水槽の苔取り役として有名なヤマトヌマエビ。水槽に入れたことがある方も多いのではないでしょうか?ヤマトヌマエビを含めエビ類の熱帯魚は「脱皮」をします。放置しておくと抜け殻で水底が汚くなってしまいますよ。
また、飼育していると青色の卵をお腹に持つこともありますよ。今回はそのヤマトヌマエビの脱皮や寿命、産卵、繁殖についてまとめました。
ヤマトヌマエビは脱皮をする?
脱皮について
- 理由:成長するために殻を脱ぐ
- 頻度:3〜4週間おき
ヤマトヌマエビなどのエビ類は「外骨格」という硬い殻でおおわれています。外骨格は柔軟ではないため、臓器が大きくなるにつれて窮屈になってしまいます。そのため小さくなった殻を脱ぎ捨てる「脱皮」をする習性があります。
脱皮直後の新しい殻は柔らかく、このうちにヤマトヌマエビは成長します。脚がちぎれてしまった場合でも、脱皮を重ねて元通りに戻せる再生能力も持ち合わせています。
脱皮は成長段階である幼生期には「2日おき」、おとなになると「3~4週間おき」の間隔で行います。
肉食魚とは混泳させない!
脱皮直後のヤマトヌマエビの殻は普段よりも軟らかく、他の熱帯魚に食べられてしまうことがあります。ヤマトヌマエビの飼育では他の熱帯魚と混泳しないか、身を隠せるような水草や流木を入れてあげる必要があります。
脱皮した殻は水に溶けないのでずっと水槽の下に残りますが、そのままにしておいて問題ありません。カルシウムなどのミネラルを含んでいるので、微生物が分解してくれたりヤマトヌマエビ自身が食べてくれたりします。
ヤマトヌマエビの寿命や産卵は?
寿命
- 飼育下:1~3年
- 自然下:5~7年
ヤマトヌマエビの寿命は1~3年です。自然界に生息しているヤマトヌマエビの方が寿命は長く、5〜7年ほど生きるといわれています。
産卵時期は春から夏の終わりにかけてです。水槽内でヒーターを20℃以上に保っている場合には一年中産卵することができます。メスは脱皮直後に交尾をしますので、脱皮は産卵時期の目安にもなります。
交尾が成功するとお腹に卵を抱えた「抱卵」状態になります。
ヤマトヌマエビの繁殖はハードルが高い?難しいといわれる理由
ヤマトヌマエビは水槽内で抱卵しますが、繁殖は非常に難しいです。
ヤマトヌマエビの幼生は水中に塩分のある「汽水域」で成長しますので、水槽内で繁殖する際には水を適度な濃度の汽水にする必要があるのです。
抱卵してから2週間後ほどを目安に別のケースに移します。母エビが卵を放出したら母エビは元の水槽に戻し、卵の入っているケースはカビが生えないように「水流」と「エアレーション」を強めに設置します。水槽内の水の「全量換え」も毎日行う必要があります。
孵化させたあとも大変
幼生が孵化し始めたら海水の70%の濃度の汽水を用意してそのケースで幼生を育てます。生まれたての幼生は小さく、水中に漂っている状態です。水中のバクテリアを餌にしていますので、特別餌を与える必要はありません。
孵化から1ヶ月ほどすると稚エビとなりますが、汽水から淡水に移行しなければいけません。少しずつ淡水にしていき、20日ほどで完全に淡水になるようにしていけば親と同じ水槽に戻すことができます。
ただこれらの工程を完璧にこなすのは非常に難易度が高いといえます。
繁殖には根気のいるヤマトヌマエビ!
ヤマトヌマエビの脱皮は生きる上で大切なことなので心配する必要はありません。また、ヤマトヌマエビは水槽内でも抱卵することはよくありますが、繁殖は初心者には大変難しく根気がいります。
しっかりとしたろ過システムのある環境での飼育が長生きにも繁殖にも大切ですよ。