フェレットは体が小さいので、病気が重症化しやすいです。
言葉を話せないフェレットの代わりに、飼い主さんが病気に早く気づいてあげる必要がありますよ。
この記事では、フェレットに多い病気についてまとめました。
フェレットの部位別の病気と症状は?
病気に注意したい体の部位
- 歯
- 目
- 呼吸系
- 内臓系
- 泌尿器系
歯の病気と検査方法
フェレットがかかりやすい歯の病気は、「歯髄炎(しずいえん)」です。
「歯髄炎」は歯にできた傷が感染を起こすことで発症し、「膿」や「食欲不振」などの症状がでます。
硬いものを噛ませないなどの対策をとり、歯が折れたり傷ついたりする原因を作らないようにしてあげてくださいね。
検査方法
折れた歯の着色や歯肉の腫れ、膿が出たりする様子などから簡単に診断することが可能です。
目の病気と検査方法
フェレットがかかりやすい目の病気に「白内障」があります。
白内障は眼の水晶体の透明性が失われる病気で、重症になると目が白く濁り完全に視力を失ってしまいます。
先天性の場合や老化が主な原因ですが、ビタミンA不足が原因になる場合もあるので食生活を気をつけてあげてください。
検査方法
フェレットの目の色や、行動異常などのチェックをこまめに行なうことが大切です。
黒目の部分が白くなっていたり視覚障害に伴う行動異常が見られる場合は、早めに動物病院で診断を受けるようにしてください。
呼吸系
フェレットの呼吸器の病気には、「インフルエンザ」があります。
「鼻水」「くしゃみ」「せき」などの風邪によく似た症状がみられ、抗生剤や消炎剤などで治療をします。
ベビーや若いフェレットが感染すると死に至ることもあるので、飼い主さんは手洗いやうがいなどの対策を怠らない事が大切ですよ。
検査方法
飼い主さんなど身近な人間からの感染が大半なので、発熱があり周囲にインフルエンザにかかっている人がいる場合は感染が強く疑われます。
人用のインフルエンザ診断キットで判定することも可能ですよ。
内臓系
フェレットの内臓系の病気には、「副腎腫瘍」「インスリノーマ」などがあります。
「副腎腫瘍」は3~4歳のフェレットに起きやすい病気で、脱毛やメスの生殖器の腫れ・オスの排尿障害などが症状としてあらわれます。
外科手術による腫瘍摘出が主な治療法ですが、手術できない場合は内科治療が選択されます。
検査方法
外陰部の腫大や乳首の発赤、脱毛などの外見上の症状や触診による腫瘍の触知、超音波検査で判断します。
「インスリノーマ」は4歳以上のフェレットに多く見られる病気です。
膵臓(すいぞう)に発生したインスリノーマ(腫瘍)が原因で発症し、低血糖や泡を吹くなどの症状がみられます。
手術による摘出が一番の治療法になりますが、体の大きさなど手術に適さない場合は、内科療法が行われますよ。
検査方法
症状と血液検査から低血糖症の診断をします。血糖値が70mg/dl以下の場合は、インスリノーマが強く疑われます。
泌尿器系
フェレットの泌尿器系の病気には、「尿石症」と「エストラス」があります。
「尿石症」は、尿路に石が出来る事が原因で起こる排尿障害のことです。
尿石は尿の酸度を上げる事で対策できるので、動物性タンパク質を基本とした食生活に変えたり、新鮮な水を飲める環境づくりが大切です。
検査方法
オスの尿道は、メスに比べると細くて長いので閉塞しやすいです。
詰まってしまうと尿毒症となり数日で命を落としてしまうこともあるので、定期的に病院で尿検査を受けておくと安心ですよ。
「エストラス」は、未避妊のメスに見られる発情期特有の病気です。
避妊手術以外に対策・治療法はなく確実に死に至る病気なので、必ず避妊手術を受けさせるようにしてくださいね。
うんちからわかる病気は?
健康なフェレットのウンチは、黒いかりんとうのような形でニオイもなく、手で掴むことができるくらいの固さをしています。
フェレットが普段食べているエサによって多少の違いはありますが、いつもと違ったうんちをしている場合は何かの病気になっている可能性がありますよ。
柔らかいうんちの場合は?
いつもと違うエサに変更した場合や胃腸に合わない物を食べた場合には、やわらかいうんちが出ます。
2~3日で治ることが多いですが、長く続くようであれば病院で診察を受けるようにしてください。
黒いタール便の場合は?
黒いタール便の場合は、「胃潰瘍」「胃腸内異物」などが疑われます。
胃潰瘍は胃酸過多やストレスが原因で発症しますが、動物病院で適切な処置を施してもらえば1ヶ月ほどで回復しますよ。
異物を飲み込んで胃腸管に詰まっている場合は、手術による異物除去をしなければ死んでしまいます。病院での治療を必ず受けるようにしてくださいね。
赤黒い場合は要注意!
便が赤黒い場合は、胃腸管が出血しており急死の可能性もあるので至急病院で診察を受けるようにしてくださいね。
緑色のうんちの場合は?
緑色のうんちは、風邪をひいている時や消化不良を起こしている時、極度のストレスを感じている時によく見られます。
軽い風邪であれば2~3日ほどで回復して元のうんちの色に戻りますが、長く続くようであれば獣医さんに診察してもらってください。
また、体の抵抗力が弱くなっている時にベビーフェレットや他の動物と接触することでも、腸炎を起こし緑色のうんちになることがあります。
抗生剤を処置してもらえば回復するので、病院で診察を受けてくださいね。
またストレスを溜めない工夫も必要です。フェレットがストレスを貯めにくい遊び方やおもちゃはこちらを確認してくださいね。
血便の場合は?
強いストレスや急激な温度変化によって内臓に負担がかかり、血便になることがあります。
フェレットの腸粘膜はとてもデリケートなので剥がれやすいので、血便がみられたら獣医さんに相談するようにしてください。
フェレットの感染症・フィラリアとは
犬の病気でよく聞かれるフィラリア症ですが、フェレットにも感染します。
蚊に刺されることによって、ミクロフィラリアと呼ばれるフィラリアの幼虫が体内に入る事で発症しますよ。
フィラリアは心臓に寄生するため呼吸困難などの症状が現れますが、フェレットは心臓が小さいためフィラリアの数が少なくても重症になることが大半です。
フェレットの病気、予防接種・ワクチンは?
フェレットの予防接種
- 犬ジステンバー
- フィラリア
フェレットに受けさせておきたい予防接種は、「犬ジステンパー」「フィラリア」です。
犬ジステンバー
犬ジステンバーの予防接種は任意ですが、フェレットが感染すると致命的になることが多いです。
感染すると「くしゃみ」「咳」「鼻水」「脱水」「発熱」などのインフルエンザに似た症状を発症します。
生後1年以内に2~3回のワクチンを接種して、その後は1年ごとに1回予防接種を行うようにしてください。
フィラリア
フェレットのフィラリア対策は、月1回の投薬が基本です。
室内飼いのフェレットが感染するリスクは低いですが、感染すると命に関わるのでジステンバーのワクチンと併せて接種しておくことをおすすめします。
環境づくり
日々の観察を怠らず、異変を察知できるように心がけることが、病気の早期発見に繋がります。
普段から生活スペースを工夫する事で病気を防げるケースもありますので最適な環境を作ってあげてくださいね。フェレットの飼育環境や飼育法について詳しくはこちらをチェックしてください。