夏になると山などで捕まえることができるクワガタですが、今ではホームセンターでも購入できるようになりましたね。子供と一緒に飼育する方も多いのではないでしょうか。
クワガタにはさまざまな種類があり、寿命もそれぞれ異なります。2ヶ月~半年間で寿命が来る種類もいれば、羽化してから数年生きる種類もいますよ。
この記事では、クワガタの種類別の寿命や飼い方をまとめました。
クワガタの寿命や種類について
クワガタやカブトムシの違いは?
クワガタはカブトムシと並んで大人気な昆虫です。
カブトムシとクワガタの違いは実はツノだけではありません。実は他にも違いがあります。
カブトムシとクワガタの主な違い
- 外観
- 幼虫のすみか
- 寿命
外観
カブトムシとクワガタは、見ての通り頭部に大きく違いがあります。
カブトムシの頭部は丸く盛り上がっています。
それに比べ、クワガタは頭部が平べったく、ハサミがついているのが特徴です。
ツノとハサミ、これらは同じように外骨格が変化してできたものですが、クワガタはハサミを大顎を動かすことによってハサミを動かすことができます。
幼虫のすみかと見分け方
カブトムシとクワガタは、幼虫が住む場所などに違いがあります。
カブトムシの幼虫 | クワガタの幼虫 | |
---|---|---|
住処 | 腐葉土の中 | 朽木の中 |
食料 | 腐葉土 | 朽木やキノコ菌 |
体色 | こげ茶色 | オレンジ色 |
見分け方 | 体色がクワガタよりも濃い | 体色がカブトムシより薄い |
寿命
カブトムシの寿命
- 1~1年半
クワガタの寿命
- 1~3年(個体差が大きい)
カブトムシとクワガタは、寿命が1番大きく異なります。
カブトムシは1~1年半ですが、クワガタは1~3年と個体によって差が大きいです。
カブトムシは夏に産み落とされた卵が孵化して幼虫になります。
そのまま越冬して翌年の夏にさなぎになり、成虫となります。成虫となったカブトムシはその年の秋ごろに一生を終えます。
こうしてカブトムシの寿命は1年〜1年半となっています。
クワガタは夏に産み落とされた卵が孵化して幼虫になります。
そのまま越冬して翌年の秋までかけて羽化します。その後、休眠状態に入り冬を越します。
活動し始めるのは翌年の夏頃で、個体によってはその年も冬を越します。
このように、クワガタの寿命には個体差が大きく、1年〜3年となります。
クワガタの生態あれこれ
クワガタの種類によって寿命は異なる?どんな一生か?
クワガタの産卵期は7~9月で、卵は数週間かけて孵化します。その後は幼虫のまま1~2年間を朽木の中で過ごし、夏の終わりに成虫になります。そしてまた朽木の中で冬を超すのです。次の年の夏には活動を再開しますが、その夏の終わりには寿命を迎えます。
オスは交尾を終えると寿命を迎えるため、一般にメスのほうが数ヶ月長生きします。クワガタは種類によって幼虫の期間が異なり、幼虫の状態で1年を過ごす1年型と、2年を過ごす2年型がいます。また成虫になってからすぐに活動を開始する1化型と、成虫の状態で冬越しをしてから活動を開始するもの1越型がいます。
これらの型の期間は種類の他に、産卵の時期や周りの環境である餌の豊富さ、その年の気温変化によっても左右されます。人工飼育下で理想的な環境を用意できれば、自然下よりも寿命が長くなることもありますよ。
オスとメスの違い、見分け方
クワガタはほとんどの種でオスメスの簡単な見分け方として、ハサミの大きさの違いがあります。
クワガタは一般的にオスの方が大きくて長いハサミがついていて、メスの方が短くて小さなハサミがついています。
また、体の大きさもメスの方が一回り小さいことが多いです。
どんな種類のクワガタが冬眠するの?
一般的にオオクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタ、ヒメオオクワガタが冬眠する種類です。
18℃以下になるとクワガタは活動を止めて冬眠の準備に入ります。
また、気温が15℃以下になると冬眠に入ります。
ただ、ヒメオオクワガタはもともと標高が高いところに住んでいるので、10℃以下にならないと冬眠を始めません。
クワガタの繁殖や産卵は?
クワガタは成熟したオスとメスの2体の交尾によって子孫を残します。
クワガタは朽木の中に卵を産みます。口技は幼虫の餌ともなります。
クワガタは朽木の中に卵を産みますが、カブトムシは腐葉土の中に卵を産みますよ。
代表的なクワガタの寿命まとめ
代表的なクワガタの成虫後の寿命(括弧内は孵化してからの寿命)を一覧にまとめました。クワガタを飼い始める際、品種選びの参考にして下さいね。
種類名 | 寿命 |
---|---|
オオクワガタ、コクワガタ | 2~3年(3~4年) |
ヒラタクワガタ、スジクワガタ | 1~2年(2~3年) |
ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、マルパネクワガタ | 3~4ヶ月(2~3年) |
ルリクワガタ、オニクワガタ | 半年~1ヶ月(1~2年) |
自然界での寿命よりも、人工的な飼育環境のほうが温度も理想的で外敵も少ないため長生きする傾向にあります。クワガタは、犬や猫などの一般的なペットに比べて短命ですが、工夫次第で長く一緒にいることができますよ。
長生きするクワガタは?
クワガタの中で長命なことで知られているのがオオクワガタ、コクワガタです。ヒラタクワガタ、スジクワガタも比較的長命です。
これらは幼虫の期間が長い特徴があり、特にオオクワガタは幼虫の状態で3度の冬を越す3年型である個体もいますよ。また成虫になってからも冬眠するため、孵化してから5年近く生きる個体も存在します。
人間の飼育下では孵化から最長で7年間も生きたとされるオオクワガタもいますよ。
平均的な寿命のクワガタは?
ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、マルバネクワガタは成虫になった年に冬越しをせず寿命を迎えます。
幼虫の期間は長命のクワガタたちと同程度の1~2年ですが、成虫になってから冬眠での越冬ができないため早くに命を終えます。
ノコギリクワガタは羽化してもその年に活動はせずに越冬し、翌年の初夏から活動して寿命を迎える1越型です。
短命なクワガタは?
寿命が極めて短い品種では、成虫後のたった2週間から2か月の間に寿命を迎えてしまいます。ルリクワガタやオニクワガタなど、あまり一般的には飼育されていない、標高の高いところに生息している種類が短命なクワガタです。
成虫の期間が短いため、飼育下で繁殖を望む場合は、すみやかに行う必要があります。
クワガタを飼育する際の注意点
卵から孵るまで
まず産卵セットを組み、1ヶ月半〜2ヶ月ほど経過したら幼虫と卵を取り出します。
卵が孵化するまでは別のケースに腐葉土や発酵マットなどと一緒に入れておくこともオススメです。
卵が孵化したら、発酵マットや菌床の詰まったビンに移し替えます。
クワガタ(幼虫)の育て方
卵が孵化したら、種類によって発酵マットか菌床の詰まった1000cc程度の容器に移し替えるのが一般的です。
容器は日光の当たらない静かな場所で、20℃〜25℃の間の温度で保管しましょう。
またこの際注意したいのは下記の点です。
- 蓋に空気穴を開ける
- 1体につき1つの容器
- 酸欠に注意
- 3ヶ月を目安に餌(腐葉土や菌床)を入れ替える
クワガタ(幼虫)の育て方について詳しく知りたい方はこちら
クワガタ(成虫)の育て方
クワガタを育てる際に注意したいこと
- 温度管理
- マットの管理
- 出来だけ1体ずつ飼う
クワガタの成虫を飼育する際には特に温度管理に気をつけてください。
特に夏場の高音には要注意です。個体差も少しありますが、18℃~28℃の間で飼うことが一般的ですよ。
また、マットが乾燥しないためにも、こまめなチェックが必要です。乾燥してしまったら霧吹きで湿らせてあげてくださいね。
また、クワガタを気性が荒いため、2体を一緒のケースで飼うのは好ましくありません。1つのケースで1体の飼育がおすすめですよ。
クワガタの成虫の育て方について詳しく知りたい方はこちら
気になるダニの対処法
クワガタの飼育で気になってしまうのが、ダニの存在。
クワガタの飼育環境はダニが大好きな環境なのです。
ただ、ダニはあまりに多すぎなければ問題はありません。自然界ではクワガタとダニは共生関係であると考えられています。
ダニが気になる場合は、マットにダニよけスプレーなどをするだけで良いです。
越冬する時は?長生きしてもらうコツ
クワガタは種類によっては越冬します。
オオクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタは基本的に越冬しますが、他の種でも越冬する種類はいます。
越冬はとても厳しいものです。越冬できずに死んでしまう種も多いのです。正しい知識を付けてクワガタをしっかり越冬させてあげましょう。
クワガタを越冬させる際に気をつけたいこと
- 温度管理
- 湿度管理
クワガタの越冬の際に気をつけたいことは特にこの2つです。
まず、温度管理ですが、クワガタは15℃以下にならないと冬眠しません。
5〜10℃の間に温度を保ってあげましょう。
次に湿度管理としては、空気穴を開けたビニールシートなどを飼育ケースの蓋に挟んだり、広葉樹の葉を飼育ケースに入れるなどして保湿をしっかりしましょう。
また、マットの表面は常に湿っている状態を保てるよう、乾いていたらすぐに霧吹きで湿らせてくださいね。
さらに、長生きさせてあげるにはストレスを与えないことが大事です。
クワガタはひっくり返るとなかなか起き上がれないので、引っ掛ける木や、隠れ家のための落ち葉、穴の空いた朽木などもケースに入れてあげましょう。
繁殖や産卵時の注意点と産卵木の選び方
クワガタは羽化したのち、成熟してからでないと交尾できません。
成熟の目安は、「餌を食べ始めた頃」です。クワガタは成熟するまで餌を食べないため、これが目印になります。
成熟した後のオスとメスを5日間ほど同じケースに入れて飼育するとほとんどの確率で交尾が成功します。
ただし、気性が荒いクワガタの場合、メスを攻撃してしまうことがあるのでしっかりと様子を見てから同じケースに入れるようにしましょう。
産卵に関しては主に三種類あります。それぞれ専用のセットが販売されています。
- 発酵マットでの産卵
- 産卵木での産卵
- 菌床産卵
個体によって産卵方法が変わります。
飼っている個体に合わせて産卵セットを選びましょう。
産卵セットを組んだら、オスとメスを産卵セットに入れて飼育しましょう。
クワガタは羽化したのち、成熟してからでないと交尾できません。
成熟の目安は、「餌を食べ始めた頃」です。クワガタは成熟するまで餌を食べないため、これが目印になります。
成熟した後のオスとメスを5日間ほど同じケースに入れて飼育すると交尾はほとんどの確率で成功します。
ただし、気性が荒いクワガタの場合、メスを攻撃してしまうことがあるのでしっかりと様子を見てから同じケースに入れるようにしましょう。
産卵に関しては主に三種類あります。それぞれ専用のセットが販売されています。
- 発酵マットでの産卵
- 産卵木での産卵
- 菌床産卵
個体によって産卵方法が変わります。
飼っている個体に合わせて産卵セットを選びましょう。ただ、どの種類を選んでいいかわからない場合は産卵木が無難です。
産卵セットを組んだら、オスとメスを産卵セットに入れて飼育しましょう。
クワガタの産卵や蛹化、羽化について詳しく知りたい方はこちら
クワガタの飼育グッズ
飼育ケース
クワガタは喧嘩しやすいため、1体につき1つ飼育ケースを作りましょう。
ケースは透明のプラスチックケースがオススメです。
観察がしやすいのと、清潔に保ちやすいという点でオススメです。
また、少し大きめの方がストレスが軽減され、長生きの可能性が高くなります。
マット
マットは基本的に市販のものなら何を使っても大丈夫です。
ただ、針葉樹や木のチップを使ったマットを使えば、コバエが湧くのを防いでくれます。
登り木・隠れ家
登り木・隠れ家は飾りのように見えてしまいますが、実はクワガタの飼育には欠かせないアイテムなのです。
まず第一に、クワガタは本来、樹洞や落ち葉、木屑の下などに隠れる習性があります。
そのため飼育する際にもそういった隠れるスペースを作ってあげるとクワガタのストレス軽減になります。
また、クワガタは転倒してしまった際に、体が薄いので非常に起き上がることが難しいのです。
そうした場合に止まり木があれば足を引っ掛けたり、体を寄せたりして起き上がる際の補助になります。
クワガタの転倒は予想以上にダメージが大きく、最悪死んでしまうケースもあるので気をつけましょう。
バナナやゼリーといった食べ物(エサ)の選び方
クワガタのエサに迷う・・・という方にはとりあえずは昆虫ゼリーがオススメです。
最近では高タンパク系のものや栄養系のものなど、様々なゼリーが発売しています。
昆虫ゼリーなら管理も楽ですし、あげるのも簡単なため、クワガタを飼うのが初めての方にもオススメです。
栄養バランスなどは基本的には大丈夫ですが、産卵前のメスには高タンパクのものをあげましょう。
他にオススメのエサはこちらです。
クワガタにオススメのエサ
- バナナ
- リンゴ
- 薄めた乳酸菌飲料
- 薄めたはちみつ
ただ、これらを与える際には注意が必要です。
バナナやリンゴなどの場合は腐敗が早く進んでしまうので注意して取り替えなければなりません。
腐敗したものは昆虫の体にも悪いですし、飼育環境を悪化させます。
乳酸菌飲料やはちみつは4倍以上には薄めましょう。
また、脱脂綿に染み込ませて与えましょう。体に着いてしまうと粘着して体が動きにくくなってしまい危険です。
クワガタの採集方法
クワガタを採集する時期
クワガタ採取は6月〜8月がベストです。
ただ、7月下旬頃からはクワガタの天敵であるカブトムシが活動を始めます。
そのため、実は「6月〜7月中旬頃」がクワガタ採取にベストな時期です。
おすすめのトラップや仕掛け
カブトムシやクワガタを採取する際にトラップを作ると、捕獲が楽になります。
樹液が出ている気を見つけられればそれが1番いいのですが、樹液が出ている木はそう見つかりませんね。
そんな時にオススメなトラップは「バナナトラップ」です。
昆虫は甘くて、くさい、そんな臭いが大好きです。
このバナナトラップは昆虫の好きな臭いを出します。
バナナトラップの材料
- バナナ1房
- 砂糖
- 焼酎
- ドライイースト
材料はこれだけです。また、ドライイーストはなくても大丈夫ですが、あるとよりトラップの威力が強力になります。
バナナを皮ごと一口サイズにカットし、材料を全てジップロックに入れて、ベランダなど日の当たる場所に3-5時間程度放置。
なんとこれだけで完成です。
ただ、放置している時に発酵させているためガスが袋にたまるので、破裂しそうになったら少しガス抜きをしましょう。
このトラップを夕方くらいにクヌギやコナラなどのカブトムシ、クワガタが住んでいそうなところに塗りに行き、暗くなってから採取しに行きましょう。
標本にする方法は?
クワガタの標本作り、実は簡単です。特殊な薬品などは一切必要ありません。
クワガタの標本、作り方の手順
- 水で洗う(歯ブラシなど使うと良い)
- 50〜60℃のお湯に30分程度つけて体をほぐす
- 乾いたらうまく足を広げて針で体の中心から固定していく
簡単にいうと上記の流れです。
汚れを落とし、体をお湯で柔らかくしてから乾かし、固定するという流れです。
固定の作業の際は、最初に針を刺すポイントに注意しましょう。
最初に針を刺すのは体の中心近く、背中の羽の部分になります。
ただ、ここで中心に刺してしまうと羽が開いてしまうのでやや右に刺してあげましょう。
あとは、どんな形で固定させたいかによって固定の方法が異なるので、個人の好みとなります。
標本作りに必要なものをまとめると下記のようになります。
標本作りに必要なもの
- 発泡スチロールなどの固定土台
- 昆虫針
- いらない歯ブラシ
- ピンセットなど(固定の際に便利)
クワガタの生息地について詳しく知りたい方はこちら
クワガタを購入したいなら?
実店舗のショップでも販売されている
最近は少なくなってしまいましたが、カブトムシ、クワガタを扱っているショップもあります。
専門店などでは外国産の種や国産のレア種まで様々な種類のクワガタを取り扱っています。
幼虫なども販売しており、採取や育成のコツも教えてくれるので是非行ってくださいね。
ネットショップ通販やオークションでも入手可能
実は、ネット通販やオークションでもクワガタを販売しているところがあります。
ネットショッピングは種類が実に豊富です。値段もピンからキリまであります。
ネットショッピングは便利ですが、やはり生き物なので、できれば実店舗か森に取りに行きたいですね。
種類別の値段、価格は?
代表的な種で言えば、大体がオスメスペアで下記のような値段設定です。
- ノコギリクワガタ 約800円
- ミヤマクワガタ 約1000円
- オオクワガタ 約2500円
- ヒラタクワガタ 約2000-3000円
- スマトラオオヒラタクワガタ 約1000円
- ギラファノコギリクワガタ 約4000円
クワガタの販売元や価格について詳しく知りたい方はこちら