ミドリニシキヘビはその名の通りニシキヘビ科のヘビ種です。インドネシアやオーストラリアの熱帯雨林に生息しています。2mを超える大きさで鮮やかな緑の体色が特徴的ですね。別名「グリーンパイソン」とも呼ばれていますよ。
この記事ではミドリニシキヘビの種類や野生下での餌、天敵についてまとめました。
この記事でまとめたこと
ミドリニシキヘビの体色の種類は?

体色の種類
- 緑色
- 青色
- 黄色(幼体)
- 赤色(幼体)
緑色
緑色は一般的なのミドリニシキヘビの体色といえますが、実際には黄緑色に近いです。幼蛇のミドリニシキヘビの体が黄色いことに由来しています。成蛇になるにつれて体色に緑色が足されていくのです。
微かに水色のまだら模様をもつ個体もいますよ。
青色
緑色の中で青味の強いミドリニシキヘビは「ブルーコンドロ」とよばれます。以前はまとめて緑色としていたほど、緑色と青色のミドリニシキヘビの体色は近く区別しにくいです。
黄色(幼体)
前述のとおり、幼蛇のミドリニシキヘビは黄色の個体が多いです。黄色地に茶色い線があり、クリーム色のまだら模様も特徴的です。個体によってはにじんだような緑色の模様も見受けられます。
赤色(幼体)
黄色に赤色が多く混ざったような体色の幼蛇もいます。実際にはオレンジ色に近い地をしていますよ。焦げ茶色の縁取りが入ったクリーム色の模様があります。
ミドリニシキヘビの餌、野生下では何を食べている?

野生下での餌
- 昆虫類
- カエル
ミドリニシキヘビは基本的に動物食で、ミミズなどの昆虫類、小鳥を中心とした鳥類、ネズミなどの小型哺乳類などを捕食します。成蛇は特に鳥類を好み、幼蛇は主にトカゲやカエルなど小振りなサイズの餌を食べますよ。
ミドリニシキヘビは樹上からシッポを垂らし、ブラブラ揺れて獲物をおびき寄せます。
特に幼蛇はオレンジ色の体色を活かして「つる」や「花」に擬態して獲物を待ち構えますよ。獲物が寄ってきたら素早くかみついて捕食するのです。
ヘビの食事は基本的に獲物を丸のみにします。そのため狙う動物も丸のみできるサイズが多い傾向にありますね。
ミドリニシキヘビの場合、まず獲物に長く鋭い牙で咬みついてから体に巻き付きます。締め付けて弱らせていき、ゆっくりと食事をするのです。上あごと下あごが約180度開くので、自分の顔よりも大きな獲物も丸のみにできます。
ミドリニシキヘビの天敵はいる?

天敵
- ワニ
- トラ
ミドリニシキヘビは2m以上ある大きなヘビなので、他のヘビや小動物に天敵はいません。「ワニ」や「トラ」など大型の猛禽類が一番の天敵といえますよ。
鎧のようなワニの体は、ミドリニシキヘビがいくら巻きついても通用しません。トラのするどいキバも、体の長いヘビには驚異といえますよね。
一般的にはタカやワシもヘビの天敵に含まれますが、ミドリニシキヘビは体が大きいので狙われることはほとんどありません。
「収斂進化」を遂げたヘビ!

全く違う動物でも、同じ場所で共存していると姿やしぐさが似てくることがあります。これを「収斂進化(しゅうれんしんか)」といいます。
例えば「キノボリカンガルー」はカンガルーの一種ですが、樹の上で生活する独特な生態の持ち主です。猿とニューギニア島に長く共存したことで、生活の仕方やしっぽの使い方、姿形が猿と収斂進化を遂げたのだといわれています。
ミドリニシキヘビは南米に生息する「エメラルドツリーボア」と収斂進化を遂げたとされています。成長に伴う体色の明らかな変化、鋭く長い牙、樹上でとぐろを巻く独特な姿勢、樹上性の鳥類を好んで捕食するなど、両者は共通点が多いのです。