サイはゾウに次ぐ大型の陸上哺乳類で、灰色・褐色(黒みがかった茶色)の体に1~2本のツノが生えています。
硬くて分厚い皮膚を持っているので、肉食動物に襲われても爪や牙が刺さることは滅多にありませんよ。
この記事ではサイの大きさや特徴、生態についてまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
この記事でまとめたこと
サイってどんな動物?
サイの祖先は、約2300万年前に存在していた「パラケラテリウム」だと考えられています。
パラケラテリウムは大昔のユーラシア大陸で栄華を極めていた動物で、陸上哺乳類の中で最大の大きさ(体長9メートル・体重20トン)をしていましたよ。
人間との関わり
サイと人間の関わりは、1~3万年前まで遡ることができます。
人類最古の絵画として知られているショーヴェ洞窟壁画にケブカサイ(すでに絶滅したサイ)が描かれているほどですよ。
近年では、「工芸品」「漢方」「伝統医学の材料」のためのツノの密猟や食糧としての狩猟によって生息数は減少し絶滅の危機に瀕しています。
現在生存している5種類のサイは全て絶滅の危機にあり、中でも「ジャワサイ」「クロサイ」「スマトラサイ」の3種は絶滅危惧種に指定されていますよ。
サイの大きさや特徴は?
サイの大きさ | 体長: 2.4~4m |
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体重: 700~3500kg | |
サイの特徴 | ツノ(1~2本) |
厚くて硬い皮膚 | |
灰色or褐色の体色 | |
寿命 | 飼育下: 35~50年 |
野生下:25~40年 |
大型哺乳類であるサイの大きさは、体長2.4~4m・体重700~3500kgほどです。
サイの中で最も大きいのは「シロサイ」で体長3.5~4.2m・体重3500kg、過去には体重4500kg程の個体も発見されていますよ。
「クロサイ」は体長3~4m・体重1500~2200kgで、「インドサイ」は体長3.6~4m・体重2100kg、「ジャワサイ」は体長は3m・体重は900~1400kg程度です。
「スマトラサイ」はサイの仲間の中では最も体が小さく、体長2.4~3.2m、尾長35~70cm、体重は700~800kg程度ですよ。
サイの特徴
サイの厚くて硬い皮膚には、体毛が生えていません。
体色は、灰色・褐色(黒みがかった茶色)ですよ。土色っぽく見えるのは、泥遊びをしたり寝転んだりしたことによる汚れですね。
サイの特徴でもあるツノは短いもので25cm、長い個体になると1.5m程の長さにもなります。ツノは、爪と同じように角質化した皮膚なので一生伸び続けますよ。
寿命は動物園などの飼育下であれば35~50年、野生下では25~40年程度といわれています。
サイの生態は?
生態
- 夜行性
- 単独
- 植物食
サイの生態は大きく分けて「夜行性」「単独」「植物食」の3つです。
夜行性
サイは夜行性です。
夜行性ではあるのですが、視力は弱いですよ。視力が発達していない代わりに耳と鼻が優れています。ラッパのような形をしている耳を全方向(360度)に動かして、周囲の音を敏感に聞き分け自分の身を守っていますよ。
単独
サイの行動範囲は2~100平方キロメートルで、単独で生活しています。
幼サイと母サイが親子で行動していたり、子どものいない若いメスが群れを作る場合などもありますが、基本的には単独行動ですよ。
植物食
サイの食性は植物食です。
主食は地面付近に生えている「草」や「葉っぱ」などですが、「樹皮」「木の枝」「果実」などを食べることもありますよ。
なかなか減らない密猟
近年、サイの密猟が急増しています。密猟によって多くのサイが絶滅し、5種類のみになってしまいました。
サイのツノを漢方薬(科学的な根拠はない)として重宝している国があり、それらの国に売るためにサイの密猟が横行しているのです。
現在では密猟を防ぐ為に様々な試みが行われていますが、いつサイが絶滅してもおかしくありません。国家レベルでの取り組みだけでなく、我々個人が野生動物との共存について考え直す必要がありますよ。