ペットの鳥としてポピュラーなオカメインコは、インコではなくオウムの仲間です。
オカメインコという名前は、頬のチークが「おかめの面」に似ていることに由来しています。
この記事では、オカメインコの性格や特徴、寿命、鳴き声をまとめました。
目次
- 1 オカメインコの歴史は?
- 2 オカメインコの性格は?
- 3 オカメインコの特徴は?
- 4 オカメインコのオスとメスの見分け方は?
- 5 オカメインコの種類は?
- 6 オカメインコの鳴き声は?
- 7 オカメインコの成長過程は?
- 8 オカメインコを飼うために必要なものは?
- 9 オカメインコの飼い方は?
- 10 オカメインコの飼い方の注意点は?
- 11 オカメインコはしつけができる?方法は?
- 12 オメガパニックの対処法は?
- 13 オカメインコの寿命は?
- 14 オカメインコの気をつけたい病気は?
- 15 オカメインコの値段は?
- 16 オカメインコを購入するときの注意点
- 17 オカメインコの販売はブリーダー?
- 18 オカメインコの里親は?
- 19 言葉を覚えさせたいならオスがおすすめ!
オカメインコの歴史は?
オカメインコがペットとして飼われるようになったのは、およそ200年ほど前になります。
もともとオーストラリアの内陸部で群れを作って生息していたオカメインコをイギリス人が本国に持ち帰ったことによってペットとしての飼育が始まりました。
日本には明治末期の1910年代に輸入されたものの、色合いが地味であったことからあまり普及しませんでしたが、近年になって様々な品種が開発されたことで人気が出てペットショップなどでも入手できるようになりました。
“インコ”と名前がついていますが、オウムの仲間で最も小さいオウムでもあります。
オカメインコの性格は?
性格
- 穏やか
- 繊細
- 寂しがり
- なつきやすい
穏やか
オカメインコは穏やかなので、飼い主さんにそっと寄り添うなど心が和むしぐさを見せてくれることが多いですね。セキセイインコやジュウシマツとも一緒に飼うことができます。
ただ、おとなしい性格ゆえにストレスが溜まりやすいので、他の種類の鳥と一緒に飼うときは虐められていないかも注意してあげてくださいね。
繊細
デリケートな性格をしているので、地震や大きな音がすると「オカメパニック」を起こすことがあります。驚いてケージの中で暴れたり、外に出している時は壁や家具にぶつかってしまうこともあります。
「オカメパニック」を放置しておくとケガをして出血したり骨折することもあるので、パニックになったら優しく声をかけてあげてくださいね。
寂しがり
オカメインコは寂しがりやの一面もあります。
集団で生活する習性があるので、1羽だけで飼育すると寂しさから大きな声で鳴くといった問題行動をとることも。
ストレスを感じさせないように2羽以上での飼育がおすすめです。もし、1羽しか飼えないときは長時間の留守番にならないように気をつけてあげてくださいね。
なつきやすい
普段から積極的なスキンシップを心がけてあげると、懐きやすくなります。
オスとメスで性格が違う
オカメインコはオスとメスで性格が異なります。
一般的には、オスは活動的でよく喋る性格。メスは穏やかでおとなしい個体が多いとされています。
オカメインコの特徴は?
大きさ | 35cm |
---|---|
50~90g | |
外見の特徴 | 頬のチーク |
冠羽 | |
全長の半分を占めるしっぽ | |
羽の色 | 多種多様 |
オカメインコの大きさは全長35cm、体重50~90gほどです。「頬のチーク」「冠羽」「全長の半分を占めるしっぽ」が特徴的ですね。
頬のチークは「チークパッチ」と呼ばれ、オレンジ色や赤色をしています。頭部にある冠羽は犬のしっぽのように感情を表現しており、冠羽が寝ている状態で口を閉じているときはリラックスしています。
冠羽が寝ていて、左右に揺れているとストレスを感じているサインです。
オカメインコのオスとメスの見分け方は?
オスとメスの見分け方
- 外見
- 仕草
- 遺伝表による判断
オカメインコのオスとメスの見分け方としては、「外見」や「仕草」「遺伝の組み合わせ表」などがあります。
ただ、素人が見極めるのは難しく、生後間もない雛の場合は専門家であっても困難とされています。
主なカラーの判断基準は以下のとおりです。
ノーマル
オスは顔が黄色くなりますが、メスはヒナの時から顔の色は変化しません。
パール
オスは成熟するとパール模様が消えます※1が、メスは成熟後もパール模様が残ります。
パイド
外見での判別は困難なため、行動や遺伝情報で調べる。
シナモン
オスは顔が黄色くなりますが、メスはヒナの時から顔の色は変化しません。
オカメインコの種類は?
オカメインコのカラーは多種多様で、「顔の色」「体の色」「体の模様」の組み合わせで種類が決まっています。
ノーマルグレー
原種のカラーで、体色は明るいグレーで翼の先や首まわりはホワイト。顔と冠羽は薄いレモンイエローで、頬のチークはオレンジ色なのが特徴的です。
ルチノー
「ルチノー」は白オカメインコとも呼ばれます。体色は「クリーム色」から「レモンイエロー」ですが、色の強弱は個体差があります。
ホワイトフェイス
「ホワイトフェイス」は黄色の色素を持たない個体で、頬のチークがありません。
体色は「グレー」で、顔と翼の一部が「ホワイト」になっています。落ち着いたカラーで人気があります。
パール
1967年に、西ドイツでブリードされた個体です。
「レセッシヴ(性染色体劣性遺伝子)」のため、クリーム色の発色が細やかに立つ波のような模様を生み出しています。
原種に比べると、リポクローム色素が全体的に強く現れているというのが特徴的。
パイド
1949年にアメリカのカリフォルニア州で初めて発見された個体です。
レセッシヴのため、身体の様々な部分にクリーム色の発色がまだら模様としてあらわれます。
色の抜け具合によって、様々な呼称があります。
シナモン
灰色に赤灰色が混ざったパーグルグレーをしています。
幼鳥の頃はブドウ色の目をしていますが、成鳥になると黒目に変化します。
パステルフェイス
頬にある丸い斑紋がノーマルよりも薄く、黄色みがかっているという特徴があります。
ファロー
シナモンの色合いを淡くしたような体色をしています。
赤目の品種なので、成鳥になっても赤目のままという特徴があります。
エメラルド
1980年代後期のアメリカで誕生した種類です。別名、エメラルドともよばれます。
淡色のグレーと黄色が混ざった淡いオリーブのような色調をしています。
背翼部分に現れる「スパングル」と呼ばれる色の濃淡は、パイドのような斑模様ではなく、独特なもやっとした形をしています。
オカメインコの鳴き声は?
オカメインコは「ピッピピー」「ピィ」「フィ」と鳴きます。
飼い主さんを呼んだり、気をひいたりする時には大きな声を出します。
餌がないサイン
オカメインコがピーと高く小さな声で鳴いている場合、餌がなくなったことを訴えていることも。
1日ごはんをを食べなかっただけで命に関わるので、ケージ内に十分なごはんがストックされているか毎日確認してください。
恐怖を感じている
オカメインコはとても臆病。室内外で大きな音がすると危険が迫っていると感じ、恐怖を感じていることもあり、飼い主さんに知らせるために大きな声で鳴きます。
掃除機の音、サイレンの音、大型の車が通りすぎる音、工事の音など大きな音が苦手です。
オカメインコの成長過程は?
産卵
春と秋にオスとメスが共同で巣を作り、メスが巣に産卵します。基本的には1日おきに、ウズラの卵より一回り小さい白色の卵を4~7個ほど生みます。
餌を摂るために巣から離れることもありますが、昼はオス、夜はメスが抱卵します。
栗玉などの栄養価の高いものを与えると発情してしまい交尾をしてしまうこともあります。抱卵中は栄養価の高いものを与えないようにしてくださいね。
孵化
抱卵してから18~21日程度で孵化します。孵化したばかりのヒナはおよそ4gです。
基本的に孵化は朝方に行われ、毎日もしくは1日おきに孵化します。
生後3週間
孵化したばかりの頃は「チッチッチッチ」、生後10日程度で「ジャー、ジャー」と鳴きながら餌をねだるようになります。
親鳥は餌を食べて巣箱に戻り、雛に餌を戻して口移しで餌を与えます。
もし、オカメインコを手乗りとして育てたいのであれば、生後18~21日頃に巣箱から取り出して人の手で挿し餌をすることをおすすめします。
生後数ヶ月
親鳥が育てた場合は、生後6週間前後に巣立ちをします。
挿し餌で育てる場合は、野生と同じように2か月半頃までには自分で餌を摂れるようにする必要があります。
挿し餌の期間が長いとそ嚢の中にカビが生えることもあるので、病気にならないように気をつけてあげてください。
成鳥
生後半年ほど経つと雄の顔の羽の色が黄色になるため、雌と雄の区別が容易になります。
人間の18歳前後に相当する1歳前後になると、繁殖も可能になります。
オカメインコを飼うために必要なものは?
必要なもの
- ケージ
- 止まり木
- 水入れとエサ入れ
- 保湿器具
- ライト
ケージ
オカメインコに適したケージのサイズは、羽をいっぱいに伸ばしても余裕のある広さが理想的です。
オカメインコの成鳥は体長35cm程度のため、幅が45cm以上、高さは50cm以上あれば問題ありません。
材質は錆びにくいステンレス製がおすすめ。壁面を伝って歩けるよう網状になっているケージが良いでしょう。
ケージ購入時に止まり木、エサ入れ、水入れが付属しているので、こだわりがなければ別途購入する必要はありません。
保温器具
ケージ内を温めるためにヒーターを用意しましょう。ケージの外側に設置するもの、内側に設置するもの、止まり木が付属しているものなど種類はさまざま。
ケージ内の温度が一定になったらヒーターが停止するサーモスタッドという器具があると、安心してヒーターが利用できるかもしれません。
太陽光ライト
オカメインコをはじめとするインコやオウムは、日光浴をすることでビタミンD3を体内で合成します。
カルシウムの吸収に必要な成分ですが、生活環境によって日光浴ができない場合に太陽光(紫外線)ライトを活用します。
1日数回日光浴させられるのであれば、非常時用に購入しておくと良いでしょう。
オカメインコの飼い方は?
飼育環境
部屋が静かすぎると、オカメインコがちょっとした物音で錯乱状態になることがあります。
大きな音がする部屋は厳禁ですが、ストレスにならない程度の物音には慣れさせておくことがオカメパニックの対策につながります。
食事
シード食とオカメインコ用のペレット食をメインに与えます。
栄養が偏らないように、副食や青菜なども食べさせることが大切です。
人間の食べ物を欲しがることもありますが、病気の原因となるため与えてはいけません。
睡眠
10~12時間を目安に、規則正しく生活させるようにしてください。
遊び
毎日一時間ほど、放鳥時間に部屋の中で遊ばせてあげてください。
温度管理
オカメインコはほかのインコと比べて、暑さや寒さに弱いです。
1歳までは特に注意が必要で、夏場はエアコンを活用する、冬場はペットヒーターを使うなどして快適な温度を心がけてあげてくださいね。
オカメインコの飼い方の注意点は?
粉綿羽
脂粉とは、フケのような白い粉を指します。粉綿羽は先端が伸びて崩れて粉になる羽で、一生伸び続ける言われています。
この粉がケージ、部屋の中に散らばるため、気になる方や毎日掃除をできないのであれば飼育に適していないといえます。
エサ
オカメインコをはじめとした外来種の鳥は犬や猫と比べてペットとしての歴史も浅いです。
他の鳥類の飼育法を準用したものも多いので、誤情報やあやふやな情報も少なくないです。
新しい餌や青菜などを与える場合は、できるだけ多くのウェブサイトや書籍で確認したり、鳥についての知識がある獣医師に相談することが大切です。
炊いたご飯や加工食品類は素嚢炎(そのうえん)になる可能性があるので、与えないようにしてくださいね。
寂しがりや
野生では集団で暮らしているので、一羽だと不安がり飼い主を呼ぶために鳴き叫ぶことがあります。
複数飼いが最適ですが、単体で飼育する場合はオカメインコが寂しくならないように環境を整える必要があります。
急な温度変化
ペットショップから迎え入れたら、急激に環境が変わらないように注意します。
食べているエサや室内の温度などを販売店に確認しておくことが大切です。変更する場合は時間をかけながら徐々に変更するようにしてくださいね。
また、コミュニケーションを取る場合は、急がずゆっくりと優しく声をかけながら触れ合うようにします。オカメインコは緊張すると冠羽が立つので、心理状態を知るときの参考にしてくださいね。
オカメインコはしつけができる?方法は?
暴力しない
臆病な性格をしているので、怒鳴るなどの行為は厳禁です。
また、軽くであっても暴力的なことをすると信頼関係が一気に失われます。絶対にやめてください。
たくさん褒める
良いことをした時は、大げさなくらい褒めるようにします。
悪いことをしたらフッと息を吹きかけて10秒ほど睨むようにすれば十分ですが、そのあとは優しく接してあげてくださいね。
臆病な性格を理解する
人の手に擦り寄ってスキンシップを求めるなど可愛らしい面が多いですが、本来は臆病な性格をしていることを忘れてはいけません。
オメガパニック
臆病な性格をしているので、ちょっとした恐怖から錯乱状態になるケースも多いです。
錯乱状態のことを「オカメパニック」と呼びますが、鳥かごの中で出血し骨を痛める程のパニック状態になる場合もあるため注意が必要です。
オメガパニックの対処法は?
パニックになる場面は、「他のペットがケージの中に侵入しようとしている」「夜間の騒音」「車のハイビームなどの強烈な光の刺激」「飼い主さんに相手にしてもらえない時」「窓の外に犬や猫がいる」など個体によって様々です。
パニックはオカメインコが不安や恐怖を感じなくなるまで続くので、ケージをバスタオルなどで覆い安全な場所に移動させる、インコと触れ合う時間を増やすなど原因に照らし合わせて最適な対処をしてあげてください。
オカメインコの寿命は?
寿命
- 15~25年
オカメインコの寿命は15~25年です。
長生きする鳥なので、成鳥になるまでに1年ほど、繁殖できるのも生後1年以上かかります。36年生きたオカメインコもいます。
ギネス記録
ギネス記録は32歳※1で、アメリカのニューメキシコ州に住んでいる飼い主さんのもとで暮らしていたサンシャインです。
オカメインコの気をつけたい病気は?
風邪
体力が低下している時に、病原菌に感染して発症することが多いです。
初期症状は「くしゃみ」や「鼻水」などですが、悪化すると止まり木から降りて目を閉じうずくまるなどの行動をとります。
そ嚢炎
ヒナの時に発症することが多い病気です。
低温の場所に長時間居たことによる体の冷えが原因で発症し、嘔吐物が増え酷い匂いを発症するようになります。
抗生物質、抗真菌剤、ビタミン剤の投与などで治療しますが、悪化した場合は切開手術をしなければならない時もあります。
毛引き症
ストレスが原因となって、自分の羽を抜いてしまう病気です。
癖になってしまうと長期にわたる治療が必要となるため、見つけたら早期に獣医さんのもとで診察をうけるようにしてくださいね。
鼻眼結膜炎
目の症状を放置していると、目が白っぽくなり失明することもあります。
「目ヤニ」「涙目」「くしゃみ」「生あくび」などが主な症状ですが、喉の奥に塊ができることでイビキをかくようにもなります。
腸炎
感染によって発症、水溶性の下痢と嘔吐が主な症状としてあらわれます。
汚れたケージは様々な病原菌の温床になるため、毎日ケージが汚れていないかチェックするようにしてくださいね。
オカメインコの値段は?
オカメインコの値段
- ノーマル:1~1.5万円
- ルチノー:1.5~2万円
- ホワイトフェイス:2.5~4万円
- パール:2~3万円
- シナモン:1.5~2.5万円
- パイド:3万円~
- エメラルド:2.5~3万円
オカメインコは、1~3万円前後で販売されていることが多いです。
主な入手先はペットショップやブリーダーさんですが、ペットショップでの販売価格のほうが高い傾向があります。
値段の違い
値段に違いが生まれる理由としては、安全性の違いが価格に反映していると考えられます。
国内で繁殖されたオカメインコは、海外から輸入される個体と比べて安全性が高いことから値段が多少高めになっているのです。
オカメインコを購入するときの注意点
輸入されたインコは安価な値段で取引されることも多いですが、長旅の影響で健康を崩していることもあります。
輸入されたオカメインコを購入する場合は、必ず生産地を確認するようにしてくださいね。
オカメインコの販売はブリーダー?
一概には言えませんが、ブリーダー経由で購入する場合はペットショップよりも安い価格で入手することができます。
ノーマルだと5,000~10,000円で購入できることも多く、希望のカラーを仕入れることが出来る可能性が高いというメリットがあります。
ただ、海外から輸入している影響か、病気だったり弱っている子も多いので、しっかりとチェックすることが大切です。
オカメインコの里親は?
オカメインコは、里親に出されていることも多いです。
ただ、成鳥の場合は環境の変化にストレスを感じ早死にしてしまう個体もいるので、年齢確認を行うことをおすすめします。半年以内~1歳前後のオカメインコがおすすめです。
無料で入手できるからなどの安易な理由で引き取るのではなく、最後まできちんと面倒を見ることが出来るのかをしっかりと考えた上で引き取るようにしてくださいね。
言葉を覚えさせたいならオスがおすすめ!
オカメインコは人間の言葉をなかなか覚えないといわれていますが、オスはメスに比べておしゃべり好きな子が多いですね。
単語であれば少し覚えることができるので、言葉を覚えさせたいならオスの飼育がおすすめです。