1人暮らしでも飼えるペットとして人気のハムスターですが、寿命は2~3年と短い動物です。少しでも健康で長生きしてもらうためも、毎日の健康チェックは欠かせません。
今回の記事ではハムスターの健康をチェックする方法をまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
ハムスターの各部位から健康を確認する
各部位を確認する
- 目ヤニや涙が出ていないか
- 耳が汚れていたりイヤなニオイがしないか
- 鼻水が出ていないか
- 歯が折れてないか、伸びすぎていないか
- 爪が伸びすぎてないか
- しっぽが濡れてないか
- 毛艶が悪くなってないか
- 口やお腹に傷や腫れがないか
ハムスターに1日でも長く健康で過ごしてもらうには、病気やケガの早期発見と早期治療が大切です。治る可能性も高くなりますし、治療による体への負担も軽くなりますよ。
目ヤニや涙が出ていないか
「目ヤニ」や「涙」が出ている場合、結膜炎や角膜炎が疑われます。
「赤い目」は皮膚炎、「白い目」は白内障が疑われますよ。他にも、「眼球の飛び出しや変形」「まぶたの腫れやデキモノ」といった異常も併せてチェックしてください。
ハムスターは眼球に「ゴミ」がついていても、気にならないので自分で取ることはありません。床材や寝床にわらを多く使っている場合は、目にゴミが付いていないかも小まめにチェックするようにしてくださいね。
耳が汚れていたりイヤなニオイがしないか
耳の中の「汚れ」「膿(うみ)」「ニオイ」をチェックします。
一つでも当てはまる場合、外耳炎などの耳の病気が疑われますよ。
併せて、耳のまわりの「赤み」もチェックします。耳の後ろの赤みは見つけにくいですが、皮膚炎の可能性があるので小まめに確認するようにしてくださいね。
鼻水が出ていないか
「鼻水」や、鼻の下に「炎症」が見られると、風邪・鼻炎・呼吸器の感染症などが疑われます。
ハムスターは鼻呼吸をするので、「鼻呼吸が荒い」「鼻呼吸をせずに口呼吸をしている」かなども忘れずにチェックしてくださいね。
歯が折れてないか、伸びすぎていないか
歯の「欠け」や、歯の「伸びすぎ」をチェックします。
金網などをかじるくせのあるハムスターは、歯が折れたり欠けることがありますよ。
ハムスターは固い餌を食べていれば自然に歯はすり減りますが、やわらかい餌ばかり与えていると歯が伸びすぎてしまいます。
爪が伸びすぎてないか
歯と同じで、爪も縄張りチェックをするために歩き回っていれば、自然にすり減ります。
しかし、ペットとして飼われているハムスターは爪がすり減りにくいので、「爪の伸び具合」のチェックが欠かせません。
爪が伸びすぎると、引っかかって転倒したりしてケガをすることがありますよ。
しっぽが濡れてないか
お尻やしっぽの周りは「汚れ」や「ニオイ」をチェックします。
健康であればしっぽの周りが汚れることはありませんが、ウェットテイル(下痢症)になると水のような便になるので常にお尻の周り(しっぽ)が濡れています。
毛艶が悪くなってないか
毛並みの「ツヤ」だけでなく、「薄毛」や「脱毛」「フケ」などもチェックしてください。
ひとつでも当てはまると、「皮膚炎」「膿皮症」「ニキビダニ症」などが疑われますよ。
ハムスターは生後1年6ヶ月で高齢期に入りますが、年齢的な理由で毛並みが悪くなることもあります。心配な場合は病院で相談してくださいね。
口やお腹に傷や腫れがないか
口から「ニオイ」「血」「ウミ」「ヨダレ」が出ていないかチェックします。
当てはまる場合は口腔内の病気、歯ぐきや舌が白いと心臓病などの内臓の病気が疑われます。
ほっぺやお腹に「傷」「腫れ」「痛み」がある場合は、炎症・膿瘍(のうよう)・内臓の病気が疑われます。
ちなみに、やわらかい餌や粘着性のある餌を与えていると、ほお袋の内側にくっついて腫れているように見えることがあります。「片方のほお袋だけふくらんだまま」の時は内側にくっついて取れなくなっている状態ですよ。
ハムスターの行動から健康を確認する
行動を確認する
- 食欲があるか
- 歩き方に異常はないか
- 動きが鈍くないか
- 黒いポロポロしたウンチをしているか
- オシッコに異常はないか
食欲があるか
食欲がない時は、歯が欠けている・ほお袋の異常・毛球症などの疑いがあります。
初期の頃は症状がほとんどなく元気に見えますが、安心せずに病院で診てもらうようにしてくださいね。
ちなみに、毛球症とは毛づくろいをした時に自分の毛を飲みこんでしまい胃の中で毛玉になっている状態です。食欲不振以外に、下痢などの症状も見られますよ。
歩き方に異常はないか
歩き方に異常が見られる場合、運動不足による「爪の湾曲(わんきょく)」、打撲やねんざによる「手足の腫れ」、骨折による「手足の不自然な曲がり」などが考えられます。
背骨を骨折している場合は、手足を伸ばした歩き方をするようになるので早急に病院で診てもらってください。
動きが鈍くないか
暑かったり寒かったりと室内の温度が適切でない場合は、「動きが鈍い」状態になります。
高齢期になっているにも関わらず、若い頃と同じ室温のままにしている場合に見られますよ。
また、若い時でも暑すぎたり寒すぎたりすると、熱中症や疑似冬眠になるため動きが鈍くなることがあります。
黒いポロポロしたウンチをしているか
ケージのそうじをするときには「ウンチの状態」を欠かさずにチェックしてください。
健康なウンチは茶色や黒っぽい茶色でポロポロしており、ニオイも少ないですよ。黄色・緑色・赤色・真っ黒のウンチは、消化器官の病気・膀胱の病気・生殖器官の病気などが疑われます。
ハムスターのウンチは時間がたつと乾燥して固くなりますが時間がたっても柔らかいウンチは腸内環境の悪化、水のようなウンチは下痢が疑われますよ。下痢で脱水症状を起こすと命に関わるので、早急に病院へ行くようにしてくださいね。
オシッコに異常はないか
ウンチの状態と合わせて「オシッコの状態」もチェックします。
健康なハムスターのオシッコは、種類にもよりますが透明から白っぽい色をしていますよ。黄色・茶色・赤色のオシッコは、消化器官の病気・膀胱の病気などが疑われます。
また、給水器の水を入れ替える時に「水の減り具合」も忘れずにチェックしてください。
健康なハムスターは1日に体重の10~15%の水を飲みますが、給水器の水の量がたくさん減っている日が何日も続くようであれば腎臓の病気が疑われます。
ハムスターの体重から健康を確認する
ハムスターは体調不良を隠したがりますが、小まめに体重をチェックすることで病気やケガを早い段階で発見することができますよ。
生後20週間までのハムスターは体重が増え続けますが、この期間に体重が増えない場合は病気の疑いがあります。逆に、生後20週間を過ぎても体重が増え続ける場合は病気やストレス・運動不足による肥満が考えられます。
また、ハムスターは冬になって寒くなると餌をたくさん食べる習性があるので、寒くなっても痩せていると病気が疑われます。
体重測定は、1日1回(週に1度)・決まった時間に行うようにしてくださいね。デジタル式の量りを用意すると正確に量れますよ。
ハムスターの健康状態をしっかりと把握しよう!
ハムスターは敵に弱っているところを見せまいと、体調が悪くても隠そうとします。
まずはハムスターと信頼関係を築き、ハムスターが手の平に自ら乗ってくれるようになってください。
手の平に乗せれば、飼い主さんはより間近で体調の良し悪しを観察することができますよ。