場所によってはコクワガタはカブトムシ以上に生息していて、身近な昆虫といえますね。日中は木のすき間などで休んでいますが、夜になると元気に動き回ります。比較的簡単に捕まえることができるので、興味のある方も多いです。
今回の記事では、コクワガタの捕まえ方に関する情報をまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
この記事でまとめたこと
コクワガタの生息地は?どこにいるの?

コクワガタの生息地は?
生息地
- 雑木林・山地
コクワガタは日本各地の木々の生い茂った「雑木林」や「山地」が生息地です。
コクワガタの餌は樹液なので、甘い樹液の出やすいクヌギ・コナラ・ヤナギ・ニレなどの「広葉樹」にいることが多いですね。
ちなみに、建材として使われることの多い針葉樹は、虫の嫌がるニオイがするので、コクワガタはもちろんほかのクワガタやカブトムシも近寄りませんよ。
クヌギ

クヌギは暖かい地域に分布しています。
縦に深く割れた分厚い樹皮が特徴で、コナラよりもゴツゴツシした樹皮ですよ。葉は細長いだ円形で、葉の表面には毛がなく、縁がギザギザです。枝から交互に生えていますね。
クヌギの実は丸い形のどんぐりですよ。帽子の部分がもじゃもじゃしているのでわかりやすいですね。
コナラ

コナラは日本中に分布していますが、日当たりの良い場所を好みます。
縦に割れた薄い樹皮が特徴で、黒っぽいクヌギに比べて灰色がかっていますよ。葉は細長いしずく型で、縁がギザギザしています。枝から交互に生えていますね。
コナラの実は細長い形の丸い帽子をかぶったどんぐりです。
ヤナギ

ヤナギは河川敷・湿地・山地などで見かけますね。
剣のように細長い葉が特徴ですよ。葉は枝から交互に生えています。樹皮にはあまり特徴がありませんよ。目立った特徴がないので、葉の形を手掛かりに探すことになりますね。
ニレ

ニレは日本中に分布していますが、北のほうで多く見られますね。
樹皮は縦に裂けています。葉はややだ円形で、表面には微毛が生えていて、縁がギザギザです。枝から交互に生えていますね。
コクワガタが活発な時期・時間帯
時期
- 5~9月ごろ
時間帯
- 18:00~2:00
コクワガタが活発になる時期は一般的に5~9月ごろとされています。
最高気温が20度を超える日が続くと、あちらこちらで姿を見かけるようになりますよ。また、越冬した個体か、今年になって成虫になった個体かどうかでも変わってきますね。
10月初旬でも見かけることはありますが、9月を過ぎると気温が下がり樹液も出にくくなることから、姿を見かける機会も減っていきます。
コクワガタだけでなく、クワガタもカブトムシも夜行性なので暗くなってから元気に動き回りますね。活発な時間帯は、18:00~2:00くらいになります。
コクワガタの捕まえ方、準備するものや服装は?

準備するもの
必ず準備したいもの
- 虫かご
- 虫取り網
- 懐中電灯
あると便利なもの
- 虫よけスプレー
- 虫刺され薬
- 飲み物
虫かご
採取したコクワガタは、ケンカしないように1匹ずつ入れておきます。いっしょに入れておくと、ケガをして傷つくことがありますし、最悪の場合、死んでしまうこともありますよ。
中に仕切りの付いたプラスチック製のパーツケースやルアーケースなどがおすすめですね。たくさん採取しないのであれば、虫かごタイプのプラスチック製ケースでもかまいませんよ。
虫取り網
高いところにいるコクワガタを採取するために必要になりますね。100円ショップで売られているもので十分ですよ。
懐中電灯
懐中電灯はいくつか用意しておくと便利ですよ。遠くまで照らせる手持ちタイプの大きな懐中電灯・コクワガタを探す時に近くを照らせるペンライトタイプの小さい懐中電灯の2つですね。両手が空くヘッドライトもありますよ。
その他、あると便利なもの
コクワガタがいる場所には、蚊やマダニといった害虫もたくさんいます。「虫よけスプレー」で対策して、刺された時のために「虫刺され薬」も用意しておきます。
夏の屋外では熱中症にかかりやすいので、スポーツドリンクといった「飲み物」も持っていきます。山林では近くに飲み物の自動販売機がないこともあるので、忘れないでくださいね。また、飲み水ならば傷口を洗い流すこともできるので、荷物に余裕があれば持っていきたいですね。
服装
服装
- 帽子
- 手袋・軍手
- 長袖・長ズボン
- 長ぐつ
林や森には、蚊・ハチ・マダニ・ヘビ・ヒルの他に、トゲのある植物や触れるとかぶれる植物があります。身につけるものにも注意が必要ですね。
帽子・首に巻くタオル・手袋・長そで長ズボン・長靴を身につけていくことをおすすめします。帽子は熱中症対策にもなりますね。
注意点がひとつあります。黒っぽい服装はハチに攻撃されやすいので、避けたほうが良いですね。
コクワガタの捕まえ方、樹液採集

樹液採集とは、木の傷ついた箇所から流れ出す樹液に集まっているところを捕まえる方法です。
樹液採取するためには、甘酸っぱい樹液のニオイのする木を探すところから始めますよ。
コクワガタの捕まえ方、灯火採集

樹液採集よりも手軽に行えるのが灯火採集です。
まずは広葉樹林が近くにある道路を探します。夜になってから、道路沿いの外灯の下に落ちているところを拾うので簡単ですね。白や青い光の外灯がおすすめですよ。外灯の真下だけでなく、その周辺の草むらなども探してくださいね。
コクワガタの捕まえ方、トラップ採集

トラップ
- ライトトラップ
- フルーツトラップ
トラップ採取とは、樹液の出ている広葉樹が見つからない時に捕まえる方法です。ライトトラップやフルーツトラップなどがありますよ。
ライトトラップ
用意するもの
- 発電機
- 蛍光灯
- ブラックライト
- 反射板(白いシーツ)
ライトトラップは灯火採集とも呼ばれますが、ここでは必要な灯りを自分で用意して捕まえる方法として紹介します。
可能であれば明るいうちに採取場所に到着して準備をします。反射板かその代わりになる白いシーツを広げます。ポールなどがなければ、木と木の間に吊るしてくださいね。次にライトをセットします。
暗くなったら発電機を動かして明かりをつけます。すぐに色々な虫たちが飛んできますよ。
フルーツトラップ
用意するもの
- バナナ
- 砂糖
- ドライイースト
- 焼酎
フルーツトラップとは、樹液の代わりに発酵したバナナなどの果物で、虫をおびき寄せる方法です。
バナナは熟して黒い斑点が出たもの(熟している方が良い)を用意します。ぶつ切りにしたバナナに、砂糖とドライイーストを混ぜます。ビニール袋に混ぜたものと焼酎を入れて密封して、さらに振って良く混ぜます。30度くらいある場所に放置します。発酵が進むとビニール袋が膨らんでくるので、破裂しないように時々空気を抜いてくださいね。甘酸っぱい発行臭がしてきたら完成ですよ。
完成したものを持って、明るいうちに採集場所に行って準備します。樹液の出ていない広葉樹に、発行させたバナナを塗りつけます。ポイントとしては、樹皮によくすりこむことですね。
コクワガタの捕まえ方、朽ち木割り採集

朽ち木割り採集とは、メスのクワガタが産卵していそうな朽ち木をナタなどで割って、中にいる幼虫を採集する方法です。
クワガタのメスは1箇所にまとめて産卵することが多いので、大量に採集できることもありますよ。
コクワガタの捕まえ方、注意事項は?

気をつけること
- ハチやムカデなどに注意
- 強風・満月・雨の日は向かない
- 自然環境を壊さない
ハチやムカデなどに注意
林や森にはたくさんの生き物が住んでいます。ハチやムカデには注意が必要ですね。
スズメバチが原因の死亡事故は、毒ヘビやクマに襲われて亡くなる数よりも多いとされます。スズメバチは動物食と思われがちですが、コクワガタと同じように樹液も餌にします。注意してくださいね。
強風・満月・雨の日は向かない
昆虫採集には避けるべきタイミングがあります。
強風の日は、コクワガタに限らず、虫たちは飛ばされないように木にしがみついていますよね。木を揺すってもなかなか落ちてきません。できれば無風の日がおすすめですね。
虫は月明りを目安に活動しています。灯火採集(ライトトラップ)は、満月を避け、できれば新月の夜に行なうと効率よく採集することができますよ。
雨の日は見通しが悪くなり、灯りも届きにくいので止めたほうが良いですね。虫たちも雨では活発に動きません。
自然環境を壊さない
昆虫採集ができるのは、自然があるからこそです。コクワガタを採りに行ってその自然を壊しては元も子もありませんよね。
フルーツトラップで使用した発酵したバナナをストッキングにぶら下げたまま放置する人、朽ち木割採集で手当たり次第に朽ち木を破壊し見つけた幼虫をそのまま放置する人が後を絶ちません。
どの行為も昆虫を始めとする自然界の生き物の未来を破壊する行動です。自分の子どもや孫の世代にも昆虫採集ができる自然を残すためにも、自然環境を守ることを心がけてくださいね。
地図にヒントが隠されている?

コクワガタは広葉樹の生えている場所で採取できますが、広葉樹林のある場所は地図でも確認することができますよ。
広葉樹林の地図記号は「〇」と「_」が組み合わさった記号です。手元に地図があったら探してみてくださいね。
コクワガタの飼育方法について詳しく知りたい方はこちら