アカショウビンはブッポウソウ目カワセミ科の野鳥です。まるで燃え盛る火のような赤色の外見から「火の鳥」とも呼ばれます。
名前にある「ショウビン」とはカワセミを意味する古名です。古くはカワセミのことを「ソビ」と呼び、それが「ショウビン」へと転じたといわれていますよ。
今回の記事では、アカショウビンの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。
アカショウビンの特徴は?
大きさ
- 約27cm
外見の特徴
- 赤色の全身
- 赤黄色の腹
- 大きなくちばし
アカショウビンの全長は約27㎝でハトよりもやや小さいサイズです。頭からしっぽにかけての、燃え盛る火のような赤色が最大の特徴です。
首からお腹、足にかけては赤みがかった黄色です。長く太いくちばしは赤色で鮮やかな印象を受けます。真っすぐに尖っていますよ。
大きな丸い目を持ちハンサムな顔つきです。腰の一部が水色で、飛んだ時にはよく目立ちます。オスメス同色とされますが、オスのほうがいくらか濃い赤色をしています。
アカショウビンの生態は?
生態
- くちばしを使って穴を掘る
- 多種多様な動物食性
くちばしを使って穴を掘る
アカショウビンはキツツキなどのようにくちばしを使って樹木に穴を掘って巣作りをします。ただキツツキほどクチバシが硬くないため、朽ちた樹木を探して巣作りをします。
つがいになるとオスが樹木に巣を作り、メスは傍らにいるだけで手伝うことはありません。朽ちた樹木が見つからない場合は、スズメバチの巣や古い民家のかやぶき屋根などに巣を作ることがありますよ。
多種多様な動物食性
魚類、爬虫類、両生類、昆虫、甲殻類といった多種多様の動物を捕食します。ヒナから大人への成長段階によって、えさも小型のものから大型のものに移行していきますよ。
アカショウビンの分布は?どこに生息している?
アカショウビンは東アジア、東南アジアの森林、南国ではジャングルに生息しています。6~7月になると日本、朝鮮、中国などに渡り、繁殖を行います。特に沖縄県の西表島は日本有数の繁殖地です。
渓流の近くの暗い場所を好んで生息しています。低地から山地にかけて、樹木の生い茂った森林などで姿をよくみかけますよ。
アカショウビンの鳴き声は?
アカショウビンは繁殖期の6月頃から「キョロロー」と次第に小さくなっていくようにさえずります。朝夕や曇りの日によく聞こえてきますよ。梅雨時の雨が降りそうな時期に鳴くので、「雨を呼ぶ鳥」とも呼ばれています。
こんな伝説も・・・
全身が燃えるような赤色をしたアカショウビン。深く薄暗い森の奥で美しくさえずるその姿は、火の玉にもたとえられます。
その見た目と珍しさから、「ある日カワセミが火事にあい、体が焼けて赤くなってしまった。その体を冷やすために、彼はかなしげな声で鳴いては雨降れと天に乞うている」という伝説がありますよ。
梅雨入り時に「キョロロー」という声が聞こえたら、近くにアカショウビンがいるかもしれません。ぜひよく探してみてくださいね。