キバシリは、スズメ目キバシリ科キバシリ属に分類される留鳥です。
名前は、木の幹を走り回るように採食する行動に由来していますよ。
この記事では、キバシリの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
キバシリの特徴は?

大きさ | 11~15.5cm |
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外見の特徴 | 黄色みのある褐色の体上面 |
背中にある淡灰色の縦斑 | |
淡灰色の眉斑 | |
細長く、下に湾曲しているくちばし |
キバシリの大きさは全長11~15.5㎝ほどで、スズメよりも小柄で細身の体型をしています。
オスとメスは同色で、額から頭部にかけてと体上面は黄色みのある褐色をしています。背中には淡灰色の縦斑が入っており、保護色になっていますよ。体下面は白で、楔型をしている細長い尾羽は先端が尖っています。
眉斑は淡灰色で、細長いくちばしは下に湾曲していますよ。足は細長く、足指が長いのも特徴的ですね。
キバシリの生態は?

生態
- 肉食性
- 繁殖
- 基本的には単独行動
肉食性
キバシリの食性は肉食性です。
「鱗翅類(チョウやガなど)」や木の幹に生息する「昆虫類」「クモ」を主食としていますよ。
幹に尾をつけて体を支え、這うような姿勢で幹をらせん状に上下しながら捕食します。
繁殖
キバシリは、幹の割れ目や樹洞に朽木の破片をクモの巣で繋いだ椀状の巣を作って営巣します。巣箱を利用することもありますよ。
一腹卵数は4~5個で、メスによる約14日の抱卵を経て孵化します。ヒナはおよそ14~16日で巣立っていきますよ。
基本的には単独行動
平地から山地の森林に生息しているキバシリは、群れを作らずに単独で行動することが多いです。
ただ、非繁殖期などはカラ群(シジュウカラなど)の群れに交じって生活していますよ。
キバシリの分布は?どこに生息している?

キバシリは、ユーラシア大陸や北アメリカ大陸の中緯度地帯に分布しています。
基本的には留鳥ですが、北の地域で繁殖した個体は冬季になると暖かい地方へ移動して越冬しますよ。
日本では九州より北に分布し、亜高山帯の針葉樹林や落葉広葉樹林に生息しています。
キバシリの鳴き声は?

キバシリは、大きな声で次第に早口に「ピチョ ピチョ ピイピイピイ チーチー リリリ」とさえずります。
地鳴きは、か細く澄んだ声で「シリー、シリー」と鳴きますよ。
「ズィー」という鳴き声に耳を済ませよう!

留鳥であるキバシリは、日本中の亜高山帯の針葉樹林で1年中観察する事ができます。
ただ、キバシリの色彩は幹の色と似ているので、ねぐらが特定できていない場合には見つける事は難しいかもしれません。
そのような時は、「ズィー」という鳴き声に注目してみてください。
キバシリは木と木を飛び移る際に「ズィー」と鳴くので、鳴き声に耳を澄ませれば居場所を特定しやすいですよ。