クマゲラは、キツツキ目キツツキ科クマゲラ属の留鳥です。
日本で見られるキツツキの仲間では最大の大きさで、1965年には天然記念物に指定されていますよ。
この記事では、クマゲラの生態や分布、鳴き声についてまとめました。
クマゲラの特徴は?
大きさ
- 46cm
外見の特徴
- 真っ黒な体色
- 赤くなっている頭部
- 先端だけが黒くなっている淡い黄色の嘴
クマゲラは全長46cm前後、羽を広げた状態(翼開長)は約66cmほどです。カラスよりも少し小さいサイズですね。
「真っ黒な体色」「赤くなっている頭頂部」「先端が黒くなっている淡い黄色の嘴」が特徴的ですよ。
体色は黒で、頭頂部が赤くなっています。嘴と虹彩は淡黄色で足は灰黒色です。
オスとメスは同色ですが、特徴である頭頂部の赤色の入り方が少し異なりますよ。オスは額から後頭が赤くなっていますが、メスは頭頂後部から後頭が赤くなっています。
クマゲラの生態は?
生態
- 雑食
- 繁殖
- 波形飛行
雑食
クマゲラの食性は、動物食傾向の強い雑食です。
主に「アリ」を食べますが、枯れ木や切り株の中にいる「昆虫」や「果実」も食べますよ。
繁殖
クマゲラは、4~5月の繁殖期になると枝の無い表面が滑らかな大木や枯れ木に穴を空けて営巣します。
ヘビやクロテンなどの天敵が登ってこない10m以上の高さがある位置に、嘴を起用に使って直径25cm深さ60cmほどの巣を作りますよ。
一腹卵数は2~6個で、約12~14日のオスとメスによる抱卵(夜間は主にオス)を経て卵は孵化します。
育ヒナは孵化直後のみオスが行いますが、基本的にはオスとメスが協力して行いますよ。ヒナは孵化してから24~30日(6-7月)で巣立っていきます。
波形飛行
クマゲラは波形飛行(波型を描いてフワフワ飛ぶ)をする鳥です。
キツツキ類は波形飛行をする鳥が多いですが、クマゲラはキツツキ類の中でも直線飛行に近い飛び方をしますよ。
クマゲラの分布は?どこに生息している?
留鳥としても知られているクマゲラは、ヨーロッパやアジアの北部森林に分布しています。国内では北海道と本州(青森県や秋田県、岩手県のごく一部)でのみ生息が確認されていますよ。
生息には広大な森林が必要で、北海道では針広混交林、本州ではブナ林に生息しています。生息数は本州に100羽程度、北海道に500羽程度と推定されていますよ。
クマゲラの鳴き声は?
クマゲラは、飛行時には「コロコロッコロコロッ」と低い声で鳴きますが、木にとまると「キョーン、キョーン」と甲高い声で鳴きます。
雛が親に餌をねだるときは「ジャジャ」や「クイックイッ」と鳴きますよ。
北海道や東北でしか見ることのできない天然記念物!
クマゲラは警戒心が強く人を見ると木の裏などに隠れてしまうのでウォッチングするのは難しいですが、出会えた時の感動は言葉にならないほどだという人も多い鳥ですよ。
北海道や東北でしか見られないレアな鳥種でもあるので、旅行する機会に恵まれた場合はぜひ探してみてくださいね。