済利益を生み出し、2兆円を超えるともいわれています。安倍首相の経済政策アベノミクスになぞらえて「ネコノミクス」とも称される猫ブームはなぜ起こったのでしょうか。
この記事では、猫の経済に与える影響を示すネコノミクスの説明と、近年の猫ブーム到来の理由をまとめました。
ネコノミクスとは?経済への影響は?
ネコノミクスとは
- 猫が生み出す経済へ与える影響を指す造語
猫が経済へ与える影響
- 2兆3162億円
ネコノミクスとは猫が生み出す経済に与える影響のことです。安倍首相の経済政策アベノミクスになぞらえた造語で、2015年頃からメディアを中心に使用され始めました。
関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、ネコノミクスが生み出す経済への影響は2兆3162億円にも達するとされています。この背景には2010年代に起こった猫ブーム(2010~2015年の5年間で20万頭以上猫の飼育頭数が増加)があります。
飼育頭数増加に伴う飼育費用や写真集、猫関連グッズの売り上げを合わせると2020年の東京五輪が経済へ与える影響より大きいともいわれていますよ。
出典:関西大学プレスリリース「ネコノミクスの経済効果」
日本のネコノミクス、何が流行っている?
ネコノミクスで流行っているもの
- ネコノミクス大作戦
- ねこあつめ
- 猫侍 南の島へ行く
近年では猫をモチーフにしたアプリや映画がたくさん登場して人気を博しています。「ネコノミクス大作戦」や「ねこあつめ」「猫侍 南の島へ行く」などが代表例といえますよ。
「ネコノミクス大作戦」は、ゴールドを貯めて現金に換金したり、Amazonギフト券やiTunesカードなどに交換することができるポイント系お小遣いアプリです。
「ねこあつめ」は猫を庭先に呼んで、眺めたり戯れるだけの簡単アプリです。プレイする時間よりも放置する時間が長くなる仕様のため、忙しい人でも満足に遊べますよ。
「猫侍 南の島へ行く」は、北村一輝主演の強面の浪人が愛らしい白猫に萌える姿が人気の時代劇コメディ映画です。
また、アプリや映画だけでなく猫の写真集や飼育方法の特集を組んだ書籍、猫の専門誌などは前年度比で約3倍売り上げています。
ネコノミクス到来後、飼育数は増えている?理由は?
猫の飼育数の推移 | 頭数 |
---|---|
2016年 | 930万9000頭 |
2017年 | 952万6000頭 |
2018年 | 964万9000頭 |
2018年度、日本の猫の飼育頭数は964万9000頭となっています。今までペットのキングとして君臨していた「犬」の飼育頭数を、数年後には追い抜くともいわれていますよ。
猫の人気が高まっている背景には、「飼育の手間がかからない」「狭い住宅でも飼える」「犬に比べて飼育コストが安い」等の理由があります。猫は犬のように散歩をする必要がないですし、生涯の飼育平均費用も犬が約118万円なのに対し猫は約70万円とコストも安いです。
また、広い飼育スペースを必要としないのでマンションなどでも飼育しやすいということもありますね。
出典:一般社団法人ペットフード協会「平成30年(2018年)全国犬猫飼育実態調査結果」
専門家の意見
イギリスのブリストル大学のJohn Bradshaw教授は猫の飼育について以下のように意見しています。
感情がわかりやすい犬よりも、表情や行動がミステリアスな猫のほうが「きっとこう考えているのではないか」と想像しやすい
John Bradshaw著「CAT SENSE」
と述べています。われわれ日本人は、しつけやすい犬よりも感情を読みにくいミステリアスな猫を本質的に好むのかもしれませんね。
出典:John Bradshaw著「CAT SENSE」
しっかりと飼育できるか検討!
2010年代に起こった猫ブームによって、猫の飼育頭数は爆発的に増加しています。犬に比べて飼育の手間もかからず、コストも安いですが猫は気軽に飼える動物ではありません。ブームに流されることなく、しっかりと自分の経済状況などを考えた上で猫ブームを楽しんでくださいね。