オトシンクルスは南米に広く生息しているナマズの仲間です。
吸盤状になっている口が特徴的で、水槽の内壁などにコケや表皮などを食べます。水草を食べることは少ないため、コケ取り用の魚としても人気。
そんな水槽の掃除用に飼われることの多いオトシンクルスですが、飼育を考えているのであれば水温や餌はきちんと選んであげなければなりません。
この記事では、オトシンクルスの基本的な飼い方水槽や水温、水草、餌、混泳させる魚などの注意点を詳しくまとめました。
目次
オトシンクルスってどんな魚?特徴は?
アマゾン川原産の小型ナマズです。植物性の餌を好み、水槽に生えてくるコケを良く食べることから、水槽のお掃除生体として親しまれています。
流木や岩、水草、水槽の側面などに生えるコケを食べますが、生餌も食べるなど雑食性を持ちます。弱酸性傾向の飼育水を好みます。
大きさは?寿命はどれくらい?
オトシンクルスの寿命は3年です。熱帯魚では短いほうですが、病気にはなりにくいです。
大きさは4cmで小型の魚です。個体差があり、オトシンクルスの仲間では10cmほどの大きさのものもいます。背に模様があり、側面に線があるのが特徴です。
オトシンクルスの種類は?

メジャーなものは2種類いて、オトシンクルス・ヴィッタータス(ヴェスティタス)とオトシン・ネグロが一般的です。
ヴィッタータスは並オトシンともよばれていて、スタンダートなオトシンです。
オトシンネグロは並みのオトシンよりも体が丈夫で人気があります。
オトシンクルスを飼うときに気を付けること

オトシンと長く生活していくためには、健康に気をつかってあげることが大事になります。主に3つのポイントがありますよ。
餌付けは苦戦しがち?
オトシンクルスは雑食性でコケを好んで食べてくれます。
しかしコケに慣らせてしまうと、コケ以外を食べなくなることも多いです。少しずつ人工飼料を与えて、食べるようにさせます。
水合わせはゆっくりと
オトシンクルスは飼い始め・導入時に死んでしまいやすいです。オトシンは急激な水温・水質の変化に弱いためです。
オトシンの入った袋を徐々に水槽との水と合わせてあげます。
オトシンクルスのかかりやすい病気は?
主に注意したい病気は「水カビ病」と「白点病」です。
病気が進行してしまうと死んでしまうことも考えられますが、早いうちからの治療で完治させることが可能です。
オトシンクルスの飼育、適切な水槽や水温、水質は?

水槽の環境
- 水槽:60cm
- 水温:25度
- 水質:PH5~7(弱酸性)
「水槽のサイズ」「水温」「水質」の3つに関してオトシンクルスの飼育に適した環境をまとめした。
水槽のサイズ
水槽は60cmサイズをおすすめします。小さい水槽だと水質や水温が変わりやすく管理が大変ですし、逆に大きすぎると水換えに苦労してしまいます。
水温
オトシンクルスの飼育に最適な水温は25度前後です。20度前後の水温でも生きていくことはできますが、15度を下回ると死んでしまうことがあるので注意してください。
「サーモスタットとヒーター」を用意して、時々水温が安定しているかのチェックも忘れないでくださいね。
水質
オトシンクルスの飼育に適した水質はPH5~7(弱酸性)の環境です。PHを測定する器具を用意して日々調整してあげてくださいね。
オトシンクルスは水質の変化に弱いです。水温や水質が異なる水に移すと病気やショック死につながることがあります。
水換えの際にはビニール袋に水を入れて水温を合わせてから、徐々に入れ換えることで水温変化のショックを和らげることができますよ。
オトシンクルスの飼育、餌や水草は?

餌
- 苔
- 人工餌
水草
- ミクロソリウム
- エキノドルス
- アマゾンソード
オトシンクルスは苔を食べる魚として有名ですが、雑食性なので動物性の栄養も与える必要もあります。餌は水槽に生える「苔」だけでなく、プレコ用の人工餌を積極的に与えるようにしてください。
オトシンクルスは餌付けが難しい生き物なので、なかなか餌を食べてくれないことがあります。どうしても食べてくれない場合は、水を張ったバケツの中にアクリル板かガラス板を入れて日の当たる場所に置いておくと良いですよ。
苔が繁殖した板を水槽に入れてあげれば、オトシンクルスが美味しそうに食べてくれます。
おすすめの水草
水槽に入れる水草は、オトシンクルスの餌となるプランクトンの生息地にもなる「ミクロソリウム」「エキノドルス」「アマゾンソード」などがおすすめです。
またオトシンクルスは水草を食料にすることもあるので、オトシンクルスの非常食としても活躍してくれます。
水草をかじられて景観を崩したくない方は、サイズの小さいオトシンクルスだけを飼育するようにしてくださいね。
オトシンクルスの飼育、混泳に向く水棲生物は?

オトシンクルスはほとんどの熱帯魚と混泳が可能です。
「グッピー」「カラシン」「エビ」などと混泳させることができますが、弱酸性の水質に耐えられる熱帯魚のみ混泳させてくださいね。また、魚食性のない種が適しています。
例えば、弱アルカリ性を好むグッピーと混泳させる場合は、中性である「PH7」前後の水質に保つ必要があります。
オトシンクルスの繁殖方法・コツは?

オトシンクルスの場合、水草が多い環境がおススメです。水草はコケがついたり、茂みに卵を産む場所にもなります。
オスとメスの比率を2:1にすると理想的な繁殖環境になります。
オトシンクルスを飼うために!予算は?

オトシンクルスは1匹300円ほどで購入しやすいですね、直接熱帯魚店に足を運ぶのがおススメです。
飼うためのグッズとして水槽やヒーター、サーキュレーターが必要で、揃えると2万円ほどかかりますよ。
観賞魚としても魅力は十分!

「水槽の掃除係」としてのイメージが強いオトシンクルスですが、観賞魚としての魅力を十分に持ち合わせています。
飼育に挑戦する際は、ぜひ本文を参考にしてオトシンクルスが快適に暮らせる環境を作ってあげてくださいね。