キツネってどんな動物?野生のキツネと触れ合うのはダメ?大きさや特徴、生態まとめ

日本においてキツネは、お稲荷さんの眷属として、化けて出る妖怪として、有名な動物でもあります。文化として親密な関係があるキツネですが、そのビジュアルはスタイリッシュでありながら可愛らしさも持ち合わせています。

モフモフな被毛と大きな尻尾・大きな耳が特徴的で、日本だけでなく世界中に生息している動物でもあります。

そんなキツネの身体的な特徴から生態についてまとめてみました。

キツネってどんな動物?

キツネの画像
キツネは食肉目イヌ科の仲間。世界のさまざまな場所に生息しており、日本にはアカギツネの亜種であるキタキツネとホンドキツネがいます。北海道に住んでいるキツネがキタキツネ、本州、四国、九州に住んでいるキツネがホンドキツネと呼ばれています。

北海道ではキタキツネは身近な野生動物で、民家の庭や畑、観光地に姿を現すことも。

また、北極にはホッキョクギツネ、砂漠にはフェネックなど、過酷な環境に適応したキツネの仲間います。

歴史は?

キツネの直接の祖先は、北アメリカに生息していた「トマークタス」ではないかと考えられています。

「トマークタス」は6500~4800万年前に生息していた「ミアキス」とよばれる小型捕食者が進化したもので、およそ1500万年前にこの世に出現しました。

人との関わりはいつから?

キツネと日本人の関わりは、縄文時代まで遡ることがでます。

およそ5500年前のものと考えられるキツネの犬歯に穴を開けた装飾品や、キツネの下顎骨に穴を開けたペンダントなどが発掘されています。

また、稲作が始まってからは農作物をネズミから守る益獣としても重宝され大切にされてきました。

キツネの大きさや特徴は?

キツネの画像
大きさ 体重: オス 5.9kg
体重: メス  5.2kg
特徴 大きな耳
大きなしっぽ
モフモフな被毛
寿命 10年前後

キツネの大きさはオスが5.9kg・メスが5.2kg程です。

かなり細身の体型をしており、同じイヌ科であるオオカミやジャッカルなどと比べると小さめ。「大きな耳」「大きなしっぽ」「モフモフな被毛」が特徴的です。

寿命は10年前後といわれていますが、野生下では狩猟・事故・病気などのために2~3年で一生を終える個体が多いです。

キツネの生態は?

魚を捕るキツネの画像

生態

  • 群れを形成しない
  • 肉食性に近い雑食性
  • 穴を掘って餌を埋める

キツネの生態は大きく分けて「群れを形成しない」「肉食性に近い雑食性」「穴を掘って餌を埋める」の3つです。

群れを形成しない

キツネは家族単位で生活するため、群れを形成することはしません。イヌ科の動物は基本的に群れを形成して生活するので、キツネは珍しい生態をしているといえますね。

犬ではなく、猫に近い生態をしているのも不思議な点です。猫と同様縦に長の瞳孔を持ち暗闇でも目が利き、獲物に対して忍びより飛びかかっていくというスタイルで狩りを行います。

肉食性に近い雑食性

キツネの食性は肉食に近い雑食です。

普段は「ウサギ」「齧歯類などの小動物」「昆虫」などを食べていますが、餌が少ない場合は人間の生活圏で残飯やニワトリを食べたりすることも。

穴を掘って餌を埋める

キツネは、捕食した餌を分割して食べる習性があります。

残った餌は穴を掘って保管しますが、その場所は嗅覚で探すのではなく記憶をたどって掘り返します。

人に慣れているキツネも?感染症に注意!

キツネ1
日本には本州・九州・四国の各本島と淡路島にホンドギツネ、北海道本島と北方領土にキタキツネが生息しています。

本来、キツネは夜行性で非常に用心深い性格をしているのですが、好奇心が強い一面もあるため近年では人に慣れ白昼に観光客に餌をねだるようになる事が問題になっています。

キツネは人にも感染するエキノコックス症を持っていることがあり、潜伏期間が約10年と長いですが発症後死亡することもある感染症です。

エキノコックスの卵は糞と一緒に排出されますが、感染しているキツネを始めとした動物・糞に触れたり、感染した動物が生息する川の水を飲んで口に入ることで感染します。

野生のキツネを見かけても触れたり餌付けをしたりしないように注意してください。