モンペリエヘビはナミヘビ科に属する弱毒性のヘビです。フランス南部の中心都市「モンペリエ」に名前の由来があるほど、ヨーロッパでは代表的なヘビの一種ですよ。
1.5~2mと巨体の割に動きは機敏で、弱毒性ながら相手を威嚇します。この記事ではモンペリエヘビの種類をはじめ、野生下での餌や天敵についてまとめました。
この記事でまとめたこと
モンペリエヘビの体色の種類は?
幼蛇 | 成蛇 | |
---|---|---|
オス | 緑〜茶色 | 緑褐色 |
メス | 茶〜灰色 | こげ茶色 |
モンペリエヘビの体色は「性別」と「年齢」で変化します。
幼蛇&オス
「幼蛇(ようだ)」の「オス」は腹面が白緑に近い白色や黄色で、背面は褐色がかった緑や茶色をしています。
背面には、灰色がかった緑色の模様が入っており、脱皮しながら成長するにつれてなくなっていきます。クリッとした目をしていますよ。
幼蛇&メス
「幼蛇」の「メス」は腹面が白緑に近い白色や黄色で、背面は灰茶~暗い茶色をしています。背面には、白色やライトグレーの模様が入っており、脱皮をしながら成長するにつれてなくなっていきます。
成蛇&オス
「成蛇(せいだ)」の「オス」は腹面が白緑に近い白色や黄色で、背面はオリーブがかった緑色をしています。これがいわゆるプレーンな体色です。
オスの多くは、側面に暗色の帯柄が入っていますよ。
成蛇&メス
「成蛇」の「メス」は腹面が白緑に近い白色や黄色で、背面は茶~暗茶色をしています。腹面はメスのほうが、比較的はっきりとしたグラデーションになっていて美しい印象ですね。
モンペリエヘビの餌、野生下では何を食べている?
野生化での餌
- トカゲ
- ネズミ
モンペリエヘビは「両生類」「鳥類」「小さな爬虫類」「哺乳類」「他の蛇」などを捕食します。「カエル」「小鳥」「ネズミ」「子ウサギ」を主に主食としますが、特にトカゲを好む傾向にあるようです。
過去には、胃から大きなカエルや亀が発見された記録もありますよ。モンペリエヘビは「後牙類」で、2本の鋭い牙と毒を注入する奥歯を持っています。
毒性はさほど強くなく人間への危険性はほとんどないですが、体の小さな彼らを弱らせるには十分な威力を持っていますよ。
モンペリエヘビの天敵はいる?
天敵
- 存在しない
モンペリエヘビには、基本的に天敵はいないとされています。臆病な性格なので、わずかな危機感でもすぐに隠れ家へ逃げ込んでしまうため、敵に襲わせる隙があまりないというのが実態といえます。
強いていうならば人間は脅威かもしれませんね。多くの動物にもいえることですが、道路でひかれてしまうケースや農家では駆除の対象になっているようです。
人間に捕獲された本種は殺され、乾燥させて骨董品として売られることも多いですよ。
亜種もたくさん!モンペリエヘビ
モンペリエヘビは主に3つの亜種に区別されます。基亜種である「ヘルマン」のほかに「ジェニエ」と「デハーン」が存在しますよ。
ジェニエの学名は「M. m. saharatlanticus」と表記されており、西サハラのダクラやモロッコなどに生息します。一方、デハーンの学名は「M. insignitus」と表記されており、アルジェリア、モロッコ、チュニジアの地中海周辺に生息していますよ。
日本では亜種がペットとして流通しており、モロッコ産の「デハーン」が多いようです。主要である3亜種の他にも、ヨーロッパ南東やイラク北部、イラン西部、トルコでは「M. m. fuscus(カランサ)」という亜種やデハーンとカランサ両方に類似する個体も存在するようです。
自然界は、まだまだ我々の知らない世界が広がっています。様々な亜種が存在するのも彼らの個性であり、あらゆる環境で生き延びるための進化の証なのかもしれませんね。