チュウサギはコウノトリ目サギ科の鳥類です。
日本にいるシラサギ類の中では中型であることから「チュウサギ」という名前がつきました。白色の羽毛を持ち、細く長い足で優雅に歩く姿は感動を覚えるほどの美しさですよ。
この記事ではチュウサギの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。
この記事でまとめたこと
チュウサギの特徴は?
大きさ | 68cm |
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外見の特徴 | 真っ白な羽毛 |
夏と冬で色が変わるくちばし | |
黒く長い足 | |
長い首 |
チュウサギの全長は68cmで、翼を広げた大きさは114cmにもなります。特徴が似ているダイサギよりも一回り小さいサイズですよ。
全身の羽毛は美しい白色をしており、黒い足と首は同じくらいの長さがあります。眼先が黄色でくちばしは短く、口角の切れ込みは眼の真下まで入っています。
夏になるとくちばしは黒くなり、眼先は少々緑がかるほか背中に飾り羽根が現れます。冬にはくちばしが黄色くなりますが、先端に黒みが残る場合もありますよ。
幼鳥は全身が茶褐色(やや黒みを帯びた濃い茶色)をしていますが、徐々に白い羽毛に生え変わっていきます。
チュウサギの生態は?
生態
- サギ仲間と集団生活
- 繁殖
- 幅広い食性
サギ仲間と集団生活
チュウサギの繁殖期は4~9月中旬で、この時期になると「ダイサギ」「コサギ」「アマサギ」「ゴイサギ」など多数のサギの仲間と集団で行動し、営巣しますよ。
非繁殖期には単独で生活しています。
繁殖
マツやコナラの樹上や竹やぶに、枯れ枝を使って粗い皿形の巣をつくります。
1度に3~5個の卵を産み、オスとメスが交代で行う約21~23日の抱卵を経て孵化しますよ。生まれたヒナは生後25~30日ほどで巣立ちを迎えます。
食の好みが広い
チュウサギの食性は、ほかのサギ類より好みが広いことも知られています。
一般的なサギの仲間と同様に魚や甲殻類、両生類も食べますが、チュウサギはバッタなどの昆虫類を特に好んで食べますよ。
ほかのサギ類が浅い水辺にある餌場を好むのに対し、チュウサギは田植え前の田んぼや休耕田などの比較的乾いた場所を好みます。
チュウサギの分布は?どこに生息している?
チュウサギはユーラシア大陸・アフリカ・オーストラリアの温帯から熱帯にかけて幅広く分布しています。
「池沼」「湿地」「水田」などの水辺に多く生息していますよ。
日本には夏鳥として本州以南に渡来しますが、九州などの暖かい地方では越冬する個体もいます。
チュウサギの鳴き声は?
チュウサギは、鼻にかかった大声で「グワーグワー」「ゴァーゴァー」「グエッー」といった地鳴きをします。
季節やオス・メスに関わらず、仲間とのコミュニケーションや警戒の連絡のために鳴きますよ。
生息地が少なくなってきている?
今や絶滅危惧種の野鳥が多い中、チュウサギの個体数は安定しています。
しかしながら、かつて日本のシラサギ類で最も多かった時代に比べると環境の変化から徐々に減少しており1970年代にコサギと逆転してしまいました。
その原因は生息地であるヤナギ林や竹林の伐採が行われてチュウサギにとって落ち着いた環境での生活しにくくなってしまっているからです。
もし身近な場所に野鳥が繁殖に来たら、なるべく追い払わないようにしてあげてください。生息地を追いやられて、やっとの思いで見つけた場所なのかもしれません。我々は、出来る限り彼らの味方でいてあげたいものですね。