「自分が飼っているハリネズミの子どもが見てみたい」「珍しいカラーなので子孫を残したい」そう思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、ハリネズミの繁殖方法についてまとめました。
ハリネズミの繁殖に必要な期間と注意点

繁殖に必要な期間
- 50日前後
繁殖に際しての注意点
- 人工保育の可能性がある
オスとメスをお見合いさせてから交尾するまでには、12~14日ほど様子を見ます。妊娠期間は34~37日ほどですよ。
ハリネズミは1回の出産で3~4匹ほど赤ちゃんを産みますが、単独飼育が基本なので里親募集についても考えておかなければなりません。繁殖の前に、ハリネズミの里親募集についてしっかりと調べておくようにしてくださいね。
また、ハリネズミが子育てをうまく出来ない場合や、「この子は生きられない」と判断した母親が育児放棄をした場合などには飼い主さんが人工保育をする必要があります。
2時間おきの授乳となるため、片手間ではできませんよ。飼い主さんが人工保育できるかどうかも考えておいてくださいね。
ハリネズミの繁殖に向く年齢と性格

オスの繁殖適齢期 | 生後6~8ヶ月 |
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メスの繁殖適齢期 | 生後6ヶ月以降 |
繁殖に向く性格 | 神経質でない |
ハリネズミの繁殖適齢期は個体によっても異なりますが、オスは生後6~8ヶ月・メスは6ヶ月以降です。
メスは生後2ヶ月から繁殖できるようになりますが、若すぎると流産による大量出血などの死亡リスクが高まります。メスは生後6ヶ月を過ぎて、成熟していることや体力が十分あることを確認してから繁殖させてくださいね。
注意点としては、1歳半を過ぎても出産経験がない場合、その後の出産は難産になってしまうことも覚えておいてください。また、3歳以上になってからの出産も、体への負担が大きいので止めた方が賢明です。
繁殖に向く性格
性格面では、飼い主さんに慣れていて神経質ではない個体がベストです。
ハリネズミの世話は、妊娠中や育児中も続くのでハリネズミにストレスをかけないようにしなければなりません。
ストレスを感じたメスは育児放棄や子食いをすることがあるだけでなく、生まれてきた子供が神経質である可能性も高まりますよ。
ハリネズミの繁殖の方法と流れ
交尾させる前にオスとメスのケージを隣同士において、オスとメスをお見合いさせます。
お互いの存在を認知してからケージ越しにケンカがなければ、交尾するまで4~5日ほど毎晩いっしょのケージに入れてください。交尾が可能なオスなら「ピーピー」と小鳥のように鳴きながらメスを追いかけまわしますよ。
メスが受け入れたら交尾は4分ほどで終わるので、オスとメスを別のケージに分けてください。
もし、ケンカするようであれば、すぐにオスとメスを別々のケージに分けてくださいね。交尾が行われない場合は4日ほど間を開けてから、再度4~5日ほど毎晩一緒のケージに入れて様子を見るようにします。
妊娠の前兆
交尾してからおよそ3週間後に、メスの体重が50g以上増えていたら妊娠していますよ。乳首が大きくなるなどの変化も見られます。
ハリネズミの妊娠中に気をつけること

妊娠中に気をつける事
- 食欲が増える
- 散歩は控える
- 回し車を外しておく
- 安静にする
妊娠中は十分な栄養が必要になるため、高タンパクで品質の良い食事を与えるようにします。妊娠初期はあまり食欲がない場合が多いですが、中期から後期は食欲が増加してきます。肥満には注意しつつ、餌の量や回数をコントロールして十分に与えてくださいね。
妊娠期や出産直後は、ケージから出して散歩させることは控えましょう。産まれた子どもが動き回ると危険ですので、出産前には回し車を外しておくといいですよ。
また出産が近づくにつれて神経質になることがあります。妊娠が始まったらなるべくストレスを与えないようにし、可能な限り静かで落ち着いたスペースに移動させてあげてください。
ハリネズミの出産後に気をつけること

出産後に気をつける事
- オスとメスを別のケージにする
- 必要以上にケージを覗かない
オスとメスのハリネズミが同じケージに一緒にいる場合は、別のケージに移してください。
出産後のメスは神経質になっているので、普段は仲良くしている場合でもオスを敵と思い込み攻撃してしまいますよ。
また、赤ちゃんが気になっても必要以上にケージの中を覗いたり、写真を撮るのも控えてください。
これらの行動はハリネズミにとってストレスになるだけでなく、育児放棄や子食いの原因になってしまいますよ。
ハリネズミの人工保育に必要なグッズ

ハリネズミの人工保育に必要なグッズ
- ペットミルク
- シリンジかスポイト
- 寝床
- ペットヒーター
出産後、メスが死んでしまった場合や育児放棄をしてしまった時には人工保育が必要になります。
いざとなって慌てないように、人工保育の準備も忘れずにしておくようにしてください。ただ、人工授乳が成功するのは母親の初乳を飲んでいる場合だけなので注意してくださいね。
ペットミルク
用意するペットミルクは、栄養価が高く、アレルギーが少ないゴートミルクがおすすめです。猫用ミルクでも代用できますよ。
シリンジかスポイト
シリンジ(針の無い注射器)は、赤ちゃんにミルクを飲ませるときに使います。スポイトでも代用は利きますよ。
寝床
赤ちゃん用にプラスチック製の寝床を用意します。フリースの敷物を入れておくことを忘れないようにしてくださいね。
ペットヒーター
ハリネズミの赤ちゃんは体温調整ができません。
赤ちゃん用の寝床の下にペットヒーターを置くようにしてください。
ハリネズミの人工保育の方法

ケージ内の温度
生後2~3週間は、赤ちゃんを入れるケージ内の温度を32~35℃と高めに設定しておきます。
ハリネズミには体毛がないので、皮膚が乾燥して脱水症状を起こさないようにケージ内に濡れタオルを置くなどして加湿することも忘れないでくださいね。
ミルク
ペット用ミルクを初めは薄く溶いて飲ませます。少しずつパッケージ通りの濃度にしていきますよ。
ミルクを人肌にまで冷ましたら、シリンジやスポイトを使って直接口元に持っていき、赤ちゃんが飲みたがるだけ与えてください。生後3週間までは2~4時間おきに、ミルクが気管に入らないように体を垂直にして飲ませるようにします。
注意点
赤ちゃんの時期は、お腹に残っているミルクが透けて見えます。
ミルクが透けて見える場合は「ミルクのあげすぎ」「ケージ内の温度が低い」ので、ミルク量の調節とケージ内の温度をもう一度見直すようにしてください。
ウンチやオシッコ
赤ちゃんは自力でウンチやオシッコができません。
ぬるま湯で湿らせた綿棒などで肛門や尿道付近をやさしく刺激して排泄を促してくださいね。
餌
生後4週間ごろから、少しずつ大人の餌に慣らします。
ペットミルクでふやかしたドライフードや、脱皮直後のやわらかいミルワームを与えてくださいね。
体重測定
人工保育をしている場合、ミルクを与える量やケージ内の温度が適切かを知るためにも毎日の体重測定は欠かせません。
大まかな目安としては、生後1週目は1~2g・2週目は3~4g・3~4週目は4~5g・生後60日ごろまでは7~9gずつ体重が増加しますよ。
最後まで責任を持って飼育しよう!
ハリネズミは、犬や猫のように飼い主さんには懐かない動物です。
日本で飼えるハリネズミは日本の冬を越せない種類なので、飼い主さんに見捨てられると死ぬしかありません。
懐かないからという理由で捨てるということは、ハリネズミを殺すのと同じことだということを忘れないでくださいね。
ハリネズミの特徴と飼い方のポイントと、飼育グッズまとめはこちらの記事で紹介しています。