ヒガラはスズメ目シジュウカラ科に属するとても小さな鳥です。枝の上を元気にすばしっこく動き回る姿が可愛らしいですよ。
この記事ではヒガラの特徴や生態、分布、鳴き声などについてまとめました。
ヒガラの特徴は?
大きさ
- 11cm
外見の特徴
- 短い冠羽
- 首にある黒い三角形模様
ヒガラの全長は約11㎝、翼開長(翼を広げた時の大きさ)約17㎝と、シジュウカラの仲間の中では最小サイズの鳥です。スズメよりも一回り小さいですよ。
オスとメスは同色で、青みがかった黒色の頭部にある寝ぐせのようにピョンとはねた短い冠羽が特徴的です。ほっぺは白色で、喉から首にかけて黒い三角形の模様がありますよ。背は青味がかった灰色をしており、腹は薄い茶色です。
黒っぽい灰色をした翼にある白い斑(まだら)模様は、翼をたたむと2本の白い筋模様に見えますよ。くちばしと足は黒色です。
外見が似ているヒガラとシジュウカラ、判別方法は?
ヒガラとシジュウカラは外見がよく似ているので、判別に苦労している方も多いのではないでしょうか。簡単な判別方法を下の表にまとめたので参考にしてくださいね。
ヒガラ | 喉の黒い模様は、首まで |
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シジュウカラ | 喉の黒い模様は、ネクタイのように下に伸びている |
ヒガラは喉の黒い模様が首までですが、シジュウカラは喉からネクタイのように下に伸ています。「ヒガラは蝶ネクタイ、シジュウカラはネクタイ」と覚えておくとわかりやすいですよ。
ヒガラの生態は?
生態
- 樹上で生活
- 群れを形成
- 繁殖
樹上で生活
ヒガラの食性は雑食です。
木の上で枝先を活発に動き回りながら、「昆虫」「クモ」「虫の卵」「木の実や種子」を食べますよ。木の幹の隙間に種子などを貯蔵することもあります。
群れを形成
繁殖期以外の秋冬は、群れを作って生活しています。シジュウカラやコガラと混じって群れを形成することもありますよ。
繁殖
5~7月の繁殖期になると樹洞やキツツキの古巣の中にコケや獣毛・羽毛を敷いて営巣します。
一腹卵数は5~8個で、約14~18日のメスが行う抱卵を経て孵化します。ヒナは孵化してから16~18日で巣立ち、その後約2週間で独立しますよ。
ヒガラの分布は?どこに生息している?
ヒガラは、ヨーロッパ・アフリカ北西部・中東・アジア中東部といった広い範囲に分布しています。
日本では北海道から屋久島北部にかけての平地や山地の針葉樹林に生息し、山が雪に覆われる頃には標高の低い場所に移動します。公園の水飲み場や人工の餌場にも寄ってくることがありますよ。
ヒガラの鳴き声は?
木の枝にとまり、「ツピン、ツピン」「チピ、チピ、チピ」と高い声でさえずります。他のカラ類に比べると早口でさえずるのが特徴です。
昔はその鳴き声から「ひんがら」(「ヒン」と鳴くカラ類)と呼ばれていました。それが転じて「ヒガラ」と呼ばれるようになった、という説がありますよ。
人工の巣箱にやってくることも
ヒガラはとても小さくて可愛らしい鳥です。主な生息地の針葉樹林だけでなく、木の穴を使って巣を作るため人が設置した巣箱を利用することもありますよ。
現在、ヒガラは国際自然保護連合(IUCN)により軽度の絶滅が懸念されています。もし見かけたら、びっくりさせることのないようにそっと観察してあげてくださいね。