猫のキャットフード、日本における法整備は発展途上？海外の状況は？

店頭にはさまざまなキャットフードが並んでいます。愛猫が毎日食べるものですし、出来るだけ安全なキャットフードを選んであげたいですよね。

人間用の食品は「食品安全基本法」や「食品衛生法」などの法律で安全が守られていますが、キャットフードについても安全性を確保する法律はあるのでしょうか。

この記事では猫のキャットフードに関する法整備、海外の状況についてまとめました。

キャットフードに関する日本の法律は？

日本では最近まで、キャットフードを規制する法律がありませんでした。そのため、猫の健康に害を及ぼす物質がいくら入っていようと認可されていた状況なのです。

2007年にアメリカで、有害な「メラミン」という物質が混入したペットフードによりたくさんのペットが死亡するという事件が起こりました。

この事件をきっかけに、2009年に日本で「愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律（通称：ペットフード安全法）」が施行されました。

ペットフード安全法では、国が「製造基準」「表示基準」「成分規格」を設定し、有害な物質を含むペットフードの製造や輸入・販売を禁止しています。少し不安が残る規制ではありますが、以前よりも多くの情報を得られるようになりました。

キャットフードの法整備、海外と日本の違いは？

日本の「ペットフード安全法」では原材料の全表示を定めていますが、原料の「原産国」までは記載されません。また「エトキシキン」「BHA」「BHT」などの添加物に関しても上限値が設定されているものの、完全に禁止というわけではありません。

また「肉類」「副産物」「ミートミール」など記載が曖昧なものは、毛やくちばし、蹄などの肉以外の部位も含まれていることがあります。

ドイツの法整備

「ドイツ」をはじめとしたペット先進国では、ペットに関する法整備が進んでいます。たとえばキャットフードの製造に関して、人の食品と同じ品質（ヒューマングレード）のものを使用しなければなりません。動物の肉も部位ごとに使用してはいけないものや熱処理の基準まで規定されています。

アメリカの法整備

アメリカでも「AAFCO（米国飼料検査官協会）」「FAD（食品医薬品局）」を中心に農務省や州レベルでキャットフードに関するチェックが行われています。

AAFCOでは毎年更新される栄養素基準を各州に提示しています。日本もフード製造の際に参考にしていますよ。

キャットフードの法整備、日本は発展途上？

日本は欧米に比べるとペットとの歴史が浅く、法律的に言えばペットは「モノ」として扱われているのが現状です。上記のペットフードに関する法律も最近になってやっと施行されましたが、不完全な部分もありまだまだ発展途上といえます。

ヨーロッパでは以前から動物の権利が尊重されていて、猫が幸せに暮らすための法整備が進んでいるのです。日本には約1000万匹の猫が飼われていますので、早急にキャットフードの安全性を保つことが大切だといえますよね。

キャットフードで注意したい危険な成分は？

一般的な廉価のキャットフードには、上記のような成分が含まれていることが多くあります。これらの成分は猫の体に害を及ぼす可能性がある、粗悪な原材料といえます。

製造コストを抑えるために食肉加工の工程で余った残骸である「肉副産物」「ミートミール」が使われたり、保存期間を延長するために保存料などの「人工添加物」が使われたりします。

粗悪な原材料を与え続けると、体にどんどん蓄積されてアレルギーや重大な病気を引き起こす原因になります。愛猫の健康を考えると、原材料にこれらの成分が使われていないキャットフードを選んであげたいですね。

キャットフードに含まれる添加物・農薬とは？

キャットフードの主な成分や添加物一覧と購入時の確認ポイントは？キャットフードに含まれる農薬、愛猫への影響は？癌などの病気を引き起こす？

キャットフードは国産と外国産のどちらを選ぶべき？

キャットフードには日本産のものと外国産のものがあります。品質的なイメージから国産の方が良いような気もしますが、外国産のフードの方が高品質である場合が多いです。獣医師さんでも外国産のフードを推奨する方もいらっしゃいますよ。

国産のキャットフードの特徴は、まず値段が安いことがあげられます。ペットフード製造の歴史が浅いこともあり、品質の良くない素材を使っている場合が多いです。香味料などを使って日本の猫に合った味付けを施していることもあります。

それに対し外国産のキャットフードは、味付けや風味よりも自然の素材を使用することにこだわっているものが多いです。技術面でも日本より優れており、高い品質のまま安全さを確保することを追求しています。

愛猫の健康と安全を考えるならば、外国産のフードがおすすめです。ただ輸入などの関係から値段が国産のものより高価であったり、場合によっては聞きなれない保存料が使用されていたりする点には注意が必要です。

正しい知識で品質の良いフードを

キャットフードの品質は健康や寿命にも影響する大切なことです。最終的に購入し愛猫の食べるものを決定するのは飼い主なので、正しい知識で品質の良いものを選んであげてください。

裏側の原料表示などにも注目してみてくださいね。