エゾフクロウは、フクロウ目フクロウ科フクロウ属の大型の鳥です。
アイヌ語ではクンネレクカムイ、イソサンケカムイと呼ばれており、これらには「夜鳴く神」「獲物を出す神」という意味があることから神秘的な鳥として敬われていたことがわかりますね。
今回の記事では、エゾフクロウの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。
エゾフクロウの特徴は?
外見の特徴 | 白っぽい体色 茶色い筋状の模様が入る白い羽根 薄茶色のハート型に縁取られた顔 |
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全長 | 50~62cm |
開翼長 | 94~110cm |
尾の長さ | 22~25cm |
体重 | オス:500~950g メス:570~1300g |
エゾフクロウとはたくさん存在するフクロウの亜種の1種ですが、体の特徴はフクロウとほぼ差異はありません。
全長50~62cm、開翼長94~110cm、尾の長さ22~25cm程度。体重はオスが500~950g、メスが570~1300gほどでメスのほうが大きめです。
顔は白に近い薄茶色のハート型に縁取られており、夜でもよく見えるように発達した大きな目がついています。体色は他の亜種に比べて白っぽく、白い羽には茶色い筋状の模様が入ります。くちばしと足は黄色ですよ。
エゾフクロウの生態は?
繁殖期 | 春頃 |
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寿命 | 約20年 |
食性 | 肉食 |
狩りの方法 | 待ち伏せ型 |
習性 | 夜行性 |
エゾフクロウは夜行性のため活発に動き始めるのは夕方からですが、獲物が少ない時期などは昼に狩りを行うこともあります。
食性は肉食で、小型の哺乳類や鳥類、両生類を食べています。主にネズミを食べることから江戸時代には野ネズミの駆除に利用されていたこともありますよ。
狩りの方法は待ち伏せ型で、木の上から音もなく獲物に近づいて鋭い爪がついた足で捉えます。左右で位置の違う耳は獲物が立てるかすかな音を聞き逃さず、雪の下にいる動物はもちろん、地表近くのトンネルを移動している動物が出す音も聞き取ることができますよ。
フクロウが音をたてることもなく獲物に近づけるのはギザギザの形をしている風切羽によるもので、この仕組は風力発電で利用されているプロペラの静音設計にも応用されています。
エゾフクロウの分布は?
生息地
- 森林
- 里山
- 湿地
- 牧草地
- 農耕地
- 公園
エゾフクロウは北半球に広く分布しており、日本だと北海道に生息しています。
渡りをしない留鳥(りゅうちょう)なので、年間を通して北海道でみることができますよ。「森林」「里山」「湿地」「牧草地」「農耕地」などにいることが多いですが、「公園」などで休んでいることもあります。
エゾフクロウの鳴き声は?
オス | メス | |
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さえずり | ゴッホウ ゴロッケ |
低くかすれた声 |
地鳴き | ホッホッ | ギャー |
フクロウの鳴き声は14種類ほどあるとされています。
地鳴き(日常的に出す鳴き声)とさえずり(繁殖期の鳴き声)があり、地鳴きはオスが「ホッホッ」、メスが「ギャー」と鳴きます。
さえずりはオスが「ゴッホウ」「ゴロッケ」とよく通る声で鳴き、メスはそれに応じる形で低くかすれた声で鳴きます。フクロウの別名でもある「ごろすけ」「ほろすけ」という名は、オスのさえずりが「ゴロスケホーホー」と聞こえることに由来していますよ。
身近で野生動物を観察できる喜び
エゾフクロウは適したねぐらがあれば、公園の木にも住みつきます。2018年の1月には、札幌市の公園にある樹齢400年のエゾイタヤという木の穴で休んでいる姿が見られました。
今後もこのような微笑ましい光景が永続的に見られるように、国単位だけでなく個人単位でも自然を守っていく取り組みを行わなければなりません。