イヌワシはタカ目タカ科イヌワシ属に分類される鳥類です。 日本に生息するのは「二ホンイヌワシ」というイヌワシの亜種の一種です。1950年代までは限られた場所だけに生息すると考えられていましたが、最近では各地に生息していることが明らかになりました。
この記事ではイヌワシの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。
イヌワシの特徴は?
大きさ | 75~85cm |
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外見の特徴 | 黒みがかった赤茶色の体 |
金色の頭(成鳥) |
イヌワシは全長75~85cmほどの大きな鳥です。翼開長(翼を広げた長さ)は175~200cmで、体重は3~5kgにもなります。
全身は黒みがかった赤茶色で、成鳥では頭が金色になるため、英語では”Golden eagle”と呼ばれていますよ。目は黄色みを帯びた茶色やオレンジ色をしていて、くちばしの根本と足は黄色、くちばしの先端は黒くなっています。
若鳥には翼に大きな白色のまだら模様があり、しっぽの根元も白色です。目はこげ茶色をしていますよ。
イヌワシの生態は?
生態
- 獲物を見つけて急降下
- 広い縄張り
- 繁殖
獲物を見つけて急降下
イヌワシは動物食で、哺乳類・大型鳥類・ヘビなどを餌として食べます。中でもノウサギ・ヤマドリは重要な餌となっています。普段は翼をゆるいV字型に保って飛びますが、餌を見つけると急降下して捕らえます。
広い縄張り
イヌワシはペアごとに縄張りを持ち、1年を通してその中で生活します。ペアの縄張りの広さは地域や環境によって異なりますが、平均で約60平方キロメートルにもなりますよ。
繁殖
日本のイヌワシは2~3月に繁殖します。1回に1~2個の卵を産み、抱卵期間は43~47日です。主にメスが卵を温めますよ。育ヒナ期間は70~94日で通常1匹のみが育ちます。ヒナはふ化後、65~80日で飛べるようになり、3か月で独立しますよ。
イヌワシの分布は?どこに生息している?
日本に生息するイヌワシは「二ホンイヌワシ」というイヌワシの亜種です。世界には5種類の亜種が生息しています。
二ホンイヌワシは北海道から九州の山岳地帯に生息しています。年間を通して山奥に生息するため、季節によって移動しない「留鳥」に分類されます。絶滅の危機にさらされており、日本全国で500羽に満たないと考えられています。
他の亜種も主に北半球の中緯度地域に生息しています。
イヌワシの鳴き声は?
イヌワシは「ピィーウ」「ポィョー」と聞こえる声で鳴きます。
東京の多摩動物公園ではイヌワシの鳴き声をよく聞くことができますので行ってみることをおすすめします。
生息数が減っている
イヌワシは自然界の食物連鎖の頂点にいる鳥です。近年、森林伐採や都市開発などによる生息地域の減少で餌不足を招き、絶滅の危機にさらされています。国をあげての保護活動も行われています。また生息数が増えると良いですね。