ハムスターは、犬猫に並びペットとして人気があります。一人暮らしやマンションでも気軽に飼えることがハムスターの特権でもありますよ。
ハムスターの詳しい歴史やどんな動物なのか、野生ではどんな暮らしをしている動物なのかを知っておくと、よりペットとしての飼育が楽しくなりますよ。
この記事では、ハムスターの体の大きさや起源、繁殖などの特徴ついてまとめました。
ハムスターの起源・歴史は?
ハムスターは、げっ歯目キヌゲネズミ亜種に属した全24種の総称です。
「げっ歯類」はネズミの仲間のことで、現在哺乳類で最も繁栄しているグループのことを指していますよ。
ハムスターの起源と歴史
ハムスターは、およそ600万年前には他のネズミ科から種分化していたとされており、ヨーロッパから中国までのユーラシア大陸に広く分布していました。
1797年のヨーロッパで出版された医学本に人間の歴史上初めてハムスターが登場しました。頬袋に餌を溜める生態に驚いたという内容でしたよ。
1930年に繁殖に成功、イギリスでペットとして人気が出た後、日本には歯の研究用として1939年頃に渡ってきました。
ハムスターの仲間は?
ハムスターの仲間もいっぱいいる
ハムスターが属しているげっ歯目は、約4500種類いるとされる哺乳類の中で2000種を占めています。
ペットとして飼育されている種類は、ゴールデンハムスターやドワーフハムスターのジャンガリアン、キャンベル、ロボロフスキーなどが多いですよ。
げっ歯目の分類
げっ歯目
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ヤマアラシ亜目
18科59属188種 |
テンジクネズミ科・チンチラ科など
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リス亜目
7科65属377種 |
リス科・ビーバー科など
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ネズミ亜目
5科264属1137種
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ネズミ科 | キヌゲネズミ亜科(ハムスター) | |
その他の亜科(アレチネズミ亜科など14亜科) | |||
その他の科(ヤマネ科など) |
ハムスターの分類は?
キヌゲネズミ亜科 | カンガルーハムスター属 | カンガルーハムスターなど5種 |
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クロハラハムスター属 | クロハラハムスター | |
ゴールデンハムスター属 | ゴールデンハムスター、ラッデハムスター、ニュートンハムスター、ブラントハムスター | |
キヌゲネズミ属 | チャイニーズハムスター、タビキヌゲネズミなど11種 | |
ヒメキヌゲネズミ属 | キャンベルハムスター、ジャンガリアンハムスター、ロボロフスキーハムスター |
ハムスターの体は?
代表的なハムスターの大きさは、ゴールデンハムスターが体長15~20cm・体重150g前後、ジャンガリアンハムスターが体長7~13cm・体重30~40gです。メスよりオスの方が若干大きいですよ。
四肢やしっぽが短く、餌を収容しておける頬袋を持っているのが特徴ですね。
オスとメスの見分け方
尿道口と肛門の間隔をチェックすればオスとメスを見分けることができます。
尿道口と肛門の間隔が長ければオス、尿道口と肛門の間隔が短ければメスだと判断できますよ。
子供だとわかりにくいですが、メスには尿道口と肛門の間に膣口があるのも特徴的ですね。
骨格
骨の数は人間よりも多く、背中からしっぽにかけて脊柱があります。
前足の指は第一指の跡が残っているだけで、指の骨は前足が4本、後ろ足は5本ですよ。
ちなみに、アゴの関節は外れた状態になっています。
指の数
指の数は、後ろ足が5本に対し、前足は第一指の跡が残っているものの実際は4本になっています。
後ろ足のほうが指の数が多いのは、安定感を増すためだといわれていますよ。
歯の数
ハムスターの歯の数は、16本です。
かじるための切歯が上下2本づつと、砕くための臼歯が口の奥に上下6本づつありますよ。
頬袋
頬袋は、エサを貯め込んだり巣材となるものを運んだりする時に使います。
耳の後ろにあり、前歯と奥歯の間の粘膜がヘコんで出来ています。首に沿って肩甲骨まで続いていますよ。
視力
ハムスターは近視なので、物体を立体的に認識することができません。
30cm離れてしまうと、よく見えなくなってしまいますよ。
嗅覚
ハムスターの嗅細胞は人間の40倍といわれており、とても優れています。
人間の匂いを嗅ぎ分けることが出来るので、飼い主さんを判断することもできますよ。
聴覚
人間の4倍の音域を聞くことが出来るほど、優れています。
飼い主さんの足音などを判断することもできますよ。
味覚
味覚を感じる器官は少ないですが、人間よりも味に敏感だとされています。
触覚
ハムスターのヒゲは感覚が発達しており、触覚やアンテナのような役割も果たします。
ヒゲを地面などにこすりつけることで、障害物などとの距離を測りながら歩きますよ。
内臓
ハムスターの小腸は大腸よりも長く、体長の2~3倍もの長さがあります。
雑食性で様々な食物を消化する必要があることから、盲腸と結腸が太く長くなっているのです。
胃は前胃と腺胃に分かれていて、腎臓は左右に一個ずつあります。
臭腺
ニオイを分泌する器官のことをいいます。
ハムスターは視力が良くないので、縄張りを示す時や自分の存在をアピールする時、繁殖期のフェロモンを出す時に使用します。
ハムスターの特徴は?
特徴
- 歯は硬く、一生伸び続ける
- 前足を上手に使う
- ほお袋に餌を入れる
- 夜行性
ハムスターの犬歯は退化していますが、切歯と呼ばれる前歯2本が一生伸び続けます。歯はとても丈夫なので、硬い木の実も割ることもできますよ。
前足を上手に使うことでも知られていますね。土を掘って巣や寝床を作ったり、器用に餌を掴んで食事をします。
最大で体の3分の1ほどの大きさになる伸縮性のあるほお袋(ひまわりの種だと10個前後入る)に、餌を入れたりもしますよ。
ハムスターは夜行性なので、日中は暗い巣の中で眠り、夜になると活発に動き出します。
飼育に適した温度
ハムスターを健康的に飼育するために最適な温度は、20~26度です。
10度を下回ったり、25度を超えたりすると命にかかわるので、エアコンなどを使って快適な温度を提供するようにしてくださいね。
ハムスターの繁殖は?
妊娠期間 | 2週間~1ヶ月 |
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産子数 | 7~10匹 |
授乳期間 | 1週間未満 |
離乳期間 | 生後20日ほど |
ハムスターの寿命は2~3年と短いためか、生後1~3か月で交配ができるようになります。
発情期は規則正しく、ゴールデンハムスターのメスは4日周期といわれていますよ。交尾後、2週間~1か月の妊娠期間を経て7~10匹程の子を出産します。
ハムスターの成長は早く、授乳期間は1週間もありません。生後2週間で飼い主に餌をねだるようになり、早い子だと20日ほどで離乳しますよ。
野生のハムスターはどう違う?
野生のハムスターは、ヨーロッパからアジアの乾燥地帯や草原などに生息しています。
巣穴での過ごし方
巣穴には寝床や食料貯蔵庫など用途別の部屋がたくさんあり、使い分けて生活していますよ。
夜行性なので、日中は基本的に巣穴で丸くなって寝ていることが多いですね。
餌
ハムスターの餌といえば「ひまわりの種」が有名ですが、野生下では「木の実」「穀物」「野菜」「果物」「昆虫」「幼虫」などを食べる雑食性ですよ。
行動範囲
常に食料が豊富にあるわけではないので、場合によっては数十kmもの距離を走り回ることもあります。
頬袋に餌を溜めて巣に持ち帰ってから、ゆっくりと食事しますよ。
ハムスターの儚い命
ハムスターの寿命は、ジャンガリアンで2年・ゴールデンで3年といわれています。短く儚い命ですが、正しい方法で大事に育てれば5~7年生きさせることも可能ですよ。
なるべく野生に近い環境を提供するとともに、飼育下だからこそできる健康管理や飼い主のたっぷりの愛情を怠らないことが大切です。
ハムスターにストレスを与えないように気をつけ、最期まで責任を持って大切に育ててあげてくださいね。