山道や公園などでたまに見かけるシマリス。チャームポイントのふさふさのしっぽと、どんぐりを口いっぱいに頬張る姿はとても愛らしいですよね。シマリスはペットとしても飼育できる小動物です。
この記事ではシマリスの特徴や性格、飼育のポイントや餌、グッズ、注意点をまとめました。
この記事でまとめたこと
シマリスの特徴は?

シマリスとはリスの中でもシマリス科に属するリスを指します。野生のシマリスだと日本では北海道に「エゾシマリス」が生息していますよ。
ペットとして販売されるシマリスの多くは、海外から輸入されているシマリスです。国内でも犬や猫ほどではありませんが、専門のブリーダーもいます。
体の大きさ、体重、しっぽの長さ、平均寿命は以下の通りです。
体の大きさ | 12~15cm |
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体重 | 90~130g |
しっぽの長さ | 10~12cm |
平均寿命 | 6~10年 |
寿命の長さは飼育環境に左右されますが、近年では良質な餌やさまざまな専用グッズが販売されているため、長寿化の傾向にありますよ。
シマリスの性格は?
性格
- やんちゃでいたずら好き
- 内気で臆病
- 人なつっこい
シマリスは内気で臆病、やんちゃでいたずら好き、陽気で人懐っこいなど、性格には個体差があります。飼育している個体がどんな性格なのかを早めに把握できれば、注意するポイントも見えてきますよ。
やんちゃな性格のシマリスの場合、好奇心旺盛でとにかく動き回ります。元気いっぱいなので、ときには飼育ケージから脱走を図ることもあります。
ケージ外の飼い主さんが住む部屋の中には、シマリスにとっての危険がたくさんあります。「電気コードをかじって感電する」「ドアに挟まる」「高い場所から落下する」など、命に関わる危険もあります。
シマリスを危険から守るためにも、ケージのロックは緩まないように充分注意してあげてくださいね。
シマリスの飼育のポイントは?

シマリスは昼行性のげっ歯類です。げっ歯類の歯は絶えず伸び続けるので、ものをかじってすり減らす必要があります。
ものをかじる性質は矯正できないので「シマリスはかじる動物」として理解して飼育してあげるのが大切です。急に手を噛まれるようになったり、周囲のものを過剰にかじるようになったりしたらストレスを感じているかもしれません。
シマリスのストレス発散にはケージから出して広い部屋で遊ばせてあげたり、思い切りかじっても良いおもちゃを与えたりすると良いですよ。様子を見ながら対処をしてあげてくださいね。
シマリスの飼育に必要なグッズは?

揃えたい飼育グッズ
- 飼育ケージ
- 巣箱
- 巣材
- 回し車
- 餌入れ
- 給水器
- のぼり木・かじり木
- プラケース
- ペット用ヒーター
シマリスの飼育を始めるには必要なグッズがあります。飼育開始時に揃えるべき代表的なアイテムを予算と一緒にご紹介します。
飼育ケージ
シマリスが基本的に生活するエリアが飼育ケージです。シマリスは平面移動だけでなく上下運動を好むので、高さがあるものを選んでください。3000~1万円程度で購入できますよ。
巣箱
ケージ内に設置する巣箱です。隠れ家や寝床になる巣箱があると安心してくれますよ。素材はワラでできたタイプがおすすめです。プラスチック製も販売されていますが、かじったとき体への影響が心配ですよね。価格は500円程度で販売されています。
巣材
巣材とはケージの下に敷き詰めるマットや木くず、草のことです。市販されているものだと数回使用できる量で300~1000円程度の価格です。新聞紙を小さく切って、木の葉や草のように敷き詰めて代用する方法もありますよ。
回し車
回し車はハムスターが駆け回っているイメージがある水車のようなグッズです。シマリスが入って回せるサイズの回し車があると、運動不足によるストレスもたまりにくくなるのでおすすめです。2000円程度で購入できます。
餌入れ
餌入れはケージについている場合がほとんどですが、別売りの場合は100円ショップで購入できます。餌を入れるためのグッズなので、小さいボウルのようなものがおすすめです。
給水器
シマリスが新鮮な水を好んで飲むので給水器は必須のグッズです。300円程度で購入できます。
登り木、かじり木
シマリスは自然界では木の上で生活しています。なるべく野生に近い環境にしてあげるとストレスもたまりにくいですよ。
長さのある「登り木」を設置すると、上下に移動ができるので運動になりますし自然の木を再現できます。500~1500円程度で購入できますよ。
「かじり木」はげっ歯類特有の噛む習性を発散させるためのものです。かじっても平気なおもちゃでも代用できますが、プラスチック製品は避けてくださいね。ホームセンターの廃材などで問題ありませんので100~300円で購入できます。
プラケース
生後数ヶ月の小リスの場合体温調節が難しいので、温度が変わりにくいプラケース(プラスチック水槽)内で飼育する必要があります。高さは30cmほどあれば充分です。およそ2000円で購入可能です。
ペット用ヒーター
シマリスをはじめリスは寒さに弱いので、プラケース内を30℃程度を目安に少し暖かめにキープしてあげる必要があります。幼少期は特に寒さに敏感なので、保温にはペット用ヒーターを使うと便利です。2000~3000円のものが多いです。
設置の際にはヒーターの配線をシマリスがかじらないように工夫してあげてくださいね。
シマリスの餌は?

大人のリスと小リスでシマリスの餌は異なります。
大人のシマリス
頻度 | 1日に1~2回 |
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主食 | 木の実、種、穀物、野菜、果物、ハトの餌、リス用ペレット |
1日に食べる量 | 25~30g |
大人のシマリスには1日に1~2回与えます。主食は木の実、種、穀物類、野菜、果物を少し与えてあげると良いですよ。ハトの餌やリス用ペレットも市販されており、シマリスの餌として人気です。
子どものシマリス
子どものシマリスには、はちみつや砂糖をお湯で溶いたものを柔らかいパンなどに含ませて与えます。スポイトで直接飲ませてあげるのもよいですね。最初は多めに与えてみて、食べ残しが少し出るくらいの量を毎回あげてくださいね。
シマリスの餌、与えて良いものといけないものは?
与えて良いもの
主食 | ハトの餌、リス用ペレット、とうもろこし、大豆、ひまわりの種、くるみ |
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野菜 | にんじん、キャベツ、レタス、小松菜、ブロッコリー |
果物 | リンゴ、バナナ、ブドウ、メロン、クランベリー、ミカン、 |
その他 | ゆで卵の黄身、ミルワーム、無糖ヨーグルト |
代表的な食品を表にしました。ハトの餌やリス用ペレットが栄養バランスがよく主食としておすすめですが、小松菜も栄養価が高くスーパーでも安く買うことができることから与える飼い主さんも多いですよ。
与えてはいけないもの
ネギ類 | 赤血球を破壊するため |
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ほうれん草 | 硝酸塩が体力の低下につながるため |
アボカド | 呼吸困難、肝臓機能障害を起こす毒を含むため |
梅 | 胃腸障害や心臓麻痺を起こすおそれがあるため |
チョコレート・お茶・コーヒー | 下痢や嘔吐の原因になるため |
落花生 | 発がん性物質「アフラトキシン」を含むため |
落花生は特に注意が必要ですね。ひまわりの種と同じ感覚で与えがちですが、殻に含まれる「アフラトキシン」という物質には発がん性があります。落花生の実自体は食べても問題ありませんが、できるだけ避けたほうが良い食品です。
シマリスを飼育する際の注意点は?

シマリスは臆病な性格なので、いつまでも飼い主さんになついてくれないこともあります。「飼い主さんが危険ではない」ことをわかってもらい、うまく付き合っていけるよう心掛けてくださいね。
基本的にシマリスの嫌がることをしないようにしてください。大声で話しかけたり、無理に捕まえたりするのは避けてくださいね。危険な存在と認識されると慣れるどころか隠れるようになってしまいますよ。
またしっぽに触れられることを嫌がります。強く引っ張ってしまうとすぐに傷ついてしまいますよ。ケージから脱走した際、慌てて捕まえようとして酷いケガをさせることのないように注意してくださいね。
信頼関係が飼育のカギ!

シマリスは広いスペースを必要とせず、飼いやすいペットです。小さいうちから信頼関係を築けば、問題行動も少なく飼育できますよ。子どものシマリスが出回り始めるのは毎年春先です。興味のある方はゴールデンウィーク前後にペットショップに足を運んでみてくださいね。