ヒレンジャクの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

ヒレンジャクはスズメ目に属する野鳥の一種で、秋から春にかけて日本で見られます。キレンジャクとともに平安時代から「連雀(れんじゃく)」や「唐雀(からすずみ)」という呼び名で人々に知られていた鳥ですよ。

この記事ではヒレンジャクの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

ヒレンジャクの特徴は?

ヒレンジャク

大きさ

  • 18cm

外見の特徴

  • 濃い灰色の羽
  • 先端が赤いしっぽ
  • 赤みのある顔
  • 先端がとがった長い羽毛

ヒレンジャクは大きさ18cmほどの小さい鳥です。スズメよりも少し大きい程度ですよ。

「冠羽」とよばれる先端がとがった頭頂部の長い羽毛が特徴的で、額から冠羽にかけて黒い帯模様が入っています。顔は眼を中心として赤みがかっており、喉と目の周りは黒色をしています。

おなかは白い羽毛で覆われており羽は濃い灰色です。しっぽも濃い灰色をしていて、オスメスで色の違いはありません。しっぽの先端は赤い色をしており、「ヒレンジャク(緋連雀)」の名前の由来ともなっていますよ。

 

ヒレンジャクの生態は?

ヒレンジャク

生態

  • ヤドリギが大好物
  • 群れで行動

 

ヤドリギが大好物

ヒレンジャクを含むレンジャク類は「ヤドリギの種子」を好んで食べます。ヤドリギの種子は粘着性が強く、おしりから出てきてもだらんとぶら下がる性質があります。

ヤドリギは「半寄生植物」ともいわれ、ヒレンジャクが遠くの樹木に運んでくれるからこそ、子孫を繁栄することができています。ヤドリギとヒレンジャクは大切なパートナーなのです。

 

群れで行動

ヒレンジャクは基本的に数羽から数十羽の群れで行動します。まれに、100羽を超える大群となることもありますよ。体が小さいため、自然界の大きな天敵から身を守るためだといわれています。同じレンジャク属の「キレンジャク」と一緒に群れを作ることもありますよ。

 

ヒレンジャクの分布は?どこに生息している?

ヒレンジャク

日本では11月から翌年5月まで、全国の「低地」や丘陵地の「森林」「農地」で姿を確認することができる渡り鳥です。越冬のために日本にやってくるので、日本では一般的に「冬鳥」として知られています。

キレンジャクが東日本に多いのに対してヒレンジャクは西日本に多く渡来する傾向があります。渡来数は極めて不規則なので全く観察されない年もありますよ。

 

ヒレンジャクの鳴き声は?

ヒレンジャクは「ヒーヒー」「チリチリ」「リリリリリ」と甲高い声で鳴きます。鈴や虫の声に聞こえることから、一部の地域では風情ある鳥として親しまれています。

 

日本では昔から知られている鳥

ヒレンジャク

「ヒレンジャク」という名前はあまり有名ではありませんよね。しかしその姿は平安時代から「連雀(レンジャク)」として確認されており、鈴の音のようなキレイな鳴き声をすることで昔から親しまれている野鳥なのです。