クスシヘビはナミヘビ科に属するヘビの一種です。全長はおよそ2mにもなる大型のヘビで、タイリクシマヘビ・モンペリエヘビと並ぶ「ヨーロッパ最大のヘビ」です。
英名である「Aesculapian Snake」は、ギリシャ神話に登場する医師の神・アエスクラピウスにちなんで名づけられたといわれます。
この記事ではクスシヘビの種類、野生下での餌や天敵についてまとめました。
この記事でまとめたこと
クスシヘビの体色の種類は?

幼蛇 | 薄緑から茶緑 しっぽまで並ぶ暗い模様 |
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成蛇 | 緑がかった茶色 白い縁どりのうろこ |
クスシヘビの幼体は、薄緑色から茶緑色の体色をしています。背面にはしっぽまで続く暗いまだら模様があります。首には黄色いリング状の模様、頭部には馬のひづめ形のはっきりとした暗い模様がありますよ。
成体のクスシヘビの皮膚は緑がかった茶色をしており、白く縁どられたうろこが規則正しく並んでいます。滑らかな鱗は金属のような光沢がありますよ。野生においては黒化個体や暗褐色(こげ茶色)の個体、アルビノの個体などが存在し、特に体色の薄い個体は体側に2本の黒いしま模様が見られます。
オスメスでの体色の違いはほとんどありません。
クスシヘビの餌、野生化では何を食べている?

野生化での餌
- げっ歯類
- 食虫類
クスシヘビの主な餌は、ラット以下の大きさの「げっ歯類」や「食虫類の動物」です。「小鳥」や「卵」、「ヒナ」なども捕食しますよ。ごくまれに他のヘビを食べることもあります。
クスシヘビは毒は持っていないので、獲物に巻き付いて締め殺してから飲み込みます。
幼蛇は主に「トカゲ」や「昆虫」、「小型のげっ歯類」などを食べますよ。
クスシヘビの天敵はいる?

天敵
- イタチ科動物
- キツネ
- ハリネズミ
クスシヘビの天敵はヨーロッパアナグマのような「イタチ科動物」や「キツネ」「ハリネズミ」などです。幼蛇はヨーロッパナメラのような「爬虫類食のヘビ」に食べられてしまうことがあるため、成蛇になるまでは天敵であるといえます。
幼蛇や冬眠中の成蛇は「イヌ」「ネコ」「ニワトリ」「ドブネズミ」などに捕食されることもあります。「イノシシ」は鋭い嗅覚で土の中の卵や幼蛇を掘り当てて、食べてしまいます。
木登りが上手なヘビ

クスシヘビは日本には生息していないため、国内ではあまり知られている種類ではないようです。木登りがとても上手で垂直な樹木にも登ることができ、ビルの屋上に出現した例もありますよ。