熱帯魚の水槽に生える「苔」の種類は?原因や掃除は?

熱帯魚の水槽をせっかく綺麗にレイアウトしたのに、苔が生えたせいで台無しになってしまったという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

水槽に発生する苔にはいろいろな種類がありますよ。この記事では水槽に発生しやすい苔の種類ごとに原因や掃除の仕方をまとめました。

 

水槽に生えやすい苔1. 「茶ゴケ(けいそう)」

素材

茶ゴケは「珪藻(けいそう)」ともよばれる苔で、水槽のガラス面に発生しやすいです。茶色くて触るとぬるぬるしている特徴があります。

 

原因

「富栄養化」している水槽に発生しやすいですよ。光が不足している水槽も茶ゴケが生える原因になります。

立ち上げ初期には、生物濾過で余分な栄養を分解する環境が完全ではないため茶ゴケが発生しやすいです。水槽を立ち上げてしばらくしても茶ゴケが発生している場合は、「餌のやり過ぎ」や「熱帯魚の入れすぎ」「濾過能力の不足」が原因として考えられます。

 

特徴

三角定規など硬くて平らなもので簡単にこそぎ取ることができます。なかなか手の届かない場所は「ヤマトヌマエビ」など苔を食べてくれる熱帯魚を水槽に投入すると食べてくれますよ。

 

水槽に生えやすい苔2. 「糸状藻」

苔 コケ

糸状藻は流木や石、水草に発生しやすい苔で、1cmほどの長さになる糸状の苔です。

 

原因

茶ゴケ同様「富栄養化」している水槽に発生しやすいです。光を好む苔で、1日中照明を当てていたり光量が強すぎていたりする環境では特に発生しますよ。

 

特徴

付着力が強くて完全に取り除くのは難しいです。流木等に付着した場合は、水槽から取り出して「酢」や「熱湯」をかけることが適しています。枯れて赤くなったら「ヤマトヌマエビ」などを投入して食べさせている飼い主さんが多いようです。

水草に発生してしまった場合には、糸状藻がこれ以上増殖する前に発生した水草の部位だけを切断してしまうことがおすすめですよ。

 

水槽に生えやすい苔3. 「アオミドロ」

アオミドロ コケ

アオミドロとは「ホシミドロ目ホシミドロ科アオミドロ属」に属する苔の総称で、糸状にふさふさと生えて、触るとぬめぬめとしています。水草や流木に付着しやすく、成長すると太く長くなります。

 

原因

水槽内が富栄養化していると発生しやすいです。強い光量を好みますので、直射日光が当たる場合や照明時間が長すぎたりすると光合成がしやすいので、大量発生することもあります。

 

特徴

歯ブラシなどでこすることでおおまかに取り除くことができます。それ以外はヤマトヌマエビなどのエビに任せるのがおすすめですよ。成長して固くなるとエビ類もなかなか食べてくれず、水槽にこびりつくので早めに処理をするようにしてください。

 

水槽に生えやすい苔4. 「のり状藻」

のり状藻(藍藻)は苔類ではなく、「シアノバクテリア」という細菌が正体です。ヘドロ状で底砂やガラス面に発生しやすいです。また臭いもあり、発生すると部屋中が臭ってしまうほど厄介です。

 

原因

水流がない水槽で発生しやすいです。また、無酸素状態の発生原因のひとつです。多くの苔とは違い、「光量」や「富栄養化」はそこまで大きな原因にはなりません。

 

特徴

臭いがあるためか、苔を食べる熱帯魚のほとんどはのり状藻を食べようとはしません。唯一「ブラックモーリー」は食べてくれることがありますよ。

基本手作業で取り除き、それでも減らないようであれば水槽をリセットしてしまう方法が一般的です。

 

水槽に生えやすい苔5. 「アオコ」

アオコ 苔

アオコは非常に増殖しやすく、発生している水槽では週1回の頻度で水換えをしても、水が濁ってしまうほどです。

 

原因

直射日光のような極端に強い光があたる環境や水槽の富栄養化が発生の主な原因です。

 

特徴

3日おきに半分程度の水換えをする、フィルターの内部の掃除することをおすすめします。それでも減らない場合は、市販の「除去薬」を使うと良いですよ。しかし水草は除去薬の影響を受けてしまうことがあるため注意が必要です。

 

水槽に生えやすいコケ6. 「斑点状藻」

斑点状藻はガラス面に発生しやすい苔の1種で「スポット状藻」ともよばれます。生えやすい苔ですが掃除は比較的簡単ですよ。

 

原因

主に光量が強い水槽に発生しやすいです。水質が安定していて富栄養化していない水槽にも発生しやすいことが厄介な点です。

 

特徴

強く付着しているため、三角定規などで力を込めてゴシゴシこそぎ取ってください。手作業での除去が1番確実で早いですよ。

 

苔は日頃のメンテナンスが大切!

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家の水槽に苔を持ち込まないようにするためにも、熱帯魚ショップで水草や熱帯魚を買うときには苔の発生した水槽のものは買わないようにしてくださいね。

また、苔の1番の対策は増える前に処理する「日頃のメンテナンス」だといえます。