ビンズイはスズメ目セキレイ科の野鳥です。足を交互に出して「歩く」鳥として知られていますよ。繁殖期の夏以外は、住宅地でもよく見かけることのある野鳥です。
そっくりな「タヒバリ」と見間違えることが多いですね。
この記事ではビンズイの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。
ビンズイの特徴は?
大きさ
- 15~16cm
外見の特徴
- 白い眉斑
- オリーブ色の体
ビンズイは全長が15~16㎝で体重は19~26gです。スズメと同じか、少し大きいくらいですよ。こげ茶色の線が目頭にあり、白色のまゆのような線の上には茶色の細いすじがありますよ。
耳ような場所にある「耳羽」には、白色の丸があります。そっくりなタヒバリには白い丸がないので、区別をつけることができますよ。
夏羽は頭から背中にかけてオリーブ色になります。下面は白色ですよ。わきの下あたりは、黄色っぽくなっていますよ。翼や胸には、たてすじがあります。
冬羽は、わきの下の黄色みが強くなります。体がより黄色味を増しますよ。オスメス同色なので、見分けがむずかしいですよ。
ビンズイの生態は?
生態
- 歩く
- 食性が変わる
- 繁殖期は縄張りをもつ
- 年2回の産卵
歩く
ビンズイは足を交互に出して「歩く」ことができます。歩きながら尾羽を上下に振っています。この習性はセキレイの仲間の特徴ですよ。
食性が変わる
非繁殖期は植物のタネを好んで食べています。数羽の群れで地面をつついて餌を探しますよ。驚くと木の上に逃げていきますが、しばらくすると同じ場所に戻って餌を探します。そのため観察がしやすいですよ。
繫殖期は主に昆虫を捕まえて食べます。
繫殖期は縄張りをもつ
繁殖期になると木の枝や岩の上といった目立つ場所でさえずります。舞い上がってさえずり、隣の木の枝や岩に移動しますよ。この行動は縄張り確保のために行っています。非繁殖期には2~5羽ほどの小さい群れを作って生活していますよ。
年2回の産卵
ビンズイは年に2回産卵します。地面のくぼみにお椀型の巣を作りますよ。1回の産卵で3~5個の卵を産みます。主にメスが卵を温めますがオスが参加することもありますよ。
まれにカッコウやツツドリに「托卵」されて仮親になることがあります。「托卵」というのは自分の巣に他の野鳥の卵が産まれて子育てを行うことをいいます。
ビンズイの分布は?どこに生息している?
ビンズイは四国以北の「山地」や「平地」で繁殖しますよ。明るい「森林」や「草原」を好みます。繁殖が終わると積雪地帯にいたビンズイは南へ移動しますよ。地面の餌が取れなくなるためですね。
北海道のビンズイは「冬鳥」となって本州以南へ向かいます。本州の標高の高い場所で繁殖していたビンズイは「漂鳥」となって暖かい場所に移動しますよ。本州や四国の暖かい場所で繁殖していたビンズイは、「留鳥」で周年生息する傾向があります。
冬を越す時は「松林」に好んで生息していますよ。
ビンズイの鳴き声は?
ビンズイのさえずりは「ビンビンツィーツィー」で求愛などを意味しています。はじめの部分は何と鳴いているのかよく聞き取ることが難しいですよ。「ツィーツィー」は聞き取れるので、ビンズイと判断することができます。
「ビンビンツィーツィー」と「聞きなし」をしたので、ビンズイという名前がつきましたよ。 「チッ」や「チィ」と地鳴きをし仲間とコミュニケーションを取ったり警戒をしたりします。
ビンズイとタヒバリはそっくり
ビンズイとタヒバリは似ていますね。ビンズイが好む林にはタヒバリは生息していませんよ。河川敷では両方の生息域が重なるので区別がむずかしいですね。
全体がオリーブ色なのがビンズイで、灰色がかっているのがタヒバリですよ。 はじめは区別がつきませんね。違いが分かってくると野鳥観察が楽しくなってきますよ。