ラクダは、哺乳類偶蹄目ラクダ科ラクダ属に分類される動物です。キリンやゾウに次いで背の高い陸上動物で、コブの先までの高さは3mに達する場合もありますよ。
この記事では、ラクダの大きさや特徴、生態についてまとめました。
この記事でまとめたこと
ラクダってどんな動物?
属目や種類は?寿命は?
ラクダは哺乳類ウシ目ラクダ科ラクダ属の動物の総称です。このうちの約90%がヒトコブラクダで残りの少数はフタコブラクダです。
ラクダの寿命は25年程度といわれています。とても長生きな動物ですよね。10歳までに歯が乳歯から永久歯に生え変わり、それ以降はすり減っていってしまいます。歯が弱っていくと、十分に餌を食べることができなくなり、寿命を全うします。
歴史
ラクダ科の祖先は、1200~2500万年前の北アメリカに存在していたと考えられています。
約200~300万年前にベーリング海峡(当時は陸続き)を渡ってユーラシア大陸へと移り、ラクダに進化したといわれていますよ。
生息地は?
ヒトコブラクダは西アジア原産のラクダでインドやイラン、アフリカ大陸に生息していますよ。フタコブラクダは中央アジア原産のラクダでトルコやイラン、モンゴルに住んでいます。
オーストラリアでも二次的に野生化したヒトコブラクダを見ることができますよ。オーストラリア大陸は砂漠が多いため人間によって持ち込まれたラクダが繁殖をしていきました。中国の山奥でも二次的に野生化したラクダの姿が見られますよ。
人間との関わり
人間とラクダの関わりは古く、ヒトコブラクダは約6000年前のアラビアで飼育されていたのではないかと考えられています。
ラクダは砂漠を通る交易に使われるパートナーであり、シルクロードのオアシスルートもラクダが存在したからこそ開拓できたルートだといわれていますよ。
交易がここまで発達したのも、食用としての需要と牛乳以上に栄養価が豊富な乳が出るラクダのおかげだともいえます。
ラクダの大きさや特徴は?
ラクダの大きさ | 体高: 1.8~2.1m |
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体長: 1.8~3.4m | |
体重: 360~690kg | |
ラクダの特徴 | キャメル色の体色 |
長い首 | |
大きなコブ | |
細くて長い足 |
ラクダはキャメル色の体色をしており、「長い首」「大きなコブ」「細くて長い足」が特徴的です。持久力や耐久力に優れているので、重い荷物を乗せて長距離を移動するときなどに重宝されていますね。
ちなみに、ラクダは「側対歩」とよばれる歩き方(右前足と右後足、左前足と左後足がペアになる)をしますよ。エネルギー効率に優れた歩き方なのですが、左右の揺れが激しいので乗っている人がラクダ酔いになる原因にもなっています。
ラクダの大きさは?
ラクダの大きさは体高1.8~2.1m、オスが体長2.2~3.4m・体重400~690kg、メスが体長1.8~2m・体重360~540kgほどです。
生態
- コブ
- 反芻
- 体温変化
ラクダの生態は大きく分けて「コブ」「反芻」「体温変化」の3つです。
ラクダの特徴 1「コブ」
ラクダの特徴といえば背中にある大きなコブですね。大きいものだと15kgにもなることがありますよ。
このコブには脂肪が詰まっており、食べ物を食べられない期間が続くと小さくなっていきます。脂肪には水素が含まれており、脂肪を燃焼させることによってわずかですが水分を得ることも出来ますよ。
ラクダの特徴 2「反芻(はんすう)」
ラクダが口をモゴモゴしている光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
これは「反芻」という動作をしているためで、食べた物を胃から吐き出してもう一度口の中で咀嚼(かみ砕くこと)しているのです。
ちなみに、反芻を行うウシやヤギは胃が4つに分かれていますが、ラクダの胃は第3と第4の区別がほとんどないという特徴がありますよ。
ラクダの特徴 3「体温変化」
ラクダの体温は36℃前後ですが、外気温に合わせて体温を34~42℃まで自由に変化させることができます。
外気温との体温の差を減らす事で、水分の消費を抑えていますよ。
人間を含めた多くの動物は体内に毒素が溜まると死んでしまいますが、ラクダは特殊な腎臓機能を持っているので尿をリサイクルしています。尿の濃度は海水の2倍・血液の10倍と濃く、排出される尿の量も1日で1ℓ程とかなり少ないですよ。
ラクダの鳴き声は?
ラクダはウシとヒツジを混ぜたような鳴き声をしています。「ブルブルベェェー」という感じで濁点がおおいです。声量がとても大きく叫ぶように鳴きますよ。
江戸時代に一世を風靡したラクダ!
1821年(文政4年)に船に乗って長崎に上陸したラクダ。
ラクダを使った興行は日本中で人気を博していましたが、江戸では巨大でのろまなものを「らくだ」と呼ぶことが流行したほどのフィーバーが起こったという記録が残っていますよ。
歌川国安が、両国の見世物小屋に来たラクダを絵にして残しています。気になる方は「駱駝之図」を見てみてくださいね。