オオカミまとめ!大きさや特徴、生態は?

オオカミはネコ目(食肉目)イヌ科イヌ属に分類される哺乳動物で、多くの亜種が認められています。

怖いイメージがあるかもしれませんが、一夫一婦制で仲睦まじく、オスはメスに先立たれると餌を食べなくなり絶命することもありますよ。

この記事ではオオカミの大きさや特徴、生態についてまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。

 

オオカミってどんな動物?

オオカミ3

オオカミを含めた食肉目の祖先・祖先に近い動物は、約3800万年~5600万年前に生息していた「ミアキスト」だと考えられています。

体長約30cmで細長い胴・長いしっぽ・短い脚などをしていたことから、イタチあるいは現在マダガスカルのみに生息する「フォッサ」などに似た姿をしていたのはないかと推定されていますよ。

その後、「キノディクティス」→「キノディスムス」→「トマークトゥス」という動物を経てオオカミに進化していったと考えられています。

 

人間とのかかわり

オオカミは、ヨーロッパや中国など牧畜が盛んだった地域では家畜を襲う害獣として忌み嫌われていた動物ですが、日本のように農業が盛んな国や地域では農作物へ被害をあたえるシカなどの害獣を駆除する益獣として親しまれていました。

 

オオカミの大きさや特徴は?

オオカミ1
オオカミの大きさ 体高: 60~90cm
体長: 100~160cm
体重:  25~50kg
外見の特徴 体色: 灰褐色(白~黒まで幅広い)
寿命 飼育下: 15年前後
野生下: 5~10年

オオカミの大きさは種類や地域によっても変わってきますが、一般的には体高60~90㎝・体長100~160cm・体重25~50㎏ほどです。

現生のイヌ科の中では最大の大きさで、高緯度に生息している種類ほど大きくなる傾向がありますよ。大きい個体は、犬種の中で最大といわれるグレート・デーン(体高70~81㎝・体重44~54㎏)に匹敵するサイズになります。

ちなみに、1939年にアラスカで発見された79kgの個体が記録上の最大種とされていますが、2012年にはカナダのマニトバ州で89kgのオオカミが捕獲されていますよ。

 

オオカミの特徴は?

オオカミの体色は灰褐色(灰色がかった茶色)の個体が一番多いですが、白~黒まで幅広いですよ。仔オオカミの時期は体色が濃いとされています。

生息域が北極圏に近い種類ほど体色は白くなり、体毛も保温や防水に優れる二層構造になりますよ。夏毛と冬毛があるのも特徴的ですね。

頭から鼻にかけての頭骨のラインは犬より滑らかで、しっぽの付け根上部にスミレ腺(尾の表側にある臭腺)がありますよ。

 

オオカミの寿命は?

オオカミの寿命は、野生下だと5~10年ほどです。幼獣の死亡率が高いですが、稀に10年以上生きる個体もいますよ。

飼育下での平均寿命は15年ほどですが、20年生きたという記録も残っています。

 

オオカミの生態は?

オオカミ2

生態

  • 群れを形成
  • 肉食
  • 一夫一妻型

オオカミの生態は大きく分けて「群れを形成」「食性は肉食」「一夫一妻型」の3つです。

群れを形成

オオカミはオスとメスの番(つがい)を中心とした4~8頭ほどの群れを形成します。

それぞれの群れには100~1000平方㎞の縄張りがあり、一つの群れの中でオス・メス別の順位制がとられていますよ。最上位から順にアルファ、ベータ、最下位の個体がオメガと呼ばれます。

 

肉食

オオカミの食性は肉食性です。

シカ・イノシシ・野生のヤギなどの有蹄類・げっ歯類などの小動物を捕食していますが、餌が少ないと人間に生活圏まで来て家畜や残飯を食べる事もありますよ。

最高速度の時速70㎞なら20分間、時速30㎞前後なら7時間以上獲物を追い回す事ができますが、アフリカに生息する同じイヌ科のリカオンと比較すると諦めやすい性格をしているといわれています。

 

一夫一妻型

オオカミの繁殖は、一夫一妻型で群れの最上位のペアのみが行います。

交尾は年1回(冬季)に行われ、60~63日の妊娠期間を経て平均4~6頭の仔オオカミを産みますよ。メスは自分で作った巣穴で子育てを行いますが、単独で子育てをするわけではなくオスや群れの仲間も手伝います。

 

オオカミが自然の生態系を回復させる!?

オオカミ4

1つのウルフパック(オオカミの群れ)が、自然の生態系を回復させたという事実をご存知でしょうか。

1995年に生態系を回復させる目的でカナダから導入されたオオカミの群れが、イエローストーン公園の自然と崩れていた生態系を復活させたのです。

頂点捕食者であるオオカミが、多くの物に命を与えたというのは興味深い話ですね。