ラッコは、食肉目イヌ亜科クマ下目イタチ科カワウソ亜科ラッコ属に分類される海棲哺乳類です。
お腹の上で貝を割っている姿がとても可愛らしく、とても癒されますよね。
この記事ではラッコの大きさや特徴、生態についてまとめました。ぜひ参考にしてください。
この記事でまとめたこと
ラッコってどんな動物?
詳細は分かっていませんが、ラッコは500~700万年前に生きていたカワウソの祖先から進化しました。
イタチ科の中で水に入って魚を獲るようになったものがカワウソの祖先となり、海での生活に適応するよう進化したのがラッコの祖先だといわれていますよ。
人間との関わり
18世紀にロシアの船がラッコの毛皮を持ち帰ったことをきっかけにして、上質な毛皮を目的とした乱獲が始まります。
この乱獲によってラッコは世界で1,000頭ほどにまで減少、絶滅の危機を迎えます。その後、国際条約などによる保護活動の高まりから徐々に生息数を回復しますが、1989年にアラスカで起きたタンカー事故によってまた多くのラッコの命が奪われました。
現在では絶滅危惧種として保護対象になっており、アメリカなどを中心に保護活動が行われていますよ。
ラッコの大きさや特徴は?
ラッコの大きさ | オス: 体長120~140cm、体重:25~40kg |
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メス: 体長100~130cm、体重20~30kg | |
ラッコの特徴 | 胴長の体型 |
8億本ともいわれる豊富な被毛 | |
細かな凹凸のついた手のひら | |
後足の指の間にある水かき | |
ラッコの寿命(野生下) | オス: 10~15年、メス15~20年 |
ラッコはオスが体長120~140㎝・体重25~40㎏、メスが体長100~130㎝・体重20~30㎏です。イタチ科の動物の中では大型ですが、海獣の中では一番小さい動物ですよ。
ラッコの特徴
ラッコの体は胴長で、平たく長い尾があります。全身を覆う被毛は8億本ほどあり、毛の密度は動物の中で一番高いといわれていますよ。
体色は幼獣のうちは黄褐色(黄色っぽい茶色)や茶褐色(こげ茶)ですが、成獣になると頭が淡褐色(薄茶色)・体が濃い褐色(茶色)に変わります。年を取るにつれて頭から白っぽくなっていきますよ。
前足は短く、細かな凹凸のついた黒い手のひらは器用にものをつかむことが出来ます。また、後足の5本指の間には水かきがあり、ヒレのような形状になっていますよ。
ラッコの生態は?
生態
- 海で生活
- 道具を使う
- 寒さに対応
ラッコの生態は大きく分けて「海で生活」「道具を使う」「寒さに対応」の3つです。
海で生活
ラッコは稀に陸に上がることもありますが、生活のほとんどが海の上です。
食事はもちろん、寝る時も流されないようにジャイアントケルプを体に巻き付けて海に浮かんだまま寝ています。繁殖も海の上で行い、赤ちゃんをおなかの上に乗せて子育てしますよ。
道具を使う
ラッコは、猿類以外で道具を使用できる唯一の動物だといわれていています。
胸のあたりに置いた石などに貝やカニなどを叩きつけて殻を割りますよ。ちなみに、ラッコは脇にある皮膚の弛みに気に入った石を常に入れており、ずっと使い続ける習性があります。
寒さに対応
水温4~10度ほどの北の海域に生息しているラッコは、寒さに対してもうまく適応しています。
少し長い毛の下にびっしりと生えた細く柔らかいアンダーファーの間に空気を取り込んで、寒さを凌いでいますよ。また、体温を維持するためにはたくさんのエネルギーを必要とするため、1日に体重の20~30%(5000~6000kcal)の餌を食べます。
ラッコを絶滅に追い込んでいる原因は人間!
可愛らしい姿で私たちを癒してくれているラッコですが、絶滅が危惧されるとしてレッドリストに掲載されています。
様々な保護活動が行われたことで生息数は増えてきてはいるものの、安心はできません。ラッコを絶滅に追い込んでいる原因は人間なんだという自覚を持って、日々の生活を送る必要がありますよ。