初心者向きといわれるコクワガタの飼育。
いざ育ててみようと思っても、幼虫から育てて上手くサナギになるのか、ちゃんと羽化してくれるのか不安になってしまいますよね。
この記事では、コクワガタの幼虫を飼育する方法についてまとめました。
コクワガタの幼虫を手に入れる方法は?
幼虫を手に入れる
- 購入する
- 採集する
- 卵を産ませる
購入する
コクワガタの幼虫は、クワガタやカブトムシの専門店・昆虫ショップ・ホームセンターなどで購入できます。実物を直接見ることはできませんが、ネット通販でも購入できますよ。
価格は数百円ほどです。ただ、ヤクシマコクワ・ハチジョウコクワガタ・トクノシマコクワガタといった種類は、500~1,000円ほどとやや高額になりますよ。
採集する
コクワガタのメスは5~9月に広葉樹の朽ち木に産卵をします。
広葉樹のある雑木林や山林で朽ち木を探して、中にいる幼虫を探す方法を「朽ち木割り採集」と呼びますよ。
卵を産ませる
コクワガタは、成熟したオスとメスを同じケースに入れておくとペアリング(交尾)してくれることが多いです。
産卵木などの産卵セットを用意すればメスは卵を産んでくれます。産卵木から幼虫を取り出すまでには1.5~2ヶ月ほどかかります。
コクワガタの幼虫飼育、必要なグッズは?
飼育方法
- 菌糸ビン
- マット
コクワガタの幼虫を飼育する方法は大きく分けて「菌糸瓶での飼育」と「マットでの飼育」の2つがあります。
菌糸ビンで育てる方法は?
必要なもの
- 菌糸ビン
- スプーン
菌糸ビンとは、細かく砕いた広葉樹にキノコ菌を植えたもので、幼虫が食べる餌となります。幼虫は朽ち木を食べて大きくなるので、飼育下では菌糸ビンが朽ち木の代わりになるのです。
幼虫を菌糸ビンに投入したら、2~3ヶ月を目安に交換します。ビンの側面から食痕(しょっこん)が多く見え、その食痕が茶色くなっていることが交換のサインとなりますよ。初齢(1齢)から菌糸ビンに投入した場合、ビンは3本ほど必要となります。
幼虫を移すときにはスプーンを使います。手で触ると雑菌が入ってしまい、幼虫に悪影響を及ぼす青カビが生えてしまうからです。幼虫が見えない時には傷つけないよう慎重に取り出してくださいね。
マットで育てる方法
必要なもの
- 飼育容器
- 発酵マット
- スプーン
発酵マットとは、オガクズやキノコ栽培に使った菌床を、幼虫の餌になるよう発酵させたものです。
発酵マットを1000㏄ほどのビンに入れて幼虫が入る穴を開けたら、スプーンを使って穴に幼虫をそっと移し替えるようにします。菌糸ビンと違い食痕がわかりにくいので、3ヵ月経ったら交換してくださいね。
コクワガタの幼虫飼育、注意事項は?
注意事項
- 温度管理
- 単独飼育
温度管理
適温
- 20~25℃
菌糸ビンで幼虫を育てる場合、20~25℃が適切な温度となります。菌糸瓶には使用限界温度があるので、日光が当たらず1日の温度変化が少ない場所に置くようにしてください。高温になると中の菌糸が黒く変色してしまうので注意が必要です。
発酵マットを使用する場合も、20~25℃が適切な温度ですよ。菌糸ビンと同じく、日光が当たらず、温度変化の少ない場所に置いてくださいね。
単独飼育
幼虫を育てるには「単独飼育」と「多頭飼育」がありますね。「単独飼育」で幼虫を育てると、大型になりやすいとされますよ。また、幼虫の成長に合わせて餌を交換できる、オス・メスの羽化ズレ対策がしやすいなどのメリットがあります。
コクワガタの幼虫飼育、さなぎになったら
幼虫がさなぎになることを蛹化(ようか)と呼びます。初齢(2~3週間)・2齢(3~4週間)・3齢(6~8ヶ月)と幼虫で過ごした後にさなぎになりますね。
さなぎになると、菌糸ビンやマットを入れたビンに「蛹室(ようしつ)」が見えます。「蛹室」がうまく作れていない場合には「人口蛹室」に移しますよ。「人口蛹室」は、ティッシュやスポンジで作ります。さなぎの時期は衝撃に弱いのでビンの扱いには注意してくださいね。
コクワガタの幼虫飼育、羽化したら
さなぎになってから、2~4週間ほどで羽化して成虫になります。
羽化後しばらくは動きませんし餌も食べませんが、心配はいりません。自分で動き回るようになるまでは、静かに見守ってくださいね。
羽化する喜び!
少しずつ成長する幼虫をビン越しに見ているのは嬉しいものです。
お世話は少し手間かもしれませんが、その分、羽化して成虫になった時の喜びは大きいですよ。