ヤンバルクイナは、ツル目クイナ科ヤンバルクイナ属に分類される鳥です。沖縄のみに生息が確認されている固有種で、飛べない鳥としても有名ですね。
この記事では、ヤンバルクイナの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。
ヤンバルクイナの特徴は?
大きさ
- 35cm
外見の特徴
- 短くて丸い翼
- 胸から腹にかけての白い横縞
- 太くて大きな赤い嘴
- 太くて丈夫な足
ヤンバルクイナは全長35㎝、翼の長さ約16㎝、翼開長48~50㎝ほどの大きさをしています。
上面の翼は暗いオリーブ褐色をしていて、顔や喉の部分は黒い色をしていますよ。耳孔を覆う耳羽から首にかけては白い筋模様が入り、眼先には白い斑点が入ります。
首からお腹にかけての下面の羽衣は黒いですが、白い横縞が入っています。嘴と後足が赤くなっているのも特徴的ですね。
ヤンバルクイナの生態は?
生態
- 常緑広葉樹林に生息
- 雑食
- 空を飛べない
常緑広葉樹林に生息
ヤンバルクイナは水鶏(クイナ)の名前が指すとおり「川や谷」「水溜り」などの近くを好み、平地から標高500m以下の下映えが繁茂した常緑広葉樹林に生息していますよ。
明るい場所に出てくることは滅多に無いですが、稀に農耕地や民家の近くに姿を見せることもあります。
また、夜になると蛇に襲われないように木の上で過ごしますよ。ただ、飛ぶ事はほとんどできないので木の上から移動する場合は羽ばたかずに滑空します。
雑食
食性は雑食性で「昆虫」「甲殻類」「両生類」「種子」などを食べますが、浅い水中で食餌をする事もありますよ。
空を飛べない
ヤンバルクイナは翼を持っていますが、体重に比べて面積が小さく筋肉も発達していないのでほとんど飛ぶことができません。
数万年前の沖縄には天敵となる捕食者がいなかったので、飛んで逃げる必要が無かったのです。そのために翼が退化したと考えられていますよ。
ヤンバルクイナの分布は?どこに生息している?
ヤンバルクイナは、沖縄県北部の大宜味村・国頭村・東村を合わせた「やんばる」地域にのみ生息しています。
ヤンバルクイナの鳴き声は?
ヤンバルクイナは「キョキョキョキョー」や「クリリーヤ」と鳴きます。
「キョキョキョキョー」は夕方に聞くことができる鳴き声で、500m離れている場所でも聞こえるほどけたたましいですよ。縄張り宣言をしているのではないかと考えられています。
「クリリーヤ」は繁殖期によく聞く鳴き声で、カップル同士がお互いを呼びかける時の鳴き声だと考えられています。
絶滅から救うためにも、早急な保護活動が必要!
ヤンバルクイナは生息域がかなり狭く、やんばるの森も開発によって縮小されている為に絶滅の危機に瀕しています。
また、よく生物学的にも分かっていないことが多い鳥なので早急な保護活動が必要とされていますよ。