クロツグミの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

クロツグミはスズメ目ツグミ科に分類される鳥です。

鳴き声が美しく特徴的であることから、「日本の夏鳥で最も魅力的な声でさえずる鳥」といわれていますよ。

この記事では、クロツグミの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

クロツグミの特徴は?

クロツグミ1
大きさ 22cm
外見の特徴 灰色がかった黒い体上面(オス)
緑がかった茶色の体上面(メス)
お腹にある黒い斑模様
クリッとした大きな目

クロツグミは、全長約22㎝とツグミの中で最も小さいサイズです。

オスは頭部から背中・翼・尾にかけてが灰色がかった黒色をしており、白いお腹には黒い斑模様があります。くりっとした大きな目が特徴的で、目の周りには黄色いアイリングがありますよ。くちばしは夏の繁殖期は鮮やかな黄色で、冬は茶色がかった黄色になります。

メスの体上面は緑がかった茶色で、オスと同じように白色の腹には黒い斑模様があります。くちばしは茶色がかった黄色で、アイリングはオスほど目立ちません。

 

クロウタドリに似ている?

クロツグミはクロウタドリと似た外見をしていますが、「体色」に注目すると判別しやすいですよ。

 

体色
クロツグミ(オス) 体上面は灰色がかった黒で、お腹は白い
クロウタドリ(オス) 全身真っ黒

クロツグミのオスは体上面が灰色がかった黒で腹部は白色、クロウタドリのオスは全身真っ黒(お腹も黒)です。

 

クロツグミの生態は?

クロツグミ3

生態

  • 動物食
  • 繁殖

動物食

クロツグミの食性は動物食です。

ピョンピョンとはねるように歩きながら地面にいる「昆虫」や「ミミズ」などを採餌しますよ。

 

繁殖

5~7月の繁殖期になると番(つがい)になり、縄張りを持ちます。

クロツグミは山間部の木の枝の上に、コケや枯れ枝・土を使って椀型の巣を作って営巣しますよ。

一腹卵数は3~4個で、約12~13日のメスによる抱卵を経て孵化します。育ヒナはオスとメスが共同で行い、およそ14日ほどでヒナは巣立っていきますよ。

 

クロツグミの分布は?どこに生息している?

クロツグミ2

クロツグミは、日本周辺・ユーラシア大陸極東部といった狭い地域に分布しています。

夏季は日本の中部以北・中国長江流域で繁殖を行い、冬季になると越冬のため西日本以南・中国南部・インドシナなどに渡ります。

山間の森林に生息していることが多いですが、渡りの時期には公園など市街地で見られることもありますよ。

 

クロツグミの鳴き声は?

クロツグミ4

クロツグミは繁殖期になると木の高いところで明るくさえずります。そのレパートリーは多種多様で、「キーキー」「キョコキョコ」「キャアキャア」「キョキョ」と鳴く以外にも、他の鳥の鳴き声を真似て自分のさえずりに織り込むこともありますよ。

普段の移動中などに聞かれる地鳴きは「キョキョキョ」で、さえずりより少し低い声です。

 

美しく複雑な歌声

クロツグミ5

夏にはとても魅力的な歌声を聞かせてくれるクロツグミ。

山間部の林の中などでクロツグミの朗らかな声が聞こえたら、ぜひ探してみて下さい。木の上だけでなく、地面を歩く姿を目にすることもあるかもしれませんよ。