ドリルは、アフリカにすむオナガザル科マンドリル属の霊長類です。近縁種であるマンドリルは有名ですが、ドリルはあまり知られていないようです。
体格はマンドリルの少し小さい個体とほとんど同じくらいで、一番大きな違いは色にあります。マンドリルは赤い鼻筋に青白い頬と、とてもカラフルなのに対し、ドリルの顔は真っ黒です。お尻の色もマンドリルに比べると、青や紫と落ち着いています。
この記事では、ドリルについて生息地や飼育されている動物園、餌などをまとめました。
この記事でまとめたこと
ドリルはどこに住んでいる?分布は?
分布域 | ナイジェリア南東部 |
---|---|
カメルーン西部 | |
赤道ギニア | |
生息域 | 低地 |
山地 | |
沿岸部の森林地帯 |
ドリルはナイジェリア南東部、カメルーン西部、赤道ギニアのビオコ島に分布しています。世界地図で見ると、アフリカのほんの一部の地域のみに限られていることがわかります。
低地や山地、沿岸部の森林地帯に生息し、強いオスの率いる群れで生活しています。半樹上性で、昼間は地上で餌を探すなど活動し、夜は木の上で休みます。
ドリルは動物園で会える?
国内でドリルに会える動物園
- 天王寺動物園(大阪)
日本でドリルに会えるのは、大阪の「天王寺動物園」のみです。以前は愛知県の「日本モンキーセンター」にもメスのドリルがいましたが、2014年に亡くなってしまいました。
そのため天王寺動物園で1996年に生まれたオスの「ドン」が日本にいる唯一のドリルです。隣には近縁種のマンドリルも展示されているので、体格や色などを見比べることができますよ。
海外でドリルに会える動物園
イギリスの「エディンバラ動物園(Edinburgh Zoo)」には3頭のドリルが暮らしていて、そのうち1頭は2011年にこの動物園で生まれたそうです。
他にもアメリカの「アトランタ動物園(Zoo Atlanta)」、「デトロイト動物園(Detroit Zoo)」、ドイツの「ハノーファー動物園(Erlebnis Zoo Hannover)」などでドリルが飼育されていますよ。
ドリルの餌は?何を食べる?
飼育下での餌 | 果実類 |
---|---|
野菜 | |
ドライフード | |
野生下での餌 | 果実類 |
植物 | |
爬虫類や小動物 |
動物園では、「果実類」のほか、レタスなどの「野菜」や栄養面を考えた「ドライフード」を与えることもあるようです。
野生ではドリルの主食は「果実類」ですが、「木の実」や「植物」、「キノコ」、「昆虫」、トカゲなどの「爬虫類」、「ネズミ」なども食べる雑食性です。
餌は地上で探すことが多く、餌は岩の下や土の中を掘り返して探しますよ。
日本ではわずか1頭のみ
ドリルはごく限られた地域にのみ生息する種で、絶滅の危険があります。
主に生息地の森林が耕作地拡大のために伐採されたり、現地では肉目的や農作物を守るための狩猟が問題となっています。現在は絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約でも国際取引が規制されています。
こういった保護対象になっているため、日本で見られるドリルが1頭だけになってしまったのも仕方のないことなのかもしれませんね。