愛らしさと飼いやすさで人気のハムスターですが、間違った飼い方をしてしまうと「共食い」をしてしまうことがあるのです。今回はハムスターの「共食い」の原因と防止策を紹介していきます。
この記事でまとめたこと
ハムスターは縄張り意識が強い動物
かわいい見た目によらず、ハムスターは非常に強い縄張り意識を持った動物です。ハムスターは基本的には1匹で生活するタイプです。「ここからここは自分の場所」と主張して、他のハムスターが入ってこないように見張っています。小さな体のわりに広い範囲を主張する、欲張りなところもあります。そんなハムスターの強い縄張り意識が、ときに共食いを招いてしまうことがあるのです。
ハムスターの多頭飼いが共食いの原因に
共食いは、複数のハムスターを同じケージで飼っていると起こりやすくなります。狭いケージの中で広い範囲を欲しがるのでケンカが始まるのです。自然界では、ケンカに負けた方は逃げ出すので共食いにはなりませんが、ケージ内では逃げる場所がありません。弱い方がずっと攻撃される状態になってしまいます。
一緒のケージで生活をしてもケンカをしないようであれば複数飼育も可能ですが、ケンカをするようなら共食い防止のために別々の飼育をした方が安全です。1匹ずつケージを分けて飼うようにしてあげてくださいね。
母親ハムスターが赤ちゃんを食べてしまう共食いも
共食いは大人のハムスター同士だけではありません。母親が赤ちゃんを食べてしまうという信じられないパターンもあるのです。妊娠したハムスターは、生まれてくる赤ちゃんたちのことを最優先に考えます。一度にたくさんの赤ちゃんが生まれるので、十分な母乳を与えられるのか心配します。
食料が少ないと、「十分な母乳が出ないから育ててあげられない」と判断し、食べてしまうのです。さらに、無事に母乳育児が終わっても安心はできません。今度は赤ちゃんたちが食べるエサの量を心配しはじめます。貯えたエサが赤ちゃんたちに足りないと判断すると、やはり食べてしまうのです。育児に悩んだ末の悲しい決断なのです。
対策は妊娠・出産したハムスターにたっぷりエサを与えること
母親ハムスターは食料不足だと感じると、赤ちゃんを食べてしまうことがあるのです。妊娠・出産したハムスターには余るほどの量のエサを与えてあげて、赤ちゃんを食べるのを防ぎましょう。
普段より多く、余ってしまうほどの量のエサを見れば、「ちゃんと子育てできるな」と母親ハムスターは安心するはずです。
ハムスターを刺激すると共食いにつながることも!
食料不足だけではなく、飼い主が原因で母親ハムスターが赤ちゃんを食べてしまうことがあります。
飼い主に母親ハムスターが懐いていない場合、飼い主に対して過剰に反応してしまいます。
そのため、頻繁にケージを覗いたり驚かしたりすると、「赤ちゃんが危険だ!育ててあげられない!」と判断して赤ちゃんを食べてしまうことがあるのです。特に妊娠後、赤ちゃんを同じケージの中でお世話する場合は、不用意にハムスターを刺激しないようにしてあげてくださいね。
ハムスターの赤ちゃんにはなるべく触れないで
ハムスターの赤ちゃんを触ることも避けた方が良いです。赤ちゃんを人が触ってしまうと人間のにおいがついてしまいます。慣れていない人間の臭いがついていることで、母親ハムスターが赤ちゃんを食べてしまうこともあるのです。
人間の臭いがつかないように、赤ちゃんには触れないことが大切です。特に妊娠中と出産後は気性が荒くなりますので、できるだけ近づかないでそっとしておいてあげてくださいね。
普段からしっかりと観察し、接し方に注意すれば共食いは防止することができます。飼い主としても共食いが起こらないよう、充分な配慮をしてあげてくださいね。